58 / 70
伝承時代:冒険者ギルド誕生譚
【冒険者ギルド誕生譚】 第五話:「ギルドの名を灯して」
しおりを挟む
夜の帳がゆっくりと街を包み込むころ、私は焚き火の前で小さく息をついた。
使われなくなった倉庫の隅は、寄せ集めの木箱や樽、粗末な麻袋が冷えた床を覆い、壁の隙間からは冷えた風がそっと忍び込んでくる。
焚き火の揺らめきだけが、私たちの影を壁に淡く映し出していた。
市場に広がった不安のざわめき。あの黒い羽根の冷たい手触り。
その微かな記憶が、まだ手のひらに残ったまま離れない。
皆も自然と口数が少なく、火の音だけが静かな時間を繋いでいた。
バルドは焚き火の向こう側で片膝を立て、じっと外の闇を見据えている。
グリンは工具袋を傍らに置き、火加減を何度も確かめていた。
セレナは膝上の毛布を指先で撫で、軽く息を吐く。
ハリィは壁際で縮こまり、耳を澄ませながら夜の気配を探っていた。
ときどき、皆の視線が一瞬だけ私に集まり、すぐに離れていく――
そんな微妙な『間』が、今夜の空気を形作っていた。
倉庫の外で馬車の車輪の音が短く響き、また静けさが落ちる。
焚き火の淡い光が天井の梁を照らし、その影がゆっくり揺れた。
◇◇◇
――扉が、そっと開いた。
顔を上げると、夜気を背負った二つの影が倉庫の中へ入ってきた。
一人はリュミナ。分厚い帳面と紙束を両手に抱えている。
その隣には、銀髪を肩まで落とした長身のエルフ。
役所の制服をきちんと着こなしながらも、どこかためらいの色を纏っていた。
リュミナは焚き火の前に腰を下ろし、息を整えて帳面を膝に置く。
「ただいま。……少し遅くなった」
私は「おかえり」と返し、セレナが顔を上げる。
「市場の記録所に寄っていたの。それで……行政官のフィリオさんとも話をしてね」
紹介されるように、フィリオが丁寧に頭を下げた。
「皆さん、初めまして。行政官のフィリオと申します」
低く澄んだ声。役人の堅さはあるけれど、話し方には誠実さがにじんでいた。
「記録所で、書類を手伝ってもらったんだ。街の記録に……気になる動きがあって」
リュミナが帳面を開き、数枚の紙束を私たちに差し出す。
その端には、彼女が何度も書き直した跡が残っていた。
「最近、この街で続いている『変化』……私も無視できなくて」
フィリオが言葉を継ぐ。
論理的な声に、ほんのわずか迷いの影が混ざっていた。
「何かが起こり始めています。……それを、皆さんと一緒に考えたいと思ったんです」
その言葉に、グリンが肩を揺らして笑った。
「役人さんがここに来るとは……珍しいこった」
バルドは焚き火越しにうなずきながら、低い声を落とす。
「……力になるなら協力する。けど、俺たちのやり方は荒いぞ」
フィリオは小さく微笑んだ。
「法だけが正しさじゃありません。時には『現場の声』こそ必要です」
その一言に、リュミナの肩がわずかに緩む。
セレナはフィリオをじっと見つめ、「案外、話が分かる人なんだね」と笑った。
フィリオは照れたように微笑み、焚き火の輪に加わる。
◇◇◇
そのとき、扉がまた控えめに開いた。
「ハリィ、頼まれてた上着、直したよ」
包みを抱えた獣人の女性が現れた。
細やかな手つきで布を広げ、縫い目を確かめながら説明していく。
「ありがとう、サビーネさん!」
ハリィが顔を輝かせると、グリンが感心したように唸った。
「器用な手じゃな。見事な仕上がりじゃ」
セレナも「すごいね」と目を丸くする。
「サビーネです。仕立てのことなら、なんでも言ってね。……困ったら、どうにかするから」
その控えめな声が焚き火に溶け、倉庫の空気をほんのり温めた。
私は息を吐き、火の揺らめきを見つめる。
少しずつ、皆の距離が縮まっていく。
焚き火の光が壁に揺れ、倉庫の隅々に静かな温もりが広がる。
バルドは炎を眺め、グリンは「こういう時間も悪くない」と呟いた。
セレナは毛布を整え、焚き火の音に耳を傾けている。
――この場所で、何かが始まる。
そんな確かな予感が胸に灯っていた。
◇◇◇
焚き火の灯りが、倉庫の隅々までやわらかな影を落としていた。
その輪の中心で、静かな呼吸だけが一定のリズムを刻んでいる。
外の夜風が壁をかすかに揺らし、室内の空気までもそっと震わせた。
フィリオは帳面を手に、膝の上で何かを確認している。
リュミナはその隣で紙束を並べ直し、視線は真剣そのものだった。
緊張と期待のあわいに揺れる横顔。
その表情に、私も静かに息を飲む。
「今日、市場で見つけたあの羽根……気になっているのは、私だけじゃないと思う」
リュミナの落ち着いた声が、焚き火の音のなかでゆっくり広がる。
バルドがうなずき、グリンも続く。
「わしも見たことがない。あの黒い羽根、ただ者じゃないぞ」
セレナは炎を見つめ、軽く眉を寄せる。
「普通の鳥の羽根じゃ、あんな気配しないよ」
フィリオはページの端をそっと押さえ、言葉を選ぶように口を開いた。
「街の記録にも、不穏な出来事が増えています。……何か動きがあるとしか思えない」
沈黙が、焚き火の揺れと重なって落ちていく。
「そういう時こそ、力を合わせるべきじゃ」
グリンが低く呟き、サビーネは膝の上で手を重ねたまま小さく顔を上げた。
「わたしも……衣類や防具のことで手伝えるなら、なんでもするよ」
控えめな声なのに、胸の奥に真っ直ぐ届いてくる。
きっと私だけじゃない。みんな同じ気持ちだった。
しばらく沈黙が流れる。
焚き火の音、夜の匂い、誰かの浅い息遣い――言葉にしきれない想いが空気の中でふくらんでいく。
「みんなで助け合える……ギルド。ギルドを作ろう」
バルドが短く、けれど強い言葉で言った。
その言葉は、倉庫全体にしんと染み渡った。
火の揺らめきさえ、一瞬止まったように見える。
「……本当に?」
セレナが驚いたように目を見開く。
私は焚き火越しに、みんなの視線がひとつに集まるのを感じた。
反対する者なんて、誰もいなかった。
「今日みたいに、困ったことがあった時……助け合える場所が欲しい」
ハリィがぎゅっと上着の裾を握りしめながら言う。
リュミナは帳面を開き、新しいページにそっとペンを走らせた。
「じゃあ……最初の記録として、『ギルド結成の夜』って書いてもいい?」
誰もが自然と頷いた。
フィリオは眼鏡を外し、指でそっと目元を押さえる。
「本来なら正式な手続きが必要ですが……」
口元には、今夜の輪を肯定するような微かな笑み。
「大切なのは、皆さんの『想い』です。この街の未来を信じる気持ち」
グリンが立ち上がり、古い板切れを拾い上げて焚き火の端に立てかけた。
「ここが、始まりの場所になるんじゃ」
その声が、夜の倉庫に深く落ちていった。
サビーネは包みを胸に抱え、静かに深呼吸する。
「みんなのために……私も役に立ちたい」
セレナが小さく頷き、バルドも短くうなずいた。
みんなどこか不安を抱えている。
それでも――不安を分け合える場所があるだけで、人は随分強くなれる。
「ギルドの名前、どうする?」
セレナが焚き火越しに問いかけると、全員が一度黙り込んだ。
夜気の静けさが、倉庫にそっと降りる。
「まだ決めなくていいよ。今は、ここに集まれたことが大事なんだ」
自然と、そんな言葉が口から零れた。
焚き火の光が仲間たちの横顔を照らし、その影が温かく揺れる。
フィリオは書類を閉じ、リュミナの帳面を覗き込む。
「この夜のことは……きっと忘れません」
その声は優しく、どこか遠い響きを持っていた。
グリンは工具袋を肩にかけ、サビーネは毛布を整え、セレナは小さな石をひとつ拾って火のそばに置いた。
それぞれが、自分なりの『誓い』を静かに置いていく。
外では夜風が街の灯りを揺らし、倉庫の隅には小さな朝の気配が漂い始めていた。
私は膝の上に手を置き、ゆっくりと息を吐く。
――この夜、この場所から、すべてが始まる。
未来のことはまだわからない。
でも、不確かさをそのまま抱えながら、夜が静かに明けていこうとしている。
焚き火の中心で、小さな火が揺れ続けていた。
使われなくなった倉庫の隅は、寄せ集めの木箱や樽、粗末な麻袋が冷えた床を覆い、壁の隙間からは冷えた風がそっと忍び込んでくる。
焚き火の揺らめきだけが、私たちの影を壁に淡く映し出していた。
市場に広がった不安のざわめき。あの黒い羽根の冷たい手触り。
その微かな記憶が、まだ手のひらに残ったまま離れない。
皆も自然と口数が少なく、火の音だけが静かな時間を繋いでいた。
バルドは焚き火の向こう側で片膝を立て、じっと外の闇を見据えている。
グリンは工具袋を傍らに置き、火加減を何度も確かめていた。
セレナは膝上の毛布を指先で撫で、軽く息を吐く。
ハリィは壁際で縮こまり、耳を澄ませながら夜の気配を探っていた。
ときどき、皆の視線が一瞬だけ私に集まり、すぐに離れていく――
そんな微妙な『間』が、今夜の空気を形作っていた。
倉庫の外で馬車の車輪の音が短く響き、また静けさが落ちる。
焚き火の淡い光が天井の梁を照らし、その影がゆっくり揺れた。
◇◇◇
――扉が、そっと開いた。
顔を上げると、夜気を背負った二つの影が倉庫の中へ入ってきた。
一人はリュミナ。分厚い帳面と紙束を両手に抱えている。
その隣には、銀髪を肩まで落とした長身のエルフ。
役所の制服をきちんと着こなしながらも、どこかためらいの色を纏っていた。
リュミナは焚き火の前に腰を下ろし、息を整えて帳面を膝に置く。
「ただいま。……少し遅くなった」
私は「おかえり」と返し、セレナが顔を上げる。
「市場の記録所に寄っていたの。それで……行政官のフィリオさんとも話をしてね」
紹介されるように、フィリオが丁寧に頭を下げた。
「皆さん、初めまして。行政官のフィリオと申します」
低く澄んだ声。役人の堅さはあるけれど、話し方には誠実さがにじんでいた。
「記録所で、書類を手伝ってもらったんだ。街の記録に……気になる動きがあって」
リュミナが帳面を開き、数枚の紙束を私たちに差し出す。
その端には、彼女が何度も書き直した跡が残っていた。
「最近、この街で続いている『変化』……私も無視できなくて」
フィリオが言葉を継ぐ。
論理的な声に、ほんのわずか迷いの影が混ざっていた。
「何かが起こり始めています。……それを、皆さんと一緒に考えたいと思ったんです」
その言葉に、グリンが肩を揺らして笑った。
「役人さんがここに来るとは……珍しいこった」
バルドは焚き火越しにうなずきながら、低い声を落とす。
「……力になるなら協力する。けど、俺たちのやり方は荒いぞ」
フィリオは小さく微笑んだ。
「法だけが正しさじゃありません。時には『現場の声』こそ必要です」
その一言に、リュミナの肩がわずかに緩む。
セレナはフィリオをじっと見つめ、「案外、話が分かる人なんだね」と笑った。
フィリオは照れたように微笑み、焚き火の輪に加わる。
◇◇◇
そのとき、扉がまた控えめに開いた。
「ハリィ、頼まれてた上着、直したよ」
包みを抱えた獣人の女性が現れた。
細やかな手つきで布を広げ、縫い目を確かめながら説明していく。
「ありがとう、サビーネさん!」
ハリィが顔を輝かせると、グリンが感心したように唸った。
「器用な手じゃな。見事な仕上がりじゃ」
セレナも「すごいね」と目を丸くする。
「サビーネです。仕立てのことなら、なんでも言ってね。……困ったら、どうにかするから」
その控えめな声が焚き火に溶け、倉庫の空気をほんのり温めた。
私は息を吐き、火の揺らめきを見つめる。
少しずつ、皆の距離が縮まっていく。
焚き火の光が壁に揺れ、倉庫の隅々に静かな温もりが広がる。
バルドは炎を眺め、グリンは「こういう時間も悪くない」と呟いた。
セレナは毛布を整え、焚き火の音に耳を傾けている。
――この場所で、何かが始まる。
そんな確かな予感が胸に灯っていた。
◇◇◇
焚き火の灯りが、倉庫の隅々までやわらかな影を落としていた。
その輪の中心で、静かな呼吸だけが一定のリズムを刻んでいる。
外の夜風が壁をかすかに揺らし、室内の空気までもそっと震わせた。
フィリオは帳面を手に、膝の上で何かを確認している。
リュミナはその隣で紙束を並べ直し、視線は真剣そのものだった。
緊張と期待のあわいに揺れる横顔。
その表情に、私も静かに息を飲む。
「今日、市場で見つけたあの羽根……気になっているのは、私だけじゃないと思う」
リュミナの落ち着いた声が、焚き火の音のなかでゆっくり広がる。
バルドがうなずき、グリンも続く。
「わしも見たことがない。あの黒い羽根、ただ者じゃないぞ」
セレナは炎を見つめ、軽く眉を寄せる。
「普通の鳥の羽根じゃ、あんな気配しないよ」
フィリオはページの端をそっと押さえ、言葉を選ぶように口を開いた。
「街の記録にも、不穏な出来事が増えています。……何か動きがあるとしか思えない」
沈黙が、焚き火の揺れと重なって落ちていく。
「そういう時こそ、力を合わせるべきじゃ」
グリンが低く呟き、サビーネは膝の上で手を重ねたまま小さく顔を上げた。
「わたしも……衣類や防具のことで手伝えるなら、なんでもするよ」
控えめな声なのに、胸の奥に真っ直ぐ届いてくる。
きっと私だけじゃない。みんな同じ気持ちだった。
しばらく沈黙が流れる。
焚き火の音、夜の匂い、誰かの浅い息遣い――言葉にしきれない想いが空気の中でふくらんでいく。
「みんなで助け合える……ギルド。ギルドを作ろう」
バルドが短く、けれど強い言葉で言った。
その言葉は、倉庫全体にしんと染み渡った。
火の揺らめきさえ、一瞬止まったように見える。
「……本当に?」
セレナが驚いたように目を見開く。
私は焚き火越しに、みんなの視線がひとつに集まるのを感じた。
反対する者なんて、誰もいなかった。
「今日みたいに、困ったことがあった時……助け合える場所が欲しい」
ハリィがぎゅっと上着の裾を握りしめながら言う。
リュミナは帳面を開き、新しいページにそっとペンを走らせた。
「じゃあ……最初の記録として、『ギルド結成の夜』って書いてもいい?」
誰もが自然と頷いた。
フィリオは眼鏡を外し、指でそっと目元を押さえる。
「本来なら正式な手続きが必要ですが……」
口元には、今夜の輪を肯定するような微かな笑み。
「大切なのは、皆さんの『想い』です。この街の未来を信じる気持ち」
グリンが立ち上がり、古い板切れを拾い上げて焚き火の端に立てかけた。
「ここが、始まりの場所になるんじゃ」
その声が、夜の倉庫に深く落ちていった。
サビーネは包みを胸に抱え、静かに深呼吸する。
「みんなのために……私も役に立ちたい」
セレナが小さく頷き、バルドも短くうなずいた。
みんなどこか不安を抱えている。
それでも――不安を分け合える場所があるだけで、人は随分強くなれる。
「ギルドの名前、どうする?」
セレナが焚き火越しに問いかけると、全員が一度黙り込んだ。
夜気の静けさが、倉庫にそっと降りる。
「まだ決めなくていいよ。今は、ここに集まれたことが大事なんだ」
自然と、そんな言葉が口から零れた。
焚き火の光が仲間たちの横顔を照らし、その影が温かく揺れる。
フィリオは書類を閉じ、リュミナの帳面を覗き込む。
「この夜のことは……きっと忘れません」
その声は優しく、どこか遠い響きを持っていた。
グリンは工具袋を肩にかけ、サビーネは毛布を整え、セレナは小さな石をひとつ拾って火のそばに置いた。
それぞれが、自分なりの『誓い』を静かに置いていく。
外では夜風が街の灯りを揺らし、倉庫の隅には小さな朝の気配が漂い始めていた。
私は膝の上に手を置き、ゆっくりと息を吐く。
――この夜、この場所から、すべてが始まる。
未来のことはまだわからない。
でも、不確かさをそのまま抱えながら、夜が静かに明けていこうとしている。
焚き火の中心で、小さな火が揺れ続けていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる