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ぼんの宇宙日記(54日目)
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54日目。今日は、ルカの植物が咲いた日。
朝、ぼくは植物室の入り口で目を覚ました。ガラス越しに見える光が、いつもよりやわらかくて、なぜか今日は中に入りたくなった。そっと足を伸ばして中へ入ると、ルカが静かに水をやっていた。彼女の動きはとても丁寧で、葉っぱ一枚一枚に声をかけるように手を添えている。
ぼくはルカのそばに座って、静かにその様子を見つめていた。ルカはふと気づいて、「おはよう、ぼん」と優しく声をかけてくれる。その声も、植物室の空気に溶けていくみたいだった。ふと、ぼくの鼻先にほんのり甘い香りが漂った。今までなかった匂い。ぼくはくんくんと空気を嗅いで、ルカの手元を見上げた。
その瞬間、ひとつの鉢植えの中で、小さな花がそっと開いていた。白と薄い紫が混じった、ふしぎな色。葉っぱの間から顔を出すように咲いていて、光が当たると透明な膜がきらりと光る。ルカは驚いた顔で花を見つめ、そして小さく息を飲んだ。
「咲いた……ぼん、見て。初めてだよ、この宇宙で」ぼくはしっぽをふりふりしながら、花のそばに近づいた。土の上に鼻を寄せてみると、そこからも新しい香りが立ちのぼってくる。ルカが微笑んで「ぼんのおかげかもね」とつぶやいた。ぼくはしっぽをもう一度揺らして、花の成長を祝った。
昼、みんなも植物室に集まってきた。マヤは「きれい!」と声を上げ、ミナもじっと花を見つめている。ジンは少し離れた場所で、そっと写真を撮っていた。船長も珍しく足を止めて、「咲く瞬間に立ち会えるなんて、貴重だな」と言った。
ぼくはみんなの輪の中に座って、そっと花を見守った。花の香りが、船内の空気にじんわりと広がっていく。その香りの中に、地球の草原や森のイメージがふっとよぎった。
夜になって、ぼくはもう一度植物室を訪れた。花は静かに揺れて、ぼくにだけ小さく「ありがとう」とささやいている気がした。
おやすみ、咲いた花。おやすみ、ルカの手。また新しい命に会える日を。
朝、ぼくは植物室の入り口で目を覚ました。ガラス越しに見える光が、いつもよりやわらかくて、なぜか今日は中に入りたくなった。そっと足を伸ばして中へ入ると、ルカが静かに水をやっていた。彼女の動きはとても丁寧で、葉っぱ一枚一枚に声をかけるように手を添えている。
ぼくはルカのそばに座って、静かにその様子を見つめていた。ルカはふと気づいて、「おはよう、ぼん」と優しく声をかけてくれる。その声も、植物室の空気に溶けていくみたいだった。ふと、ぼくの鼻先にほんのり甘い香りが漂った。今までなかった匂い。ぼくはくんくんと空気を嗅いで、ルカの手元を見上げた。
その瞬間、ひとつの鉢植えの中で、小さな花がそっと開いていた。白と薄い紫が混じった、ふしぎな色。葉っぱの間から顔を出すように咲いていて、光が当たると透明な膜がきらりと光る。ルカは驚いた顔で花を見つめ、そして小さく息を飲んだ。
「咲いた……ぼん、見て。初めてだよ、この宇宙で」ぼくはしっぽをふりふりしながら、花のそばに近づいた。土の上に鼻を寄せてみると、そこからも新しい香りが立ちのぼってくる。ルカが微笑んで「ぼんのおかげかもね」とつぶやいた。ぼくはしっぽをもう一度揺らして、花の成長を祝った。
昼、みんなも植物室に集まってきた。マヤは「きれい!」と声を上げ、ミナもじっと花を見つめている。ジンは少し離れた場所で、そっと写真を撮っていた。船長も珍しく足を止めて、「咲く瞬間に立ち会えるなんて、貴重だな」と言った。
ぼくはみんなの輪の中に座って、そっと花を見守った。花の香りが、船内の空気にじんわりと広がっていく。その香りの中に、地球の草原や森のイメージがふっとよぎった。
夜になって、ぼくはもう一度植物室を訪れた。花は静かに揺れて、ぼくにだけ小さく「ありがとう」とささやいている気がした。
おやすみ、咲いた花。おやすみ、ルカの手。また新しい命に会える日を。
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