フェアリー8姉妹~森はともだち~

夢沢とな

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4 森を燃やす魔女

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ええっ? ディアお姉さまが補導ほどうされちゃった!?

じつはディアお姉さまだけ、この場にいない。数か月前、フェアリーアイランドにやってきたホーク動物博士どうぶつはかせという人の飛空艇ひくうていに乗って、ヨット大陸へついて行ってしまったの。

「電話の内容はなんだったの? お母さま、ちゃんと説明して」
「わかったわ。みんなソファに座ってちょうだい」

お姉さまたちがいそいで集まる。私もジョニーを抱っこして座った。

「ディアはウィッチランドの黒魔女のやかたに、オノを持ってなぐりこんだらしいの」

黒魔女くろまじょ……!?」

私たちは息を飲んだ。
ウィッチランドといえば、魔女の国。中でも黒い魔女は、私たち妖精を白化びゃっかさせて、おこなにしてメイクに使うんだって。こわい。

「黒魔女に自分から近づくなんて危険すぎるわ……」

アネモネお姉さまがつぶやいた。

「その黒魔女、なんていう名前?」

「グロリア」

「オノを持って殴りこむなんて、よほどの理由があったんだわ。ディアは何かに怒っていたんじゃないの?」

プリシラお姉さまがきき、お母さまは答えた。

「ええ、『グロリアが森を燃やすのを止めたくてやった』と、ディアは話しているんですって」

それを聞いて、私はショックを受けた。

「何のために?」

「森をなくしてその場所に〝イケメンの国~イケメンランド~〟を作るためだそうよ」

「イケメンの国???」

そんなことのために? 私たちは耳をうたがった。

「そんなの作るくらいなら、フーセンガムの国作ってよ」
「そこ重要じゃないから、プー」

「森にいた動物たちはどうしているのかしら……」

プリシラお姉さまが心配そうにする。

「行く場所もなく食べ物もなくなれば村をおそうのは当たり前よ。それなのに狩人ハンターたちに殺されるなんて、理不尽りふじんすぎるわ……」

泣き虫な私は、目に涙がたまっていった。ぽたりと落ちて、ひざの上のジョニーが私をみあげる。

ジョニーのおかあさんは、ハンターのわなにかかってしまった。
足にくいこんだ縄は、どんなにってもとれなくて、
おかあさんは一晩中もがきつづけた。
ジョニーはそんなおかあさんのそばからはなれなかった。

ハンターはジョニーの目の前で、あっさりおかあさんを殺した。


「だからディアはグロリアの館に乗りこんだのね。動物たちの森を守ろうとして」

「おれたちは今からディアをむかえにヨット大陸へ行く」

お父さまが言う。

「明日戻ってきたら、家族全員でインライの誕生日祝いをしよう! 花火を打ち上げてな! それでいいかい? インライ」

「お祝いなんていらない。ディアが無事だってことが最高のプレゼント」

インライお姉さまは明るく答えた。

「うむ。もうすぐアーノルドがバースデーケーキを持ってくるはずだ。それまで大人しくしてるんだぞ」

アーノルドさんはフェアリーアイランド城ではたら庭師にわしのおじいさんである。

「みんな、ねんのため一人で行動はしないでちょうだい。特にフェルリナ、ジョニーとわきげの森へ冒険に行ってはだめよ?」

お母さまに言われて、私はジョニーを抱きしめ、うなずいた。


――しかしこの時すでに、わきげの森には黒魔女グロリアの手下が忍びこんでいたのである――。つづく
 
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