72 / 100
ぼんの宇宙日記(72日目)
しおりを挟む
72日目。今日は、靴下が天井に行った日。
朝、居住区のソファの下で目を覚ました。今日は、なんとなく空気がふわふわしている。ミナが「あれ?重力計、ちょっと変かも」と言いながら部屋を歩いていた。
昼、ミナがぼくの靴下を作ってくれた。ミナが「ぼん、靴下どう?」と聞いてきた。ぼくは前足を伸ばして見せる。マヤは笑いながら「似合ってる!」と言った。そのとき、ふわっと体が浮いた。靴下が急に足から抜けて、ふわふわと空中に浮かんだ。
「わっ!」とマヤが声を上げる。靴下は天井に向かってまっすぐ飛んでいった。天井について、そこでぴたりと止まった。みんながぽかんと口を開けた。
「どうしてぼんの靴下だけ…?」ミナが首をかしげる。ジンは重力計を見ながら「一時的な偏りだな」と言った。船長は「面白い現象だ」と笑った。
午後、天井に貼りついた靴下をみんなで眺めた。マヤが椅子に乗って取ろうとしたけど、手が届かない。ジンが「そのまま観察した方がいい」と言うので、しばらくそのままにした。
ぼくはソファの上に座って、天井を見上げた。靴下はまるで「ここが居場所」とでも言うように、微動だにしない。ぼくはその様子を見て、「靴下の意思なのかもしれない」と思った。
きっと、靴下にも冒険がしたい日がある。そんな気がした。
夜、重力はもとに戻っていた。ミナが「そろそろ降りてきて」と言うと、靴下はふわりと落ちてきた。ぼくはそれを前足でキャッチした。今日は靴下の冒険の日。ぼくも少しだけ、自由な気持ちになった。
宇宙では、靴下も夢を見るのかもしれない。そんな日だった。
おやすみ、天井の靴下。おやすみ、冒険したい気持ち。また、空を歩く日が来るといいな。
朝、居住区のソファの下で目を覚ました。今日は、なんとなく空気がふわふわしている。ミナが「あれ?重力計、ちょっと変かも」と言いながら部屋を歩いていた。
昼、ミナがぼくの靴下を作ってくれた。ミナが「ぼん、靴下どう?」と聞いてきた。ぼくは前足を伸ばして見せる。マヤは笑いながら「似合ってる!」と言った。そのとき、ふわっと体が浮いた。靴下が急に足から抜けて、ふわふわと空中に浮かんだ。
「わっ!」とマヤが声を上げる。靴下は天井に向かってまっすぐ飛んでいった。天井について、そこでぴたりと止まった。みんながぽかんと口を開けた。
「どうしてぼんの靴下だけ…?」ミナが首をかしげる。ジンは重力計を見ながら「一時的な偏りだな」と言った。船長は「面白い現象だ」と笑った。
午後、天井に貼りついた靴下をみんなで眺めた。マヤが椅子に乗って取ろうとしたけど、手が届かない。ジンが「そのまま観察した方がいい」と言うので、しばらくそのままにした。
ぼくはソファの上に座って、天井を見上げた。靴下はまるで「ここが居場所」とでも言うように、微動だにしない。ぼくはその様子を見て、「靴下の意思なのかもしれない」と思った。
きっと、靴下にも冒険がしたい日がある。そんな気がした。
夜、重力はもとに戻っていた。ミナが「そろそろ降りてきて」と言うと、靴下はふわりと落ちてきた。ぼくはそれを前足でキャッチした。今日は靴下の冒険の日。ぼくも少しだけ、自由な気持ちになった。
宇宙では、靴下も夢を見るのかもしれない。そんな日だった。
おやすみ、天井の靴下。おやすみ、冒険したい気持ち。また、空を歩く日が来るといいな。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる