May

国光

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第01話「教師生活」

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 教壇に立つと、いつものように生徒たちの視線が集まる。俺こと26歳の若き教師(校内の教員最年少)の佐藤健一は、生徒を指導する事に情熱を注いでいた。大学を卒業して今の学校に勤めて早4年だが、これが天職だと思って いた。
 だけど最近。俺の心を乱す存在がいる。
「佐藤先生、今日の授業は何ですか?」
 元気な声が教室に響く。声の主は俺の心を乱す存在ではない。
 生徒たちの反応に応えながら、俺はふと一人の生徒の姿を見た。彼女はいつも真剣な眼差しで授業を受けている。彼女のその姿に、俺は心が温かくなるのを感じた。
 中島メイ。俺の同居人で姪にあたる。
 俺の兄貴と結婚した義姉の連れ子。血の繋がりはないが一緒に暮らして十年以上。本当の姪のように可愛がっているしメイも俺の事を叔父として慕ってくれていた。
 高校二年生になったメイ。彼女の周りには、男子生徒たちが集まり、彼女に話しかける姿が目立つ。
 この学校では「奇跡の世代」と呼ばれる十人の美少女がいる。
 この少子化のご時世で一学年に10クラスもあるマンモス校であるが、各クラスに一人絶世の美少女と呼ばれるような生徒が存在する。
 メイはその奇跡の世代の一人。内気で控えめな性格であるが、それも「守ってあげたい」と男子の受けもいいしメイは聞き上手で男子から人気があるだけでなく女子の友達も多かった。

          *

別クラスでの授業が終わり、健一は教室を出ると、メイが待っていた。
「お疲れ様、叔父さん!」
彼女は明るい笑顔を見せる。その笑顔に、俺は心が躍るのを感じた。彼女との時間が、何よりも大切だと思うようになっていた。
「学校では先生と呼びなさい」
 そう言って俺はメイの頭を軽く小突いた。もちろん周りに他の生徒がいないのは確認済みだ。軽く大問題になるだろうから。
「二人きりの時だけだよ。普段は先生って呼んでるでしょう」
 そう言って腕をからませて来る。
「おい。あまりじゃれつくな」
 成長中の胸のふくらみを感じてドキドキしているのを悟られないようにメイにそう促した。
「はーい」
 名残惜しそうにメイは俺から離れた。
「じゃあね。先生。また後で」
 また後で家で会おうねと言う意味の言葉を発しながらメイは友人達の元に向かう。
 実家同居中の俺は兄夫婦と一緒に暮らしている。
 メイが俺の姪であることは知る人は教員でも少ない。
 お世話になっている教頭先生のアドバイスで知る人は少ない方がいいということでそうしている。
 最初はそんなこと別にどうでもいいと思っていたのだが、それで良かったと今では思う。
 俺はメイに特別な感情を抱いてしまっている。そんな中で血の繋がらない同居人のことでからかわれたら俺はどんな反応をすればいいかわからないからだ。
 いずれにしても、この気持ちは決してばれてはいけない。
 そう密かに誓うのだった。
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