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76話
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「弟子だと!?ローレン本気か!?」
オウルーゼル思わず大声を上げてしまった。
「どういう意味だ。本気かと問われれば本気としか言えんな。もちろんずっとジグの師匠をするつもりはない。ジグが私に一撃入れることが出来たのなら弟子を解消するという約束だ」
「それではずっと師匠のままではないのか!?それに今まで直弟子をとらなかったお前らしくないな。どういう風の吹き回しだ?」
「なに次はいつになるか知らんが次もまたログ将軍がいないとは限らんからな、見込みのあるやつを育てて亜人族への牽制にでもと思ってな。それにオウルよ、ジグを甘く見ているのではないか?こいつはいずれ私に匹敵するほど強くなることができるやもしれんからな」
「それは失言だった・・・ジグレイド殿すまない。というかそれを本人がいる前で言ってしまうのか?」
「大丈夫だ、ジグもそれを了承しているからな」
「ジグレイド殿今ならまだ間に合う!こいつの訓練は訓練とは言えないものだ。亜人族と戦う前に潰れてしまうぞ!」
純粋に心配しているのだろうがもうすでにジクレイドの心は決まっていた。
「公爵閣下心配してくれるのは嬉しいのですが、もう決めたことです。それにそのくらい訓練しないと亜人族には勝てないので」
「そうか・・・そこまでの決意があるのならもう儂はなにもいうまい。無事にカザフ要塞都市で会えるのを待っているとしよう」
それから夜も遅いということで解散となった。
その翌日からジクレイドはローレンの弟子として戦場の後片付けや行方不明の組合員の捜索などを手伝わされた。結局組合員での生き残りはモルド率いる戦場の狼の部隊とローレンが率いていた部隊しか生き残っていなかった。
そしてとある現場を見たときジクレイドはあることに気づいた。この凄惨な殺しをやった犯人の正体に。まさにあの時の光景と同じだったのである。
「ここに来ていたのか・・・」
そう呟き、戦死者を埋葬していった。
遂に王都へと帰還となった。ジグレイドからしたら帰還ではないが。
「ではこれより王都へ帰還する!くれぐれも隊列を乱すなよ!」
ローレンが声を張り上げて指示を出している。
その横をジグレイドは愛馬のシャルドゥーンに乗っていた。
「ジグ中々の名馬に乗っているじゃないか。まだ若く力強い、素晴らしい馬だな」
「ありがとよ、でもシャルは牝馬だからな。ローレンさんの乗ってる馬みたいに戦場を乗り回すほど力強くはないさ」
シャルの首を撫でながらそう答える。
「ちゃんとした武装を着けてやればいけそうな気もするがな。いつか馬上戦も訓練してやろう」
一行が王都に到着したのは数ヶ月近く後のことだった。
特に何か問題が起きたわけではなく、ただ単に人数が多く徒歩の兵士もいたため自然と歩みは遅くなったのである。
カザフ要塞都市から王都ムルスまでは馬に乗れば1ヶ月くらいで到着することができる。
戦争の度に兵士たちはこの距離を歩いているのかと思うと、兵士たちの極度なバルクド嫌いの理由がなんとなく分かる気がした。
王都は丘の上にあり、常に上方を確保できるようになっていた。そして周囲を分厚い城壁で何重にも囲いその手前には数メルも掘られた堀があった。そして王都に入るには桟橋を下ろさないと入れないようだった。
桟橋を渡り終えた一行は盛大な歓声に出迎えられた。
「おかえりなさーい!」
「さすがフェイシル王国軍だ!」
「ローレン様ー!」
「将軍ー!」
「魔法師団もお疲れさまー!」
様々な歓声が上がっている。
「ははは、さすがのジグもこれは驚いたようだな。お前もこの歓声を浴びるにふさわしい功績を挙げているのだ。胸を張れ!ま、私は何もしてないがな」
背中をバシッと叩かれてローレンは笑いながら先に進んでいった。
ジクレイドはこんなにも多くの人に注目されたことはなかった。だが幸いにもシャルに乗っているおかげで緊張のあまり転けることはなく王城へと無事に入ることができた。
オウルーゼル思わず大声を上げてしまった。
「どういう意味だ。本気かと問われれば本気としか言えんな。もちろんずっとジグの師匠をするつもりはない。ジグが私に一撃入れることが出来たのなら弟子を解消するという約束だ」
「それではずっと師匠のままではないのか!?それに今まで直弟子をとらなかったお前らしくないな。どういう風の吹き回しだ?」
「なに次はいつになるか知らんが次もまたログ将軍がいないとは限らんからな、見込みのあるやつを育てて亜人族への牽制にでもと思ってな。それにオウルよ、ジグを甘く見ているのではないか?こいつはいずれ私に匹敵するほど強くなることができるやもしれんからな」
「それは失言だった・・・ジグレイド殿すまない。というかそれを本人がいる前で言ってしまうのか?」
「大丈夫だ、ジグもそれを了承しているからな」
「ジグレイド殿今ならまだ間に合う!こいつの訓練は訓練とは言えないものだ。亜人族と戦う前に潰れてしまうぞ!」
純粋に心配しているのだろうがもうすでにジクレイドの心は決まっていた。
「公爵閣下心配してくれるのは嬉しいのですが、もう決めたことです。それにそのくらい訓練しないと亜人族には勝てないので」
「そうか・・・そこまでの決意があるのならもう儂はなにもいうまい。無事にカザフ要塞都市で会えるのを待っているとしよう」
それから夜も遅いということで解散となった。
その翌日からジクレイドはローレンの弟子として戦場の後片付けや行方不明の組合員の捜索などを手伝わされた。結局組合員での生き残りはモルド率いる戦場の狼の部隊とローレンが率いていた部隊しか生き残っていなかった。
そしてとある現場を見たときジクレイドはあることに気づいた。この凄惨な殺しをやった犯人の正体に。まさにあの時の光景と同じだったのである。
「ここに来ていたのか・・・」
そう呟き、戦死者を埋葬していった。
遂に王都へと帰還となった。ジグレイドからしたら帰還ではないが。
「ではこれより王都へ帰還する!くれぐれも隊列を乱すなよ!」
ローレンが声を張り上げて指示を出している。
その横をジグレイドは愛馬のシャルドゥーンに乗っていた。
「ジグ中々の名馬に乗っているじゃないか。まだ若く力強い、素晴らしい馬だな」
「ありがとよ、でもシャルは牝馬だからな。ローレンさんの乗ってる馬みたいに戦場を乗り回すほど力強くはないさ」
シャルの首を撫でながらそう答える。
「ちゃんとした武装を着けてやればいけそうな気もするがな。いつか馬上戦も訓練してやろう」
一行が王都に到着したのは数ヶ月近く後のことだった。
特に何か問題が起きたわけではなく、ただ単に人数が多く徒歩の兵士もいたため自然と歩みは遅くなったのである。
カザフ要塞都市から王都ムルスまでは馬に乗れば1ヶ月くらいで到着することができる。
戦争の度に兵士たちはこの距離を歩いているのかと思うと、兵士たちの極度なバルクド嫌いの理由がなんとなく分かる気がした。
王都は丘の上にあり、常に上方を確保できるようになっていた。そして周囲を分厚い城壁で何重にも囲いその手前には数メルも掘られた堀があった。そして王都に入るには桟橋を下ろさないと入れないようだった。
桟橋を渡り終えた一行は盛大な歓声に出迎えられた。
「おかえりなさーい!」
「さすがフェイシル王国軍だ!」
「ローレン様ー!」
「将軍ー!」
「魔法師団もお疲れさまー!」
様々な歓声が上がっている。
「ははは、さすがのジグもこれは驚いたようだな。お前もこの歓声を浴びるにふさわしい功績を挙げているのだ。胸を張れ!ま、私は何もしてないがな」
背中をバシッと叩かれてローレンは笑いながら先に進んでいった。
ジクレイドはこんなにも多くの人に注目されたことはなかった。だが幸いにもシャルに乗っているおかげで緊張のあまり転けることはなく王城へと無事に入ることができた。
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