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第三章−輝視点
(13)俺のもの
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その日、輝はバラエティ番組の収録だった。
輝は本来、バラエティ番組はテリトリーではなく、滅多に出ない。
ただ今回は、深が初めてもらった大切なレギュラー番組の代打である。
話が決まった時は、メンバー全員でお祝いをしたぐらい思い入れのある番組。
謹慎中の深の話題は原則タブー視されていたが、リーダーが出演するならば話は別だ。
それに謹慎期間はもうすぐ1ヶ月となり、そろそろという空気も出始めている。
公にはいえないが、事務所ではすでに謹慎に入ると同時に復帰のスケジュールも決めているのだった。
「最近、深くんとは会った?」
司会の芸人が話題に触れると、スタジオの空気が瞬間ピリっとした。
「はい。今、僕の家で一緒に生活してますので」
輝が澄ました顔で、そう答えると空気が変わり、観覧席からは悲鳴のような黄色い声が響いた。
「一緒に住んでるの!?輝くんと?2人で?」
「はい。2人で。真面目に生活してます。本人も反省してます」
「まあ、輝くんと一緒なら安心だよね」
「はい。しっかり監視して、更生に努めます」
「更生って、別に深くんが犯罪おかした側なわけやないんやから」
スタジオにいる芸人からツッコミが入ると、笑いに包まれる。
すかさず司会の芸人も
「まあ、深くん、ゲストの女の子にも目がない感じだったからなあ。ほんと気をつけるように言っといて」
と応酬した。
そう、元々深は女好きのところを隠していなかったので、アイドルにしては今回の件も実はダメージが少ない。
これなら戻っても、すぐにネタにされいじられて消化できるし、深もある程度算段はできているから明るくいられるのではないかと輝は思った。
****************
「おかえりー!」
深夜0時を回っていたが、深は明るく出迎えてくれた。
曜日感覚が失われつつあるが、明日は土曜日で深にとっては休暇だった。
いつもより夜更かしをして待っていてくれたのだろう。
「ただいま」
輝はそう言って、人懐こく寄り添ってくる深の頭をくしゃくしゃと撫でてやった。
「そういえば今日、収録で深の話をしたよ。使われると思う」
「えっ?ありがとう。…どんな感じだった?」
「俺の家で一緒に住んでるって話をした。ざわついてた」
「…言ってくれたんだ、ありがとう」
嬉しそうな顔をする深に、輝は詳細を話した。
深は、復帰しやすい伏線を張ってくれたと、とても喜んでいた。
確かに、復帰後に謹慎中の話をする際、リーダーの家に預かられていたとなると、ネタにしやすいだろう。
しかし、その事をあえて輝が言ったのは、また別の意味があった。
「これで、深を狙ってるやつらに牽制できたから、俺もよかったよ」
輝が言うと、深は目をぱちくりさせる。
「…ほんとに輝、そんな風に思ってるの…?狙ってるやつなんていないって…男ででしょ?」
「いるよ。特に今のお前は弱っているとされる立場だから、弱みにつけこもうとしてくるやつは絶対いる」
そう言って、輝は深を抱き寄せた。
輝は本来、バラエティ番組はテリトリーではなく、滅多に出ない。
ただ今回は、深が初めてもらった大切なレギュラー番組の代打である。
話が決まった時は、メンバー全員でお祝いをしたぐらい思い入れのある番組。
謹慎中の深の話題は原則タブー視されていたが、リーダーが出演するならば話は別だ。
それに謹慎期間はもうすぐ1ヶ月となり、そろそろという空気も出始めている。
公にはいえないが、事務所ではすでに謹慎に入ると同時に復帰のスケジュールも決めているのだった。
「最近、深くんとは会った?」
司会の芸人が話題に触れると、スタジオの空気が瞬間ピリっとした。
「はい。今、僕の家で一緒に生活してますので」
輝が澄ました顔で、そう答えると空気が変わり、観覧席からは悲鳴のような黄色い声が響いた。
「一緒に住んでるの!?輝くんと?2人で?」
「はい。2人で。真面目に生活してます。本人も反省してます」
「まあ、輝くんと一緒なら安心だよね」
「はい。しっかり監視して、更生に努めます」
「更生って、別に深くんが犯罪おかした側なわけやないんやから」
スタジオにいる芸人からツッコミが入ると、笑いに包まれる。
すかさず司会の芸人も
「まあ、深くん、ゲストの女の子にも目がない感じだったからなあ。ほんと気をつけるように言っといて」
と応酬した。
そう、元々深は女好きのところを隠していなかったので、アイドルにしては今回の件も実はダメージが少ない。
これなら戻っても、すぐにネタにされいじられて消化できるし、深もある程度算段はできているから明るくいられるのではないかと輝は思った。
****************
「おかえりー!」
深夜0時を回っていたが、深は明るく出迎えてくれた。
曜日感覚が失われつつあるが、明日は土曜日で深にとっては休暇だった。
いつもより夜更かしをして待っていてくれたのだろう。
「ただいま」
輝はそう言って、人懐こく寄り添ってくる深の頭をくしゃくしゃと撫でてやった。
「そういえば今日、収録で深の話をしたよ。使われると思う」
「えっ?ありがとう。…どんな感じだった?」
「俺の家で一緒に住んでるって話をした。ざわついてた」
「…言ってくれたんだ、ありがとう」
嬉しそうな顔をする深に、輝は詳細を話した。
深は、復帰しやすい伏線を張ってくれたと、とても喜んでいた。
確かに、復帰後に謹慎中の話をする際、リーダーの家に預かられていたとなると、ネタにしやすいだろう。
しかし、その事をあえて輝が言ったのは、また別の意味があった。
「これで、深を狙ってるやつらに牽制できたから、俺もよかったよ」
輝が言うと、深は目をぱちくりさせる。
「…ほんとに輝、そんな風に思ってるの…?狙ってるやつなんていないって…男ででしょ?」
「いるよ。特に今のお前は弱っているとされる立場だから、弱みにつけこもうとしてくるやつは絶対いる」
そう言って、輝は深を抱き寄せた。
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