帰還した召喚勇者の憂鬱 ~ 復讐を嗜むには、俺は幼すぎるのか? ~

北きつね

文字の大きさ
31 / 96
第二章 帰還勇者の事情

第十六話 朝倉比奈

しおりを挟む

 私は、ヒナ。日本にいた時には、”朝倉アサクラ比奈ヒナ”と名乗っていた。
 レイヤやユウキやサトシやマイや弥生と一緒に異世界フィファーナに召喚された。フィファーナでの話は、悲しいことも多かったが、楽しいことも多かった。日本に居た時と違って、自分たちでできることが増えたのが一番の理由だ。

 リーダは、サトシだが、実質的なリーダがユウキなのは皆がわかっていることだ。
 ユウキには、日本に戻ってやりたいことが有った。私とレイヤにもやりたいこと・・・。知りたいことがある。

 ユウキは、自分のことを棚上げにして、私とレイヤに関する情報を収集するつもりのようだったが、問題が一気に解決しそうだ。

 地球に残る者たちには、スマホが提供された。ユウキとよく話をしている記者から提供されたのだと言っていた。盗聴されても、私たちは困らない。位置が把握されて攻撃されても、撃退できる。仲間の中で、弱いアリスや私でも、10や20人程度に囲まれても突破できる。殺さないで無力化をするのは、難しいとは思うけど、撃退殺害はできるだろう。

 私のスマホに、着信が有ったのは、記者会見見世物市から3日後だった。
 最初は、今川さんだった。私の連絡先を、『森田に教えていいか』という連絡だった。森田と名乗った人の連絡を聞いた。10分くらいしてから、森田さんから電話が入った。

『ヒナさん』

「はい。森田さんですか?」

『そうです。名乗らないで、もうしわけない。それで本題だけど、先生が、馬込先生が、ヒナさんとレイヤくんに会いたいと言っています。もちろん、断ってくれても大丈夫です』

「え?」

『あっ大丈夫ですよ。断ってくれても、ユウキ君と進めている話は継続します。それから、レイヤくんと相談して決めてください。メールでも電話でも大丈夫ですから、連絡をください』

 そう言って、電話が切れた。
 馬込さんには会って話を聞きたいと思っていた。

 記者会見の会場に現れた森田と名乗った記者から告げられた。馬込という人物の名前と言葉。

 私にも、レイヤにも記憶がある名前だ。
 私の両親とレイヤの両親の葬儀に多額の香典を置いていった人物が、馬込だ。私とレイヤは、まだ幼くて、実際には会ったことが無い。
 父さんと母さんの古い知り合いだと教えられた。そして、私とレイヤが、父さんと母さんの所に行けるように手配してくれたのが、馬込なのだと教えられた。

 レイヤとユウキに相談した。レイヤにも、森田さんから連絡が入っていた。

 ユウキは、私たちに任せると言ってくれた。信頼しているとは少しだけ違う気がするが、サポートメンバーをつけると言っていたので、サトシ以外を付けてもらうことにした。多分、スキルを考えるとアリスなのだろう。アリスの方も、復讐する相手が判明して準備を行っているらしい。

「こんにちは、ヒナです。森田さんですか?」

『こんにちは。森田です』

「よかった。レイヤと話をしました。”馬込先生にお会いしたい”と思います。私たちは、いつでも大丈夫ですので、馬込先生のご予定に合わせます」

『ありがとうございます。馬込から、せっつかれていて・・・。それで、レイヤくんと二人だけですか?ユウキ君やサトシくんやマイさんも一緒でもいいですよ?』

「いえ、私たちだけで伺います。あっ・・・。ただ、東京の地理には詳しくないので、待ち合わせや目的地は、駅とか、わかりやすい場所だと嬉しいです」

『わかりました。私が迎えに行きます。お二人・・・。できたら、記者会見のときと同じ変装をしてきてくれたら嬉しいのですが・・・』

「すみません。あのときの変装は、室内でないと難しいので・・・」

『わかりました。私のことは覚えていますか?』

「はい。私もレイヤも覚えています」

 鑑定を使えば判明するだろうし、最悪はユウキにサポートをお願いすればいい。

『スケジュールが決まったら連絡をします』

「はい」

 1時間後には、3つの日時と、待ち合わせ場所が書かれたメールが届いた。レイヤにも、同じメールが届いた。
 相談して、ユウキとアリスの都合がいい日にした。

 当日は、ユウキが待ち合わせ場所を見渡せる場所に待機をしてくれる。アリスが、私とレイヤに眷属を付けてくれた。抵抗した、本当に抵抗したが、”蜘蛛”を付けられた。問題がないと解ったら、即座に解除していいと言われている。待ち合わせ場所で、すでに”蜘蛛”を解除したいと思っている。でも、どこで話をするのかわからないのは不安なので、話し合いが始まるまでは我慢する。

 待ち合わせ場所は、山手線の駅で、丁寧に地図まで付けてくれた。私は、わからなかったがレイアが大丈夫だと言ってくれた。ユウキとレイヤで下見にも言ってくれたので大丈夫だ。

 待ち合わせ時間は、14時30分だったが10分前に着いてしまった。

「え?レイヤ。あれ・・・」

「森田さんだね」

 10分前に着いたのに、森田さんは待ち合わせ場所で待っていた。慌てて、駆け寄って挨拶をすると、挨拶を返してくれた。
 レイヤが森田さんと離しながら、馬込先生が待っている場所に移動した。私は、前を歩く二人に着いていくだけだった。

「え?ここ?」

 森田さんについて行って、到着したのは、スイーツをパラダイスする店だ。

「えぇ主役は、ヒナさんとレイヤくんだから、こういう店の方がいいでしょ?それに、半個室みたいになっているから、内緒話をするのにも向いているよ」

 馬込先生は、別の場所に居て、後から合流するのだと教えられた、私が財布を取り出すと笑いながら森田さんが、私とレイヤの分を含めて払ってくれた。スイーツだけではなくフルーツも食べ放題になる高いやつだ。時間も100分もある。

「60分くらい、二人で楽しんでね。馬込先生を迎えに行ってくる」

「あっ席は?」

「森田で予約しているから、店員に聞いてくれたらわかるよ」

 近くに居た店員に声が聞こえていて、席に案内された。奥まった場所で、半個室になっている場所だ。
 ケーキとジュースとアイスとフルーツを堪能した。

 70分くらい経過してから、森田さんが老紳士を連れてきた。
 私とレイヤは、立ち上がって挨拶をした。

「気にしなくていい。私が、馬込だ。ヒナさん。レイヤくん。君たちのご両親に私と娘は救われた」

 馬込先生は、私たちが知らなかったパパとママのことを教えてくれた。職業を父さんと母さんに聞いたときに濁された理由も解った。
 森田さんが、新聞の切り抜きを私たちに見せてくれた。そこには、私のパパとレイヤのパパが載っていた。名前しか知らない。顔写真も一度だけしか見たことが無いけど、パパだ。大人になったレイヤに似ている。

 火災現場で、救助活動中に死亡したと書かれていた。
 それなら、ママは?私の疑問に、森田さんは次の新聞を持ち出した。病院に向かう車に、対向車が衝突して、運転していた女性と助手席の女性が死亡。ママだ。レイヤは、机の下で拳を握っている。レイヤがなにかを我慢しているときにする動き合図だ。

「馬込先生?」

「ヒナさん。私は、お二人のお父さんに命を救われた。私の娘は、お二人のお母さんに助けられたと言ってもいい」

 パパは、わかる。消防士だ。でも、ママは?看護師だった。ママは病院から、パパたちの所に急いだ。その途中で事故にあった。

「でも・・・。ママは、事故・・・。ですよね?」

 馬込先生は、首を横に降った。
 懐から、一つの紙を取り出した。そこには、二人の名前が書かれてあった。名字が同じだから、家族なのだろう。

「これは?」

「私の娘につきまとって・・・。そして、刺した男だ」

「え?」

「薬物中毒で、無罪になった。今では、会社の社長をやっている。会社名は、ユウキくんに言えば知っているはずだ」

「え?」

「もう1人は、刺した男の父親だ。退官しているが、霞が関で官僚をしていた。息子の問題がなければ、次官くらいにはなっていただろう。政府の覚えもよく、今では政治案件のブローカーをやっている」

「先生。ブローカーと言われてもわからないですよ。ヒナさん。レイヤくん。ブローカーは、相談役だと思ってくれればいい」

 頷いておく、話が大きくなりすぎてわからない。パパとママは、何に巻き込まれたの?
 森田さんが説明をしてくれた、正直な所、私にはわからない。レイヤは、なにかを決めた表情をしている。

「馬込先生」

「何かな?レイヤくん」

「この二人を、俺に、俺たちに・・・。ください」

「ここまで、話しておいて言うのもおかしいが、君たちが対処する価値があるとは思えない」

「解っています。でも、けじめは必要です。それに、俺たちはすでに・・・」

「違いますよ。レイヤくん。君たちは、綺麗だ。でも、君たちが対処したいという気持ちは理解できる」

「それなら!」

「年寄りの戯言だと思って聞いて欲しい」

「・・・」

「私の娘は、君たちの母親の献身な態度で心が回復した。奴は、それが許せなかった。私が家にいるときに火を放って、私を殺そうとした。君たちの父親に私は命を救われた。私が運ばれた病院に、娘が駆けつけると思った奴は、病院で待ち伏せした。それに気がついた、君たちの母親が、警察に通報した。警察が駆けつけて、奴を拘束しようとしたが逃げられた。君たちの母親が運転する車を偶然見かけた奴は、後ろから猛スピードで突っ込んで、反対車線に車を押し出して、逃げた」

「・・・」

「支離滅裂になってしまったな。すまない。ヒナさん。レイヤくん。私の依頼を受けてくれるか?」

「依頼?」「??」

「奴と奴の父親を、生きたまま私の前に連れてきて欲しい」

「え?」

「奴らは、私から逃げている。森田や仲間に探らせても・・・」

「・・・。わかりました。馬込さん。その依頼を受けさせていただきます」

「ありがとう。君たちは、私の依頼を受けて、あの愚か者を捕まえる。捕まえるときに、手荒な真似をして、怪我や骨折をしてしまうのはしょうがない。全部、私が依頼したことで、私に責任がある」

「そうだ。依頼というには、報酬がありますよね?」

「もちろんだ。娘が持っていた、二人の母親と父親の写真と直筆のメモを渡そう」

「え?」「・・・。馬込先生。でも、それは娘さんの宝物なのでは?」

 私は、気になっていたことを遠回しに聞いた。馬込先生は、にっこりとだけ笑った。私は、それで悟ってしまった。

「馬込先生。もう一つ、報酬に追加して欲しいことがあります」

「なんでしょうか?」

「全部が終わったら、私とレイヤを娘さんの所に案内してください」

「わかりました。少しだけ、離れた場所です。あの娘が好きだった場所に眠っています。ぜひ、案内させてください」

「ありがとうございます」

 私は、差し出された馬込先生の手を握った。レイヤも、私の手に合わせるようにしてくれた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。 しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。 絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。 一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。 これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...