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ぼんの宇宙日記(98日目)
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98日目。今日は、星の気配を感じた日。
朝、星図室の机の上に広げられた星図をじっと見ていた。たくさんの星の名前が、小さな点になって並んでいる。その端っこ、まだ誰にも名前をつけられていない星がひとつだけ、ぽつんと光っていた。数字と記号だけで呼ばれている星。その場所から、何か新しい風が吹いてくる気がした。
ぼくは机の上に乗って、星図のその部分に鼻を近づけた。紙の匂い、インクの匂い、それとは違う、もっと遠くて冷たい何かが感じられた。くんくん、と鼻を動かすたびに、星図の上を風が通り抜けていくような感覚。誰もいない部屋の静けさの中で、その星だけが、ぼくに話しかけてくるみたいだった。
昼、マヤが星図室にやってきて、「何見てるの?」と笑った。ぼくはしっぽをふりふりして返事をしたけど、目はまだ星図の端を見つめていた。マヤは「新しい航路、決まるかもね」と言って、窓の外を指差した。外は明るくて、遠くに星がひとつ瞬いていた。その星が、星図の“名前のない星”だと、ぼくの鼻が教えてくれた気がした。
午後、誰もいなくなった星図室で、ぼくはもう一度くんくんと鼻を動かした。インクの匂いの奥に、淡い金属と冷たい風の匂い。何かが始まる前の、静かな気配。ぼくは耳をぴくぴくさせて、音も風も逃さないようにした。
星の気配って、たぶん人間にはわからない。でも猫の鼻にはちゃんと届く。遠くて近い。名前がないからこそ、たくさんの予感が詰まっている。今日、ぼくが感じたのは、そういう“まだ見ぬ何か”だった。
夜、クッションの上で丸くなりながら思った。星図の端に新しい星。いつかそこに名前がつく日が来るかもしれない。それまで、ぼくの鼻と耳で、その気配を覚えておこう。
おやすみ、名前のない星。おやすみ、遠い風。また、新しい気配を感じる日を。
朝、星図室の机の上に広げられた星図をじっと見ていた。たくさんの星の名前が、小さな点になって並んでいる。その端っこ、まだ誰にも名前をつけられていない星がひとつだけ、ぽつんと光っていた。数字と記号だけで呼ばれている星。その場所から、何か新しい風が吹いてくる気がした。
ぼくは机の上に乗って、星図のその部分に鼻を近づけた。紙の匂い、インクの匂い、それとは違う、もっと遠くて冷たい何かが感じられた。くんくん、と鼻を動かすたびに、星図の上を風が通り抜けていくような感覚。誰もいない部屋の静けさの中で、その星だけが、ぼくに話しかけてくるみたいだった。
昼、マヤが星図室にやってきて、「何見てるの?」と笑った。ぼくはしっぽをふりふりして返事をしたけど、目はまだ星図の端を見つめていた。マヤは「新しい航路、決まるかもね」と言って、窓の外を指差した。外は明るくて、遠くに星がひとつ瞬いていた。その星が、星図の“名前のない星”だと、ぼくの鼻が教えてくれた気がした。
午後、誰もいなくなった星図室で、ぼくはもう一度くんくんと鼻を動かした。インクの匂いの奥に、淡い金属と冷たい風の匂い。何かが始まる前の、静かな気配。ぼくは耳をぴくぴくさせて、音も風も逃さないようにした。
星の気配って、たぶん人間にはわからない。でも猫の鼻にはちゃんと届く。遠くて近い。名前がないからこそ、たくさんの予感が詰まっている。今日、ぼくが感じたのは、そういう“まだ見ぬ何か”だった。
夜、クッションの上で丸くなりながら思った。星図の端に新しい星。いつかそこに名前がつく日が来るかもしれない。それまで、ぼくの鼻と耳で、その気配を覚えておこう。
おやすみ、名前のない星。おやすみ、遠い風。また、新しい気配を感じる日を。
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