ぼんの宇宙日記

ぼん

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ぼんの宇宙日記(17日目)

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17日目。 今日は、ちょっとにぎやかだった。 でも、それがうれしかった。

朝、船長が「ぼん、今日は空調点検だぞ。熱風が出たら逃げろよ」と言っていた。 ぼくはクッションに埋もれて、耳だけぴょこっと出して答えた。 ジンは静かに機器を操作していて、たまにぼくをチラッと見ていた。 でも、話しかけてこない。 ぼくはそれがちょっとだけ安心できる。 “静かに見ている人”って、案外信頼できる。

昼、マヤが居住区の床でストレッチを始めた。 「ぼんもやる?」って言われたので、ぼくは彼女のマットの上に座ってみた。 マヤは笑って「それ、のびじゃなくて居座りじゃん」と言った。 ぼくは、彼女の手の動きを真似して前足をちょっとだけ伸ばした。 それが、ぼくの「今日のぼくは協力的」っていう返事。

午後、ミナが「チュールの在庫、減っている…」と言って船長を睨んだ。 船長は「ぼんが食べたんじゃないか?」ってぼくを見た。 ぼくは、すかさずソファの下に隠れた。 でも本当は、マヤがくれた分も含めて、今日は3本食べていた。 証拠はないけど、ぼくの満足度は高い。

夕方、ジンがぼくにそっと毛布を広げてくれた。 床でぼくがうとうとしていたのを見て、「冷えると風邪引くぞ」って。 ぼくはその上で丸くなって、目を閉じた。 静かな優しさって、音よりも深く染み込む。

夜、星図室でマヤが小さな音で音楽をかけていた。 ぼくは、窓辺でそれを聞きながら、星を眺めていた。 何にも起きない1日より、誰かの声が混ざる1日のほうが、ぼくは少し好き。 でも、静かな時間も大切。 そのバランスが、今日だった。

おやすみ、ストレッチマット。おやすみ、静かなジン。また、誰かと少しだけ近づく日を。
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