異世界の物流は俺に任せろ

北きつね

文字の大きさ
25 / 293
第四章 拠点

第四話 ディアナオプション

しおりを挟む

 エミリアのディアナアプリで、討伐ポイントを確認したヤスは、自分がやってしまった事にようやく気がついた。
 ポイントが、80万ほどになっていたのだ。ゴールデンスカラベを100体ほど倒していたのだ。時間にして、3時間・・・。繰り返していたのだ。

 当初は自分の魔力を使ってゴールデンスカラベを出現させて討伐していたのだが、討伐ポイントが魔力ポイントに変換できることを知ったヤスは、ゴールデンスカラベを倒して得た討伐ポイントを魔力ポイントに変換して、ゴールデンスカラベを出したのだ。ヤス自身の魔力を使うよりも効率は落ちるのだが、討伐ポイントが楽に増える方法として実行していたのだ。

 足元に転がった2cm四方程度の”ゴールド”も拾わないで居たので、”ゴールド”もかなり溜まっていた。

「マルス。この金・・・。ギルドで換金したら駄目だよな?」

『神殿で見つけた事にすれば問題ありません』

「お!それなら拾っておくか!」

 全部で、29枚の金片を拾う事ができた。

(さて、ゴールドも手に入った事だし、ディアナオプションでも作ろうかな)

 ヤスは、ディアナアプリを起動した。
 まずは、獲得した討伐ポイントで何ができるのかを確認してみる事にしたようだ。

--- ヤスの思考 ---

 おいおい

 乗用車のラインナップが偏っている。ラリーカーで、ヤリスが掲載されているけど・・・ぉ!CIVIC Type-R のラリー仕様車?
 駄目だ。高くて買えない。車は、買えそうにないな。ディアナのオプションも、1-2千万のポイントが必要になる。ドライブレコーダーとかなら安いけど、現状で必要ではないからな。

 バイク?
 モンキー125<ABS>が、43万ポイントで購入できる。色も選べるし、オプションも選べるようだな。
 モンキーの色は、赤色一択!自動運転は・・・。高いな。60万ポイントも必要になる。ナビが、10万ポイントだけど・・・。必要か?

「エミリア」

『はい。マスター』

「例えば、フェレンの森に入って、エミリアにナビを頼むような事は可能か?」

『できます』

 それなら、ナビは必要ないな。
 ノーパンクタイヤにして、サスペンションを交換して、ライトを強化して・・・。おっ!結界とかあるのか、安・・・1000ポイントで付けられるようだ。結界の種類が複数あるな。物理結界と魔法結界か、2つとも必要だな。2つ同時につけられそうだな。
 魔法媒体?あぁモンキーから魔法を打つことができるのか?安いから付けておくか?

 いろいろオプションを付けていくと、60万ポイント位になってしまったな。
 えぇぇい度胸だ!駄目だったら、またゴールデンスカラベを殺しまくればいい。

---

 ヤスは、自分にいろいろ言い訳をしながら、日本に居たときにニュースで知ってから欲しかったモンキー125を購入した。
 もちろん、使い途を考えたわけではない。自分が欲しかったただそれだけの理由で購入したのだ。

 そのために、討伐ポイントの残りは20万を切ってしまっている。

『マスター。残りの討伐ポイントで、神殿の補強を行うことを推奨いたします』

 マルスからの問いかけまで、ヤスは神殿の事を完全に忘れていた。

「そっそうだな。頼む。俺の寝所とかも作れるのか?」

『問題ありません』

「頼む」

『了』

 神殿の事とか、ダーホスの事とか、一切合切忘れて、ヤスはディアナアプリを操作した。
 購入したモンキーに乗るためだ。

 ガレージという名前のタグが増えている。管理する車体が複数になったので出てきたのだろう。
 購入したモンキーをタップすると、”初回出現時間:7分”と表示される。迷うこと無く、承認をタップする。どうやら、討伐ポイントを使ってこの時間も短縮できるようだが、ヤスは7分間待つ選択をした。
 その間、変わっていく神殿を見守っている。

 神殿が劇的に・・・。変わっていない。
 外観は殆ど変えないようだ。

 エミリアのマルスアプリからの連続でメッセージが通知されている。ヤスは、もちろん読み飛ばしている。大事な事は、マルスかエミリアが教えてくれるだろうと考えているのだ。事実、大事な承認ごとはアプリから承認を求める画面が表示される。ヤスは、画面を確認して承認ボタンをタップしている。
 内容を見ては居るが認識して考えているとは思えない。
 マルスから神殿内部の構造に関する提案も有ったのだが、全部承認しただけだ。

「マルス。地下の改装も頼みたいけど大丈夫か?」

『どのようにしますか?』

「全部で5階層にできるか?」

『可能です』

「神殿には、俺しか入る事ができないのだよな?」

『はい。マスターと伴侶と永続奴隷だけです』

「うーん。なんとかならない?」

『”なんとか”とは?』

「居住区に入る事ができないのは、しょうがないとしても、地下施設には入ってもらわないと困るよな?ダーホスにコアの確認をしてもらう必要があるのだよな?」

『マスター。説明が足りませんでした。神殿は、2つに分かれています』

「2つ?」

『はい。1つは、居住区。こちらは、安全のために、マスターと伴侶と永続奴隷しか入る事ができません』

「あぁ」

『神殿区は、もともと地下に広がっている空間です。この部分は、マスターが許可すれば誰でも入る事ができます』

「それなら大丈夫か?それは、他の神殿でも同じなのか?」

『同じですが、コアの場所を隠す事や、コアを奪われないために、秘匿するのが一般的です』

「そうか・・・。そうだ!コア=マルスだとおもっていいのか?」

『間違いではありません。コアの機能は、マルスが乗っ取りました』

「ん?まぁいい。わかった、大丈夫なら、地下は5階層で、俺の知識を使って、ダンジョンっぽくしてくれ」

『かしこまりました。魔物はどういたしましょう?』

「必要ない。そうだ。マルスなら、車の幅はわかるよな?」

『はい』

「それなら、ダンジョンの道幅は、ディアナがトレーラーを引いていない状態で走れるサイズにしてくれ、入り口もサイズをあわせてくれ」

『了』

 ヤスとマルスが話し込んでいる?状況でも、ディアナアプリのモンキーの出現は進んでいる。
 残り時間は、1分を切っている。ヤスは、減っていくカウントをワクワクしながら見ている。

(5)(4)(3)(2)(1)(!!!)

(ん?)

 ヤスは、カウントダウンが終了すれば目の前にカスタマイズしたモンキーが顕現すると考えていた。

 エミリアが振動した。
 ヤスが画面を確認すると、ディアナアプリからメッセージが表示されていた。

”出現場所を選択してください”

 選択肢が表示されるのかと思って、見てみるが表示されているのは”+”の表示だけ・・・。

 画面上に一覧で表示されているのを期待したのだが、まずは出現場所を作成する必要がありそうだ。

 ヤスは、”+”をタップした。

(ふーん。駐車場の領域を確保して、そのどこに出現させるか・・・。ん?ディアナの場所も必要なのか?)

(そうか、普段は?ディアナアプリの中に入っていて、それを取り出す場所の設定をするという感じだな)

(そうなると、工房は神殿の中に作ったほうが良さそうだな。駐車場も同じように、神殿の中だな)

「マルス」

『はい』

「神殿だけど、少し訂正。2階層分を、駐車スペースと工房に設定」

『了』

『マスター。工房を作るには、討伐ポイントが不足しています』

「そうか・・・!!!そうだ、マルス!ディアナの自動操縦は可能だよな?」

『可能です。ただし、マスターの様に運転する事はできません』

「わかっている。それなら、神殿の内部に魔物を出現させて、ディアナで討伐したらどうだ?」

『計算中・・・・。マスターに残念なお知らせです。マスターが魔力を注入しない限り、討伐ポイントが増えません』

「ん?俺が魔力を提供すればいいのか?」

『はい。ただし、現状ディアナで安全に討伐できるのは、オーク種であると想定し計算を実行したところ、工房を作るまでに、2057日19時間42分必要です』

「はぁ?却下だ。その間、俺が魔力を提供し続けなければならないのだよな?」

『はい。現状居る魔物を討伐する事で、討伐ポイントを得る事ができます』

「ん?魔物は消したよな?」

『最初から居た魔物は、現在地下3階と地下4階に移動しています。これらは、討伐ポイントの対象になります』

「ディアナで倒せるのか?」

『不明です。ただし、全力でぶつかれば可能だと判断できます』

「わかった、少し保留する」

『わかりました』

「まずは、駐車スペースの確保。そうだな。駐車スペースは地下1階にしろ、工房用に地下2階を使えるようにしろ。地下3階と地下4階はダンジョンにして、地下5階はボス部屋とコアの部屋まで一本道にしろ。内装や様式は、俺の記憶を参照しろ」

『了』
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。 彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。 ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...