突然恋に落ちたら

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2.葛藤と欲望

5.欲望(3)

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「さあて、今度は俺の番」
 キスをして、柔らかな胸を掴んだ。
「あの……さっき、されましたよ……?」
「何度してもいいんだよ。イヤだったか?」
 ううん、と彼女は首を横に振る。
「だったら、揉んでもいいよな?」
「……は、はい」
「佑香のおっぱい、柔らかくて可愛い。ここはキレイなピンク色だし」
 と先端を抓み、佑香の口から吐息が洩れた。
「挿れながら揉みしだきてえ……」
 指を沈め、彼女の顔が恥ずかしそうに歪むのを眺める。
(可愛い。……あ、そうだ、ちょっと乾いたかもしれないな)
 また両脚を掴んで開き、顔を埋めた。
 先程のように抵抗したりはしなかった。
 秘部のぷっくりと膨れた部分がビクビクと震え、舌を侵入させるとまたも締め付けてくる。舌や指がこんなに締め付けられたら、いざとなったらどうなるのだろう、考えるだけで興奮する。
(全部俺が最初なんだよな)
 怖がらせないよう、トラウマにならないよう、慎重になっていく。
 二本の指を入れ、掻き回していくと、
「変な声が……出ちゃう……」
 口元を押さえて彼女は悶えた。
 その手を退け、
「出していいんだよ」
 低い声で囁いた。
「変じゃないですか……?」
「変じゃないよ。気持ちいいって証拠。俺を興奮させる、いい声だよ? 喘ぐ声、もっと聞かせて」
 でも恥ずかしいです、と聞こえた。
「恥ずかしいことしてるんだから当然だろ。恥ずかしいことを俺としてるんだから、俺にだけ聞かせてくれたらいい。もっと聞きたい、佑香のエロい声」
 うん、と彼女はおずおずと頷いてくれた。恥じらいながらも慶孝に従順になる佑香が可愛らしくてたまらない。
(早く挿れてえ……、早く抱きてえ……!)
 指の動きを速めると、佑香が悲鳴をあげ、身体を仰け反らせた。
(イッてはないか……)
 慶孝が動きを止めると、はあはあ、と息を吐いた。どう息を吸って吐いたらいいのかわからないようで、少し噎せている。
(じゃあ……)
「ちょっと待っててな」
 小物入れから小さな箱を持ってくると、そこから一枚コンドームを出した。
 ピリッ、といい音がする。
 この音は久しぶりだった。
 持っていたものは使用期限が過ぎていたので、少し前に新しいものを買ってきたのだ。買ってから、早々に使う機会に恵まれるとは思わなかったが。
「男の義務」
「…………」
 あまりわかっていない様子の佑香だ。
 しかし性病予防や、望まない妊娠を避けるためにはコンドームをつけないといけない、ということくらいはわかっているだろう。
 素早く装着すると、にやりと笑って佑香の顔を見る。
「じゃ……挿れるよ?」
「……は、はい」
 脚に腕をかけて、彼女の身体を引き寄せる。挿入するのにいい位置を決め、自分のものを掴んで彼女が受け入れるその入口に擦りつけた。何度か往復させ、愛液が溢れるのを確かめる。
「やめたくなったら言うんだぞ?」
「はい……いえ、言わないです……」
「……うん」
 決意したかのように言う佑香が可笑しくて笑ってしまう慶孝だった。
(……よし)
 いい頃合いだろう、と膝をついて固く興奮しているそれを、割れたその場所に押し込む。ぬちぬち……と少しずつ侵入していく。
「……やっ……い……あ……う……」
 言いようのない悲鳴が零れていく。
 痛むのか、辛いのか、佑香に覆い被さる慶孝の身体を押し戻そうと、彼女の手が拒絶の行動を見せた。
「力抜いて……」
 しかし慶孝は拒絶に怯むことなく、ゆっくりと侵入を続ける。
「俺のことだけ考えて……」
 な、と彼女の手を取り、両脇に押しつけた。
 無防備な姿だが、手にだけ力が入っている。
「きっつっ……」
(なにこれ……)
 きゅうきゅう、と慶孝のものは締め付けられていく。
(挿れただけなのに、持ってかれそう……)
「……佑香、全部入ったよ」
 ようやく奥の壁に先端が当たるのを感じて、そう言った。
「当たったの、わかるか?」
 うん、と力なく彼女は頷いた。
 瞳からは涙が溢れている。
「苦しいよな……」
 指の腹で涙を拭ってやると、佑香は首を横に振った。
「平気です……」
「強がるところもほんとに可愛いよな……」
 小さな唇に触れ、
「じゃあ、動くからな」
 と宣言した。
 平気だと言ったが、挿入しただけで苦しいのに、動けばもっと痛がるかもしれない。ゆっくり、ゆっくりと腰を動かす。もうこのまま、音が響くくらいの激しい動きをしたいところだが、ぐっと堪える。
 佑香の身体に多い被さり、ぎゅうっと抱き締めながら腰を振る。
「……っ……っ……っ……っ……」
 気持ちいい気持ちいい、と何度も心の中で叫んだ。
 久しぶりの快感だ。
 それ以上だ。
 本気で好きで、抱きたくてもずっと我慢してきた分、大好きな佑香と一つになり、これまでに感じたことのないくらいの快感を得ていく。
 勝手に腰が動くのだ。
 手をついて、佑香の身体から少し自分の身体を浮かせる。
 苦しそうな佑香の顔を見つめ、
「佑香……気持ちいい……」
 と囁いた。
「……んっ……」
 彼女は答えられないようで、目をぎゅうっと瞑っている。
 片手で身体を支え、空いた手で胸を鷲づかみにした。
(佑香……気持ちいい……)
 佑香は自分に組み敷かれ、苦しそうに呻いている。
(これで佑香は俺のものだ……)
 まだ快楽を得た様子はないが、それでも慶孝のせいで苦悶の表情を浮かべているのは、悪くない気がした。
 ぱちゅんぱちゅん、と音が響く。速くしたつもりはなかったが勝手に動いてしまう。
 佑香の涙を拭い、キスを落とすと彼女は閉じていた目をうっすら開いた。
「大丈夫か……?」
「はい……嬉しいです……」
 ぎゅんっ、と佑香のナカでそれは一段大きくなるのを感じた。
(可愛い……)
 自分のために耐えている彼女が愛おしい。
 ピストン運動を繰り返し、下半身の奥から込み上がってくるものを感じる。
 動きが速くなる。
(うわ、すぐイキそ……やべえ、イクのもったいねえ……!)
 もっと挿れていたいのに、腰の動きが速くなり、気持ちと行動が裏腹になっていく。
(イキたい……! でももっと佑香のナカにいたい……!)
 佑香の顔に自分の汗が落ちた。
(挿れてそんなたってないのに、イったらダッセー……)
 緩めたいのに、自分の中から込み上がっていくものは、収まるどころかどんどん勢いを増していくようだ。理性など存在せず、そのまま動きを速める。
「佑香、イキたい……イッてもいい!?」
 うんうん、と彼女は何度も頷いた。
 彼女が頷かなくても勝手にそうしただろう。
「あっ……うぅっ………………」
 獣のような声が出てしまう。
「あー……っ……」
 イクッという叫びと共に、彼女のナカで欲が吐き出された。
「はあ……はあ……はあ……」
 ドクドクドク……と注ぎ込まれていくのがわかる。
(外で出すとか無理……ゴムでよかった……)
「……っ……っ……」
 欲を最後まで絞り出したあと、
「はああー……」
 と盛大に息を吐いて佑香の上に雪崩れ込んだ。
「……超、気持ちよかった……」
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