一日一回シないと死んじゃう妖精の私が、人質になってしまいました。~救命はエッチ? いじわるな准将様に見張られて~

夢沢とな

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ペーター編

47話 ペーターvsゼイツ ①ピクシーの力

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おそい? お届けは日時指定で明日の朝9時になってますけど?」
「何の話だ」
「昨日注文なさったれポーション120個の話です」
「んなもん買うかバァカ」

「むーむむんひょう むぐ」
だ、だめ。口ふさがれてて声が届きそうにない。
ゼイツ准将じゅんしょう、さっき「ジョニー」って呼ばなかった? 来るのが遅いんだよって……。
そうだ……准将はジョニーを私の恋人と勘違いしてるんだった……だからピクシーであるペーターを見て、ジョニーが迎えに来たと思ったんだ!


「恥ずかしいからって嘘つかなくても。一体誰に使うつもりだったの?」

一方のペーターは配達のクレームをつけられたと思っている。
ポケットに手をつっこみ、目つきを暗くして、苛立ち始めているのがわかる。

私はてっきり、彼はアバウト先生に頼まれて、配達員のコスプレをして来たのかと思っていた。
けどどうやらそうじゃないみたい。昔から悪戯アイテムを発明するのが好きだったから、大人になった今、販売会社でも作って遊んでいるのかもしれない。

「俺じゃねーよ。さっきから何の話してんだ、ピクシー得意のおふざけごっこか」
「あーハイハイ。ボク、そういう浅ましさ見ると撲滅したくなるのよね」
「へーふぁー ふぁへへ」(ペーターやめて)
「俺もお前とは一度やり合いたいと思ってた」

ゼイツ准将がペーターを見据えたまま、言った。

「フェルリナ、悪いな。これからすること勘弁しろよ」


……? ゼイツ准将……?


ペーターが背を丸めて翅を上げた。

「【瞬間移動デンドライト】」

【デンドライト】おじい様や父も使う、姿を消して移動する魔法だ。
呪文に呼応して、わっと大地にグリーンのこまかな枝模様が輝く。
「……!」
それらは雪の結晶に似ているのだけれど、ここまで広範囲で鮮やかなものを私は初めて見た。
光の樹枝が一斉に成長するように這っていき、ゼイツ准将の足元へ集結した。

ガッ キイィンッ!! 

あわててゼイツ准将が大剣クライヘンダーを抜いた。
ペーターがすでにそこにいたからだ。

「ッッ!!」

ペーターは宙に浮いて見おろし、
ゼイツ准将は大地に踏ん張って見あげ、
二人は剣を交差させ睨み合っていた。

「今度気安くフェルリナの名を呼んだら、一族郎党殺すよ」

ギリッ

「だったら……自己紹介くらいさせろ……!」

ギギッ

「〝ゼイツ・ウウ・ドライヴランド〟。位は准将だけどもう出世はない。なぜならここで死ぬから」

カタカタ……

「ヘヘッ、調査済ってわけか。俺もお前が誰だか知ってるぜ、ジョニー・ピクシーアイランド」

「んんんんっ!」
私馬鹿だ。
キツネのジョニーを私の恋人だと勘違いされても、大した問題じゃないって思ってた。
でも准将は最初から言ってた、「ひと悶着あるだろ」って。
私に救命したことを、
あの人はずっと引け目に感じていたんだ……

瞬間移動デンドライトの光の枝がみるみる広がり、彼はゼイツ准将の背後にしゃがんでいた。

ザシュッ!
「!!」

ゼイツ准将がビクッと体を折った。ふくらはぎを切られたのだ。私は叫びだしそうになった。
なんなのペーターの武器。斬りつけているのは明白なのに、その手に握られているものが見えない。
火をくような連撃にゼイツ准将がのけるようにして後退していく。

カッ カッ バキィンッ ガキィンッ キイインッ

とても近づける状況じゃない。まちがってこっちの首が刎ねられそう。だけど! 私は飛びだした。

ゼイツ准将が傷つけられるのなんていや!

けだすと私に背を向けていたペーターがふいに、
剣をクルクルと回して仕舞しまうようなそぶりを見せ、空中へ離脱した。
ふわりと宙がえりをして遊びだす。
彼を見あげた私は、夜空に目をみはった。
巨大な積乱雲が怪しく電影を帯びていた。
まさか……


「【ストローク】」


ペーターの呪文に呼応して、天雷が走ってくる。

危ない!!

天雷はジグザグに降り下りて、一瞬にしてゼイツ准将を選んだ。

彼の体が光り輝いた。

「ッッ!!」

ゼイツ准将!!


「【リターン】」

!!! ド   ンッッッ !!! 

 
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