3 / 5
since.3
しおりを挟む
温泉に浸かって、さっぱりした後、食堂に集まり、食券を選んでいた。
ちょうどこの日は施設のイベントで食券に当たりが出たら、100円引きになるらしく、確認したら彩希に当たりが出たのだった。
「ラッキーだったな」
「うん!今日はついてるかも」
そしてそれぞれ注文した食事を食べ、のんびりしていると、吹き抜けのエントランスから子連れの家族が何やら入り口脇に飾ってあった笹に短冊を飾っていた。
良く見ると、他の客も短冊を飾っているのが見える。
何処で短冊をもらっているのだろうと様子を見ていると、敦也が気付いて一緒に見ると、どうやら売店の方から出て来る客で、短冊を持っている人がいるみたいだ。
「売店で短冊でも配ってるのかな?」
「どうだろう?行ってみる?」
「私、行ってみたい!」
「よし、じゃあ行ってみるか」
そうと決まれば、皆エントランスを抜けて売店に寄ると、中は地元の名産土産がたくさん置かれていて、その一角に色とりどりの短冊と、願い事を書くための台が設置されてあった。
「記念に何か書いていく?」
「いいね。じゃあ早速皆で書こうか」
「願い事か………。何にしようかな?」
「俺はもう、書くこと決めてるよ」
「私も、たぶん決めたかな?」
「あ、僕も決まったかも………」
「あれ?………もしかして、同じ事かな?」
「どうだろう?じゃあ書いたら見せ合いっこする?」
「いいね。じゃあ、書いたら『せーの』で見せ合おうな」
そう言って、皆が短冊に願い事を書き出す。
そして皆で「せーのっ」と声を掛け、自身の書いた短冊を見せ合った。
その内容は………。
【いつまでも皆と仲良くいられますように】
見事に全員が同じ事を書いていた。
「あはは、すごい!皆同じ事書いてる!」
「これぞ、俺らの絆ってやつ?」
「良いこと言うねぇ」
「ふふ、でも本当にすごいよ。まるで奇跡だね!」
皆で笑い合ってると、仲睦まじい彼らを見て、他の客達もホッコリと和んで。
どうせなら記念にと、売店の店員さんに頼み、全員で記念写真を撮ってもらい、その写真を全員でシェアしたのだった。
そしてその短冊を入り口脇の笹に吊るし、見上げると、色とりどりの短冊と共に、折り紙で作られた飾りもゆらゆらと風に揺れていた。
「今年の七夕は、晴れるかな………?」
「どうだろう?天気予報ではくもりって言ってたよな」
「曇ってたら、天の川見られないじゃん。織り姫と彦星が迷子になって会えなさそうそう………」
「迷子って………。でも、出来れば晴れて欲しいよね。年に一度しか会えない2人なんだから。………何か切なくなってくるよ」
「俊ってさ、本当にロマンチストだよね。織り姫と彦星の気持ちを考えるとか、普通しないぞ?」
「え、そう?」
「ううん、そんなことないよ。私だって、織り姫と彦星が会えないのは嫌だし、切なくなるからね」
「優しいおふたりさんだねぇ」
「もう、茶化さないでよ!」
「あはは」
そんなやりとりをして、笑い合っていると、また他の客が短冊を笹に吊るしにきては、同じように笹を見上げて。
小さな子は「願いが叶いますように!」と祈りを込めて、笹に吊るしていた。
ちょうどこの日は施設のイベントで食券に当たりが出たら、100円引きになるらしく、確認したら彩希に当たりが出たのだった。
「ラッキーだったな」
「うん!今日はついてるかも」
そしてそれぞれ注文した食事を食べ、のんびりしていると、吹き抜けのエントランスから子連れの家族が何やら入り口脇に飾ってあった笹に短冊を飾っていた。
良く見ると、他の客も短冊を飾っているのが見える。
何処で短冊をもらっているのだろうと様子を見ていると、敦也が気付いて一緒に見ると、どうやら売店の方から出て来る客で、短冊を持っている人がいるみたいだ。
「売店で短冊でも配ってるのかな?」
「どうだろう?行ってみる?」
「私、行ってみたい!」
「よし、じゃあ行ってみるか」
そうと決まれば、皆エントランスを抜けて売店に寄ると、中は地元の名産土産がたくさん置かれていて、その一角に色とりどりの短冊と、願い事を書くための台が設置されてあった。
「記念に何か書いていく?」
「いいね。じゃあ早速皆で書こうか」
「願い事か………。何にしようかな?」
「俺はもう、書くこと決めてるよ」
「私も、たぶん決めたかな?」
「あ、僕も決まったかも………」
「あれ?………もしかして、同じ事かな?」
「どうだろう?じゃあ書いたら見せ合いっこする?」
「いいね。じゃあ、書いたら『せーの』で見せ合おうな」
そう言って、皆が短冊に願い事を書き出す。
そして皆で「せーのっ」と声を掛け、自身の書いた短冊を見せ合った。
その内容は………。
【いつまでも皆と仲良くいられますように】
見事に全員が同じ事を書いていた。
「あはは、すごい!皆同じ事書いてる!」
「これぞ、俺らの絆ってやつ?」
「良いこと言うねぇ」
「ふふ、でも本当にすごいよ。まるで奇跡だね!」
皆で笑い合ってると、仲睦まじい彼らを見て、他の客達もホッコリと和んで。
どうせなら記念にと、売店の店員さんに頼み、全員で記念写真を撮ってもらい、その写真を全員でシェアしたのだった。
そしてその短冊を入り口脇の笹に吊るし、見上げると、色とりどりの短冊と共に、折り紙で作られた飾りもゆらゆらと風に揺れていた。
「今年の七夕は、晴れるかな………?」
「どうだろう?天気予報ではくもりって言ってたよな」
「曇ってたら、天の川見られないじゃん。織り姫と彦星が迷子になって会えなさそうそう………」
「迷子って………。でも、出来れば晴れて欲しいよね。年に一度しか会えない2人なんだから。………何か切なくなってくるよ」
「俊ってさ、本当にロマンチストだよね。織り姫と彦星の気持ちを考えるとか、普通しないぞ?」
「え、そう?」
「ううん、そんなことないよ。私だって、織り姫と彦星が会えないのは嫌だし、切なくなるからね」
「優しいおふたりさんだねぇ」
「もう、茶化さないでよ!」
「あはは」
そんなやりとりをして、笑い合っていると、また他の客が短冊を笹に吊るしにきては、同じように笹を見上げて。
小さな子は「願いが叶いますように!」と祈りを込めて、笹に吊るしていた。
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
隠れた花嫁を迎えに
星乃和花
恋愛
(完結済:本編8話+後日談1話)
結婚式を控えた同居中の婚約者・リリィには、ひとつだけ困った癖がある。
それは、寝癖が直らないだけで、角砂糖を落としただけで、屋敷のどこかに“こっそり”隠れてしまうこと。
けれど、完璧超人と噂される婚約者・レオンは、彼女が隠れるたび必ず見つけ出し、叱らず、急かさず、甘く寄り添って迎えに来る。
「本当に私でいいのかな」——花嫁になる前夜、ベッドの下で震えるリリィに、レオンが差し出したのは“答え”ではなく、同じ目線と温かな手だった。
ほのぼの王都、屋敷内かくれんぼ溺愛ラブ。
「隠れてもいい。迎えに行くから。」
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる