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顔合わせと加護 10
遠目で人が集まっている場所がある。
ドキドキしながら足を進める。
隣でマーガレットもドキドキしているのがわかる。
お互い手が汗ばんでいるが、それよりはどう挨拶しようかどのタイミングでするかと打ち合わせて忙しい。
声を出さなくても伝わるのは便利でいいね。
筒抜けだけど。
侍女のお仕着せの女性が忙しそうに、先輩方が座っているらしいテーブルと神殿を行き来している。
皆それぞれに、気の合う聖獣が側にいるみたい。
って、ちょっとまて。クマ? 熊と仲良しって。
テーブルから少し離れた場所に立っている赤毛の女性と、座ってるのに同じぐらいの大きさのクマ。
顔デカ! 両手デカ! 体の厚みがハンパナイ!
しかもあれ、灰色熊じゃない!
「ベロニカ様、はいいろぐま? ご存じですの?(大きいけど、顔は可愛いです。)」
「そっそうね。お目めがツブラで、毛並みもふわもこっとして美しいわね。(言えぬ。言えぬのだ!)」
無理矢理に視線を外し、息を整える。
こちらに気が付き、ニコニコとこちらを出迎えてくれる先輩達と侍女さん達。
私とマーガレットがそれぞれに、しとやかに淑女の挨拶をする。
私は涎と草まみれの姿だけどね。
「よろしくね、後輩さん! 私はクレマティス。ティーってよんで。こちらが友人の『テッセン』よ。」
一番手の青紫の髪をなびかせた、薄い茶色の瞳のお姉さんが元気よく両手を差し出した。
美人なのに、両頬に出るえくぼ可愛い。
『よろしくね! わたしテッセン。趣味は絵をかく事よ。』
青紫色のゴージャスなレースリボンを首に巻いた、腕いっぱいの大きさの茶色のイタチが、きゅるんとした瞳で見上げてきた。
くっ、可愛すぎかよ!
立ち上がってポーズまでしてくれるなんて、サービス凄い。
リボンにお金を挟まないといけない気がする!
「ベロニカ様! どうどうですよ。どうどう。」
マーガレットが肩をポムポムと叩いて、正気付かせてくれた。
ふぅ、危なかった。
「うふふふふ! 始めまして。わたくしはキャクタス。笛を吹くのが好きなの。」
「そしてその笛の相棒の『美しき音色を愛でるホリディ・ボニータ』一緒に歓迎の演奏会をするわ。是非楽しんで。」
二番手は鮮やかな赤紫を、キッチリまとめたピンクの瞳の女性。
頬も美しくピンクに染まっていて、健康的な体形も素晴らしく美しいのが眼福。
その隣には白いふわっとした毛並みの赤い顔の猿。
白いレースの大きな襟に、赤紫のたっぷりとしたリボンを結んでいる。
襟とお揃いの白いレースの袖も可愛らしい。
ちょこっと襟とちょこっと袖ね。
なぜ、日本猿が。
しかもマーガレットより、ちょっと小さいぐらいの大きさ。
『わたしの名は『美しき音色を愛でるホリディ・ボニータ』だ。よろしくな、お嬢さん達。』
パチリとウインクをしてくる器用なお猿さん。
やだ、可愛いのとカッコイイが一緒だなんて、ずるい! すき!
こっそり悶えていると、空色の髪を内巻きのボブにしている黄色の瞳の一際美人のお姉さんが笑い始めた。
「ふふっ。私はフォゲミーナです。ミーナってよんでね。」
「私も演奏会に参加するの。私の友人が指揮をとるわ。『英知を求める永遠の探索者。黒いひげの隠者バサナテーパサン』聖獣様の中でも年長者なんだけど、情熱的なのよ。」
パリコレモデルさんの様なスタイル美女の紹介で、立派な角とあごひげの野性味あふれる黒山羊が満足げに頷いている。
『バサナテーじゃ、よろしくの。お前さんたちは何か楽器は扱えるかの?』
「いいえ、残念ながら。機会があれば、何か習ってみたいです。」
「わたしは少しだけ歌唱を。一度発表会に出してもらった事があります。」
あら、羨ましい。
勉強と仕事ばっかりで、全然自分の時間が無かったなぁ。
聖女になれた事だし、もう趣味を探してもいいよね。
「わたくしはアイリス。甘いものを食べるのが趣味かしらね。『スィートスィートスィートハニー・ティガット』は、一緒に食べてくれるのよ。」
銀色の髪をさらさらとかき上げて、紫の瞳を向けてくる美人さん。
彼女の聖女用のワンピースが前ボタンのタイプだけど、胸元がえらい事になってる。
ぽっちゃりではなく、ボンキュッボンのボンがバーンって感じです、はい。
座っている彼女の後ろに、人間三人分の大きさのトラの後頭部が見える。
『特に甘いものが好きだという訳ではない。私の聖女が好んでいるから、一緒に食べているだけだ。』
だらりと寝そべっていたが、ムッとしたように顔だけ上げて抗議している。
尻尾は先っちょだけゆらゆらと揺れているのが、ツンデレさんですね、わかります。
「私はリリー。剣の振るのが趣味だ。その鍛錬に付き合ってくれる『ベルトワール』だ。」
「皆には『ごついお嬢さん』『灰色の残念・ホリビリス』だとか言われてるがな。」
最後は赤い髪の、がっちりした肩のお姉さん。
赤い髪を頭のてっぺんで結んであって、首元より少し長いサラサラな髪が風に流れる。
『始めまして! ベルトワールよ。リリーも私も、こう見えて可愛い物が好きなの。よろしくね☆』
ちょこんと(そう表現していいのかわからないが)座っていたのが、ずもももと立ち上がる。
なんだか世紀末なアニメのOPの、救世主の後ろの黒い影を思い出した。
見上げるほどデカいが、お目め可愛い。
パチパチしてるのも、あざと可愛い。
『あら! あなた達はワタシの事を怖がらないのネ! 嬉しいワ!』
灰色熊がキャッと逞しい両前足で両頬を押さえて、身をくねらせた。
あっやだ、可愛い。
うん。女性なのね。大きさで判断しちゃ駄目だね。反省。
『あら、いいのヨ! ワタシは雄だもの。大きいのは仕方ないワ。』
ドキドキしながら足を進める。
隣でマーガレットもドキドキしているのがわかる。
お互い手が汗ばんでいるが、それよりはどう挨拶しようかどのタイミングでするかと打ち合わせて忙しい。
声を出さなくても伝わるのは便利でいいね。
筒抜けだけど。
侍女のお仕着せの女性が忙しそうに、先輩方が座っているらしいテーブルと神殿を行き来している。
皆それぞれに、気の合う聖獣が側にいるみたい。
って、ちょっとまて。クマ? 熊と仲良しって。
テーブルから少し離れた場所に立っている赤毛の女性と、座ってるのに同じぐらいの大きさのクマ。
顔デカ! 両手デカ! 体の厚みがハンパナイ!
しかもあれ、灰色熊じゃない!
「ベロニカ様、はいいろぐま? ご存じですの?(大きいけど、顔は可愛いです。)」
「そっそうね。お目めがツブラで、毛並みもふわもこっとして美しいわね。(言えぬ。言えぬのだ!)」
無理矢理に視線を外し、息を整える。
こちらに気が付き、ニコニコとこちらを出迎えてくれる先輩達と侍女さん達。
私とマーガレットがそれぞれに、しとやかに淑女の挨拶をする。
私は涎と草まみれの姿だけどね。
「よろしくね、後輩さん! 私はクレマティス。ティーってよんで。こちらが友人の『テッセン』よ。」
一番手の青紫の髪をなびかせた、薄い茶色の瞳のお姉さんが元気よく両手を差し出した。
美人なのに、両頬に出るえくぼ可愛い。
『よろしくね! わたしテッセン。趣味は絵をかく事よ。』
青紫色のゴージャスなレースリボンを首に巻いた、腕いっぱいの大きさの茶色のイタチが、きゅるんとした瞳で見上げてきた。
くっ、可愛すぎかよ!
立ち上がってポーズまでしてくれるなんて、サービス凄い。
リボンにお金を挟まないといけない気がする!
「ベロニカ様! どうどうですよ。どうどう。」
マーガレットが肩をポムポムと叩いて、正気付かせてくれた。
ふぅ、危なかった。
「うふふふふ! 始めまして。わたくしはキャクタス。笛を吹くのが好きなの。」
「そしてその笛の相棒の『美しき音色を愛でるホリディ・ボニータ』一緒に歓迎の演奏会をするわ。是非楽しんで。」
二番手は鮮やかな赤紫を、キッチリまとめたピンクの瞳の女性。
頬も美しくピンクに染まっていて、健康的な体形も素晴らしく美しいのが眼福。
その隣には白いふわっとした毛並みの赤い顔の猿。
白いレースの大きな襟に、赤紫のたっぷりとしたリボンを結んでいる。
襟とお揃いの白いレースの袖も可愛らしい。
ちょこっと襟とちょこっと袖ね。
なぜ、日本猿が。
しかもマーガレットより、ちょっと小さいぐらいの大きさ。
『わたしの名は『美しき音色を愛でるホリディ・ボニータ』だ。よろしくな、お嬢さん達。』
パチリとウインクをしてくる器用なお猿さん。
やだ、可愛いのとカッコイイが一緒だなんて、ずるい! すき!
こっそり悶えていると、空色の髪を内巻きのボブにしている黄色の瞳の一際美人のお姉さんが笑い始めた。
「ふふっ。私はフォゲミーナです。ミーナってよんでね。」
「私も演奏会に参加するの。私の友人が指揮をとるわ。『英知を求める永遠の探索者。黒いひげの隠者バサナテーパサン』聖獣様の中でも年長者なんだけど、情熱的なのよ。」
パリコレモデルさんの様なスタイル美女の紹介で、立派な角とあごひげの野性味あふれる黒山羊が満足げに頷いている。
『バサナテーじゃ、よろしくの。お前さんたちは何か楽器は扱えるかの?』
「いいえ、残念ながら。機会があれば、何か習ってみたいです。」
「わたしは少しだけ歌唱を。一度発表会に出してもらった事があります。」
あら、羨ましい。
勉強と仕事ばっかりで、全然自分の時間が無かったなぁ。
聖女になれた事だし、もう趣味を探してもいいよね。
「わたくしはアイリス。甘いものを食べるのが趣味かしらね。『スィートスィートスィートハニー・ティガット』は、一緒に食べてくれるのよ。」
銀色の髪をさらさらとかき上げて、紫の瞳を向けてくる美人さん。
彼女の聖女用のワンピースが前ボタンのタイプだけど、胸元がえらい事になってる。
ぽっちゃりではなく、ボンキュッボンのボンがバーンって感じです、はい。
座っている彼女の後ろに、人間三人分の大きさのトラの後頭部が見える。
『特に甘いものが好きだという訳ではない。私の聖女が好んでいるから、一緒に食べているだけだ。』
だらりと寝そべっていたが、ムッとしたように顔だけ上げて抗議している。
尻尾は先っちょだけゆらゆらと揺れているのが、ツンデレさんですね、わかります。
「私はリリー。剣の振るのが趣味だ。その鍛錬に付き合ってくれる『ベルトワール』だ。」
「皆には『ごついお嬢さん』『灰色の残念・ホリビリス』だとか言われてるがな。」
最後は赤い髪の、がっちりした肩のお姉さん。
赤い髪を頭のてっぺんで結んであって、首元より少し長いサラサラな髪が風に流れる。
『始めまして! ベルトワールよ。リリーも私も、こう見えて可愛い物が好きなの。よろしくね☆』
ちょこんと(そう表現していいのかわからないが)座っていたのが、ずもももと立ち上がる。
なんだか世紀末なアニメのOPの、救世主の後ろの黒い影を思い出した。
見上げるほどデカいが、お目め可愛い。
パチパチしてるのも、あざと可愛い。
『あら! あなた達はワタシの事を怖がらないのネ! 嬉しいワ!』
灰色熊がキャッと逞しい両前足で両頬を押さえて、身をくねらせた。
あっやだ、可愛い。
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『あら、いいのヨ! ワタシは雄だもの。大きいのは仕方ないワ。』
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