9 / 70
神話時代:竜の都アルセリア・王と涙
【竜の都アルセリア・王と涙】 第六話:「竜と竜」
しおりを挟む
竜の都アルセリアは、朝の光を拒むように沈み込んでいた。
祝祭の面影はすでに薄れ、石畳を渡る風さえどこか怯えている。
広場では祈りの声がかすれ、民たちの表情には、拭いきれない影が落ちていた。
祈りと誇りで満ちていたはずの都が、わずかな揺らぎだけでここまで変わってしまうのか。
玉座に座りながら、その事実が胸に重く沈んだ。
――竜と人の誓いが、崩れかけている。
その感覚は、ただの不安ではなかった。
空気の端々に、小さなひび割れのようなものが生まれ、都全体が静かに軋んでいる。
玉座の間を満たす沈黙のなか、王妃と王族たちは言葉を飲み込み、ただ私を見守っていた。
目を伏せ、そっと祈りを結ぶような仕草をする者もいる。
そのひとつひとつが、都の揺らぎを示していた。
そのとき――薄闇を裂くように、社の奥から淡い光が走った。
天井に沿って浮かび上がるその輝きは、かすかに震えて消える。
私は思わず立ち上がり、足元の外套が揺れた。
「竜の社で……何かが起こっている」
小さく漏れた言葉に呼応するように、近衛隊長が息をのむ。
視線が合った瞬間、状況の緊迫を互いに悟った。
私は王宮を抜け、数名の祝詞役と近衛兵を伴って社へ向かう。
冷えた朝気の中、石畳に響く足音が、不吉な前触れのように広場へ広がっていった。
◇◇◇
竜の社が見えてくるにつれ、周囲の空気が変わっていく。
風が細くなり、精霊のさざめきも弱く揺れるだけだ。
すでに民が集まっていた。
小さな子供は母の背にしがみつき、老いた者は石段に腰を下ろして祈りと息を重ねている。
全員が、ひとつの方向――空を、見上げていた。
夜明け前の淡い光が、空に薄布のような明るさを添える。
だがその中央に、重なり合う二筋の影がゆらめいていた。
リュミエルとノクスグレア。
その名を呼ばずとも、圧倒的な気配が都を覆っていた。
金色の輝きを纏うリュミエルの光。
青白い闇を宿すノクスグレアの気配。
互いが雲のはるか上で向き合い、静かに呼吸を交わしている。
私は社の前に立ち、民たちと同じように空を見上げた。
心臓がゆっくりと鳴る。
王として、そしてアノンとして――この瞬間を誤ってはならない。
光の揺らぎの中から、リュミエルの声が降りてくる。
「王よ……いま、人の祈りはどこにあるのだ?」
まっすぐに問いかけられているのに、胸の奥がひどく重くなる。
答えはすぐそこにあるのに、言葉にならない。
民の祈りも、恐れも、赦しも、すべてが絡み合っている。
ノクスグレアの声が重ねる。
低く響き、空気を震わせる。
「恐れに寄り添うのが闇だ。だが、闇を恐れれば祈りは閉ざされる。……その先に何が残る?」
二匹の竜が対話するたび、淡い光と深い影が都をなで、石畳がわずかに震えた。
社の奥では、微かな気配が集まっていく。
火の大精霊ラギア、風の大精霊アウラ、水の大精霊セルシア、土の大精霊グラン――
そのすべてが、揺らぎの中心へと呼び寄せられていた。
炎が小さくゆらめき、ラギアの声が低く響く。
「均衡は……細い繋ぎ目の上にある」
空気がわずかに揺れ、アウラが囁く。
「竜の誇りも、人の祈りも、いまは頼りない羽根のようだね。……王よ、見届けて」
セルシアが静かに水面のように揺れ、グランが大地を震わせる。
四つの気配が交差し、私の胸に語りかけていた。
世界そのものがわずかに軋む。
広場のあちこちから、民のつぶやきが流れてくる。
「このままでは……」
「竜が争えば、都は……」
ささやきは風に溶け、祈りはまだ形にならない。
空で光と闇がゆっくりと動いた。
リュミエルが翼を広げ、金色の光が都を照らす。
ノクスグレアがそれを受け止めるように翼をはためかせ、蒼い影が大地に落ちる。
その光景に、誰かが静かに涙をこぼした。
祝詞役の声が震え、祈りの旋律が空へと昇る――だが、すぐに風にかき消される。
私は掌を握り、冷えた息をゆっくりと吐いた。
竜と竜。
誇りと誇り。
祈りと祈り。
そのすべてがいま、綱の上で揺れている。
◇◇◇
空がわずかに鳴った。
竜たちが、お互いの呼吸の間合いを探るように円を描き、空気が細く震える。
雲の合間で、光と闇の境界がゆっくりと軋みはじめた。
その揺らぎが、地上にも伝わる。石畳がかすかに鳴り、民たちの肩がびくりと震えた。
誰もが声を失い、ただ空を見上げる。
「……また揺れた」
「終わりが来るのか……?」
そんなささやきが、祈りよりも早く広がっていく。
私は一歩前へ出た。
竜の社の石段が、浅く震えた。
リュミエルが、高く舞い上がる。
金色の光が尾を引き、朝の空を切り裂くように広がった。
「ノクスグレア」
声が空を渡り、闇をまとった巨大な影へ届く。
「なぜ、祈りから離れようとする?」
その問いは、責め立てる響きではなく、痛むような静けさを帯びていた。
ノクスグレアは、ゆっくりと翼を震わせる。
蒼白い闇が、夜明けの光を飲み込み、また返すように揺らめく。
「離れたのではない。寄り添っているだけだ。人の恐れも迷いも――祈りの影は、光の裏に必ずある」
その声は低く、風に濡れたような冷たさがあった。
けれど、怒りではなかった。
リュミエルは小さく翼を畳む。
その仕草は、深く思い悩む者の息づかいとよく似ていた。
「それでも、われらは誓いを結んだはずだ。赦しのために。共に歩むために」
返事の代わりに、ノクスグレアは翼を一閃させる。
蒼い影が大地に走り、石畳の表面がぱきりと音を立てた。
竜たちの誇りが、空の上でぶつかり合っていた。
◇◇◇
私は社の奥へ向かった。
社の奥では大精霊たちが、気配を寄せ合っていた。
火の大精霊ラギアの炎は、細く揺れている。
風の大精霊アウラは、何度も向きを変えながらも落ち着かない。
水の大精霊セルシアは、揺らぎを抑えるように薄く光をまとわせていた。
土の大精霊グランは、静かに震える大地を受け止めながら息を潜めている。
「祈りの流れが……弱くなっています」
セルシアの声は、かすかな水音のように震えていた。
「恐れの風は、祈りより速い」
アウラが言う。
「このままでは、均衡は……裂ける」
ラギアの炎が短く揺れた。
私は気づいていた。
大精霊たちの言葉は恐れではない。
ただ、世界が抱え込んだ『現実』を告げているだけだった。
社の外では、子供が母親の袖を握りしめて空を見ている。
老人は震える手で祈り続けている。
祝詞役たちは声を枯らしながら歌を紡ぎ――その多くが風に飲まれていた。
◇◇◇
空で、竜たちが再び交錯した。
金色と蒼い闇が交わるたびに、雷のような衝撃が響き渡る。
雲が裂け、風が逆巻き、空気がうなる。
地上では、都の端から次々と報せが届いた。
「北の森で雷鳴を確認!」
「川の流れが逆転している!」
「南の丘で地面が割れ、炎が吹き上がりました!」
近衛兵と家臣たちの声が重なり、王宮の方角まで緊張の波が走る。
民たちはもう、祈りよりも先に恐れを抱いていた。
誰もが空を見上げ、竜たちの行方を追っている。
◇◇◇
その空の中で、竜たちは――最後の問いを交わしていた。
「我らは、ここで終わるのか」
リュミエルの声は震えてはいなかったが、深い哀しみを抱えていた。
「それとも……新しい始まりを選ぶのか」
ノクスグレアの声は、夜の底を思わせるような静けさがあった。
その響きが落ちた瞬間、大地が長く揺れた。
都の空に、細く鋭い亀裂が走る。
民は声を失い、社の広場には淡い光がひそやかに揺れる。
まるで、その光だけが都をつなぎとめているかのようだった。
私はただひとつ、祈る。
願いを言葉にすることもなく、胸の奥でそっと灯す。
その淡い光が――消えませんようにと。
◇◇◇
朝の風が一度だけ吹き抜けた。
光と影の揺らぎが静まり、都の上に薄い静けさが戻りつつあった。
けれど、その静けさは『終わり』ではない。
『始まりの静けさ』に、どこか似ていた。
祝祭の面影はすでに薄れ、石畳を渡る風さえどこか怯えている。
広場では祈りの声がかすれ、民たちの表情には、拭いきれない影が落ちていた。
祈りと誇りで満ちていたはずの都が、わずかな揺らぎだけでここまで変わってしまうのか。
玉座に座りながら、その事実が胸に重く沈んだ。
――竜と人の誓いが、崩れかけている。
その感覚は、ただの不安ではなかった。
空気の端々に、小さなひび割れのようなものが生まれ、都全体が静かに軋んでいる。
玉座の間を満たす沈黙のなか、王妃と王族たちは言葉を飲み込み、ただ私を見守っていた。
目を伏せ、そっと祈りを結ぶような仕草をする者もいる。
そのひとつひとつが、都の揺らぎを示していた。
そのとき――薄闇を裂くように、社の奥から淡い光が走った。
天井に沿って浮かび上がるその輝きは、かすかに震えて消える。
私は思わず立ち上がり、足元の外套が揺れた。
「竜の社で……何かが起こっている」
小さく漏れた言葉に呼応するように、近衛隊長が息をのむ。
視線が合った瞬間、状況の緊迫を互いに悟った。
私は王宮を抜け、数名の祝詞役と近衛兵を伴って社へ向かう。
冷えた朝気の中、石畳に響く足音が、不吉な前触れのように広場へ広がっていった。
◇◇◇
竜の社が見えてくるにつれ、周囲の空気が変わっていく。
風が細くなり、精霊のさざめきも弱く揺れるだけだ。
すでに民が集まっていた。
小さな子供は母の背にしがみつき、老いた者は石段に腰を下ろして祈りと息を重ねている。
全員が、ひとつの方向――空を、見上げていた。
夜明け前の淡い光が、空に薄布のような明るさを添える。
だがその中央に、重なり合う二筋の影がゆらめいていた。
リュミエルとノクスグレア。
その名を呼ばずとも、圧倒的な気配が都を覆っていた。
金色の輝きを纏うリュミエルの光。
青白い闇を宿すノクスグレアの気配。
互いが雲のはるか上で向き合い、静かに呼吸を交わしている。
私は社の前に立ち、民たちと同じように空を見上げた。
心臓がゆっくりと鳴る。
王として、そしてアノンとして――この瞬間を誤ってはならない。
光の揺らぎの中から、リュミエルの声が降りてくる。
「王よ……いま、人の祈りはどこにあるのだ?」
まっすぐに問いかけられているのに、胸の奥がひどく重くなる。
答えはすぐそこにあるのに、言葉にならない。
民の祈りも、恐れも、赦しも、すべてが絡み合っている。
ノクスグレアの声が重ねる。
低く響き、空気を震わせる。
「恐れに寄り添うのが闇だ。だが、闇を恐れれば祈りは閉ざされる。……その先に何が残る?」
二匹の竜が対話するたび、淡い光と深い影が都をなで、石畳がわずかに震えた。
社の奥では、微かな気配が集まっていく。
火の大精霊ラギア、風の大精霊アウラ、水の大精霊セルシア、土の大精霊グラン――
そのすべてが、揺らぎの中心へと呼び寄せられていた。
炎が小さくゆらめき、ラギアの声が低く響く。
「均衡は……細い繋ぎ目の上にある」
空気がわずかに揺れ、アウラが囁く。
「竜の誇りも、人の祈りも、いまは頼りない羽根のようだね。……王よ、見届けて」
セルシアが静かに水面のように揺れ、グランが大地を震わせる。
四つの気配が交差し、私の胸に語りかけていた。
世界そのものがわずかに軋む。
広場のあちこちから、民のつぶやきが流れてくる。
「このままでは……」
「竜が争えば、都は……」
ささやきは風に溶け、祈りはまだ形にならない。
空で光と闇がゆっくりと動いた。
リュミエルが翼を広げ、金色の光が都を照らす。
ノクスグレアがそれを受け止めるように翼をはためかせ、蒼い影が大地に落ちる。
その光景に、誰かが静かに涙をこぼした。
祝詞役の声が震え、祈りの旋律が空へと昇る――だが、すぐに風にかき消される。
私は掌を握り、冷えた息をゆっくりと吐いた。
竜と竜。
誇りと誇り。
祈りと祈り。
そのすべてがいま、綱の上で揺れている。
◇◇◇
空がわずかに鳴った。
竜たちが、お互いの呼吸の間合いを探るように円を描き、空気が細く震える。
雲の合間で、光と闇の境界がゆっくりと軋みはじめた。
その揺らぎが、地上にも伝わる。石畳がかすかに鳴り、民たちの肩がびくりと震えた。
誰もが声を失い、ただ空を見上げる。
「……また揺れた」
「終わりが来るのか……?」
そんなささやきが、祈りよりも早く広がっていく。
私は一歩前へ出た。
竜の社の石段が、浅く震えた。
リュミエルが、高く舞い上がる。
金色の光が尾を引き、朝の空を切り裂くように広がった。
「ノクスグレア」
声が空を渡り、闇をまとった巨大な影へ届く。
「なぜ、祈りから離れようとする?」
その問いは、責め立てる響きではなく、痛むような静けさを帯びていた。
ノクスグレアは、ゆっくりと翼を震わせる。
蒼白い闇が、夜明けの光を飲み込み、また返すように揺らめく。
「離れたのではない。寄り添っているだけだ。人の恐れも迷いも――祈りの影は、光の裏に必ずある」
その声は低く、風に濡れたような冷たさがあった。
けれど、怒りではなかった。
リュミエルは小さく翼を畳む。
その仕草は、深く思い悩む者の息づかいとよく似ていた。
「それでも、われらは誓いを結んだはずだ。赦しのために。共に歩むために」
返事の代わりに、ノクスグレアは翼を一閃させる。
蒼い影が大地に走り、石畳の表面がぱきりと音を立てた。
竜たちの誇りが、空の上でぶつかり合っていた。
◇◇◇
私は社の奥へ向かった。
社の奥では大精霊たちが、気配を寄せ合っていた。
火の大精霊ラギアの炎は、細く揺れている。
風の大精霊アウラは、何度も向きを変えながらも落ち着かない。
水の大精霊セルシアは、揺らぎを抑えるように薄く光をまとわせていた。
土の大精霊グランは、静かに震える大地を受け止めながら息を潜めている。
「祈りの流れが……弱くなっています」
セルシアの声は、かすかな水音のように震えていた。
「恐れの風は、祈りより速い」
アウラが言う。
「このままでは、均衡は……裂ける」
ラギアの炎が短く揺れた。
私は気づいていた。
大精霊たちの言葉は恐れではない。
ただ、世界が抱え込んだ『現実』を告げているだけだった。
社の外では、子供が母親の袖を握りしめて空を見ている。
老人は震える手で祈り続けている。
祝詞役たちは声を枯らしながら歌を紡ぎ――その多くが風に飲まれていた。
◇◇◇
空で、竜たちが再び交錯した。
金色と蒼い闇が交わるたびに、雷のような衝撃が響き渡る。
雲が裂け、風が逆巻き、空気がうなる。
地上では、都の端から次々と報せが届いた。
「北の森で雷鳴を確認!」
「川の流れが逆転している!」
「南の丘で地面が割れ、炎が吹き上がりました!」
近衛兵と家臣たちの声が重なり、王宮の方角まで緊張の波が走る。
民たちはもう、祈りよりも先に恐れを抱いていた。
誰もが空を見上げ、竜たちの行方を追っている。
◇◇◇
その空の中で、竜たちは――最後の問いを交わしていた。
「我らは、ここで終わるのか」
リュミエルの声は震えてはいなかったが、深い哀しみを抱えていた。
「それとも……新しい始まりを選ぶのか」
ノクスグレアの声は、夜の底を思わせるような静けさがあった。
その響きが落ちた瞬間、大地が長く揺れた。
都の空に、細く鋭い亀裂が走る。
民は声を失い、社の広場には淡い光がひそやかに揺れる。
まるで、その光だけが都をつなぎとめているかのようだった。
私はただひとつ、祈る。
願いを言葉にすることもなく、胸の奥でそっと灯す。
その淡い光が――消えませんようにと。
◇◇◇
朝の風が一度だけ吹き抜けた。
光と影の揺らぎが静まり、都の上に薄い静けさが戻りつつあった。
けれど、その静けさは『終わり』ではない。
『始まりの静けさ』に、どこか似ていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる