ぼんの宇宙日記

ぼん

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ぼんの宇宙日記(5日目)

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5日目。 今日は、静かだった。 誰も怒ってなくて、誰も泣いてなくて、誰も笑ってなかった。 宇宙って、こういう日もあるんだね。

朝、船長はコーヒーを飲みながら星図を見ていた。 ぼくはその横で、クッションに埋もれていた。 彼は「ぼん、今日は何も起きないといいな」って言った。 ぼくは、しっぽをふりふりして答えた。 何も起きない日も、悪くない。

昼すぎ、ぼくは居住区の窓辺にいた。 遠くに、青白い星が見えた。 昨日の赤い星とは違って、冷たそうだった。 でも、なんだか落ち着く光だった。 ぼくはその星に、チュールの湖があると勝手に決めた。 風が吹くと、湖の表面にチュールが波打つんだ。 夢の中で泳いでみたい。

午後、ミナがぼくに話しかけてきた。 「ねえ、ぼん。宇宙って、広すぎるよね」 ぼくは彼女の膝に乗って、ゴロゴロ鳴らした。 広すぎるけど、ぼくはここにいる。 それだけで、少しだけ安心できる。

夜、船長がぼくに言った。 「お前は、宇宙の中で一番地球っぽい存在だな」 ぼくは、彼の手に頭をすりすりした。 地球の匂いはもう届かないけど、 ぼくの毛の中には、まだ少しだけ残っている気がする。 草の匂い、雨の音、風のぬくもり。 それを忘れないように、ぼくは毎日星を見ている。

おやすみ、青白い星。おやすみ、静かな宇宙。また明日。
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