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ぼんの宇宙日記(53日目)
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53日目。今日は、マヤの音が揺れた日。
朝、ぼくは居住区のクッションの上で目を覚ました。窓の外には星がちらちらと輝き、船内には静かな空気が流れていた。いつもと同じように始まった朝。でも、どこかで何かが“違う”と、ぼくの耳が教えてくれた。
昼、マヤが居住区のスピーカーで音楽を流し始めた。ぼくはその音に耳を傾けた。今日はいつもより少しだけ速いテンポ。リズムが跳ねていて、音の粒が空気の中で揺れている。ぼくはスピーカーのそばに近づいて、耳をぴくぴくと動かした。
マヤは作業台の前で部品を並べながら、音楽に合わせてリズムよく手を動かしている。「ぼん、今日の曲ちょっとだけ新しいんだ」と振り返って笑った。ぼくはしっぽをふりふりして、「知っているよ」と心の中で返事をした。
スピーカーから流れる音は、いつもの静かなメロディーよりもずっと“跳ねて”いた。その跳ねる音に、ぼくの心も少しだけ高鳴った。足元でリズムに合わせて肉球を動かし、耳の中に音の波を溜め込む。
しばらくして、マヤが少しだけ音量を上げた。音の振動が床を伝い、ぼくの体にも響いてくる。空気の粒がぼくの毛の隙間をすり抜けていくような感覚。いつもと同じ場所、同じ時間。でも、音だけが揺れている。ぼくはじっと耳を澄ませて、その変化を受け止めていた。
午後、ミナが通りかかった。「マヤ、今日はなんだか元気な曲だね」と声をかけた。マヤは「たまにはこういうのもいいでしょ」と笑った。ぼくはそのやりとりを聞きながら、音のリズムに合わせてしっぽをふりふり。ぼくの耳には、マヤの気持ちが少しだけ弾んでいるのが伝わった。
夕方、音楽が止まったあとも、ぼくの耳の奥ではリズムが鳴り続けていた。スピーカーの前でじっと目を閉じると、今日の音がまだそこに残っている気がした。その余韻の中で、ぼくは静かに丸くなった。
夜、居住区の窓辺に戻り、ぼくはそっと目を閉じた。今日の音の揺れは、ぼくの耳の奥でずっと響いている。マヤの音楽が、船内の空気を少しだけ変えてくれた気がした。
おやすみ、跳ねる音。おやすみ、マヤのリズム。また、音で世界が揺れる日を。
朝、ぼくは居住区のクッションの上で目を覚ました。窓の外には星がちらちらと輝き、船内には静かな空気が流れていた。いつもと同じように始まった朝。でも、どこかで何かが“違う”と、ぼくの耳が教えてくれた。
昼、マヤが居住区のスピーカーで音楽を流し始めた。ぼくはその音に耳を傾けた。今日はいつもより少しだけ速いテンポ。リズムが跳ねていて、音の粒が空気の中で揺れている。ぼくはスピーカーのそばに近づいて、耳をぴくぴくと動かした。
マヤは作業台の前で部品を並べながら、音楽に合わせてリズムよく手を動かしている。「ぼん、今日の曲ちょっとだけ新しいんだ」と振り返って笑った。ぼくはしっぽをふりふりして、「知っているよ」と心の中で返事をした。
スピーカーから流れる音は、いつもの静かなメロディーよりもずっと“跳ねて”いた。その跳ねる音に、ぼくの心も少しだけ高鳴った。足元でリズムに合わせて肉球を動かし、耳の中に音の波を溜め込む。
しばらくして、マヤが少しだけ音量を上げた。音の振動が床を伝い、ぼくの体にも響いてくる。空気の粒がぼくの毛の隙間をすり抜けていくような感覚。いつもと同じ場所、同じ時間。でも、音だけが揺れている。ぼくはじっと耳を澄ませて、その変化を受け止めていた。
午後、ミナが通りかかった。「マヤ、今日はなんだか元気な曲だね」と声をかけた。マヤは「たまにはこういうのもいいでしょ」と笑った。ぼくはそのやりとりを聞きながら、音のリズムに合わせてしっぽをふりふり。ぼくの耳には、マヤの気持ちが少しだけ弾んでいるのが伝わった。
夕方、音楽が止まったあとも、ぼくの耳の奥ではリズムが鳴り続けていた。スピーカーの前でじっと目を閉じると、今日の音がまだそこに残っている気がした。その余韻の中で、ぼくは静かに丸くなった。
夜、居住区の窓辺に戻り、ぼくはそっと目を閉じた。今日の音の揺れは、ぼくの耳の奥でずっと響いている。マヤの音楽が、船内の空気を少しだけ変えてくれた気がした。
おやすみ、跳ねる音。おやすみ、マヤのリズム。また、音で世界が揺れる日を。
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