45 / 74
第3章
苛立ちが生まれた日(ダニエル)
しおりを挟む
何だかもやもやしたものを感じる。
俺はそんな気持ちを抱えながら、離れた席に端然と座る、そこらの美しいと言われる女性よりもはるかに美しい男を見ていた。
一月ぶりに会ったあいつ、シルヴィアは、何か様子がおかしかった。
再会の最初こそ、思わず目を逸らしてしまうほどの輝く笑顔があったが、それも長くは続かなかった。
身体からにじみ出る魔力も少し勢いがないように思えた。
仕事に慣れるために無理をしているのだろうかと思ったが、殿下の部屋から下がったあいつを見て、それは違うことに気が付いた。
あいつは、怒っているような、泣き出しそうな、笑っているような、一つでは表せない感情が出ていた。
一体、何を抱えているのか、揺さぶって聞き出したかったが、あいつはそれを望んでいなかった。
あいつが家へと下城してから、守護師に詰め寄って事情を聞き出そうとしたが、あの強い眼差しは、「セドリックに会えばわかる」の一言以外は何も教えてくれなかった。
セドリックは、覆面の騎士であいつのイヤリングを作ったやつだ。
学園であいつは必ずイヤリングをしていた。実に丁寧に魔力が組み立てられていて、俺は密かに感心したものだ。
あんなイヤリングを贈る相手が、あいつにとってどういう存在なのかは推して知るべし、といったところだろう。
一瞬、学園にいる間にあいつより大事な存在ができたのかと考えたが、すぐにそれは否定した。最後の試合の時、劇場の客席からあの騎士はあいつを案じて魔力を立ち上らせていた。
あんな魔力を立ち上らせて、あいつより大事な存在ができているなどあり得ない。
一体、あいつに、セドリックに、何があったんだ。
俺はもやもやしたものを抱えていた。
だが、そんな俺の気持ちどころか日常の何もかもを吹き飛ばす予知があいつによってもたらされた。
あいつの予知に立ち会った結果、俺はなし崩し的に国を揺るがす大事に関わることになってしまった。
気が付けば、秘密裏に集われた会議の中に、俺も座らされていた。
魔法使い以外には、宰相、外相、軍のトップである大将、肩書はよく分からないあいつの父親が並んでいた。
守護師が見事な結界を部屋に張っている。
俺がその結界に見惚れていると、守護師が眉をひそめた。
ドアの近くだけ結界が解かれ――その細かな技術に俺は唸らされた――殿下ともう一人、微かにあいつの魔力をまとっている男が入って来た。
わずかに溢れ出た淡い緑の魔力から、その男が『セドリック』だと思われたが、自信がなかった。
学園で見た騎士の魔力は、騎士にしておくのが惜しい程の強さがあったが、今のセドリックにはそれが感じ取れなかった。
隠している訳でもなさそうだ。生気自体に強さがない。
それでも、あいつはセドリックが部屋に入ってきた途端、顔を明るいものにして魔力を立ち上らせた。
いい顔だ。俺が見たかった顔だ。
セドリックはあいつの視線に気づき、微かに口角を上げそれに応えていた。
しかし、セドリックの溢れ出る魔力の量に変化はほとんど見られなかった。
あいつの片思いだったのか…?
いや、それは違ったはずだ。
シルヴィアはすっと目を伏せ明るさを無くした。そして、ごく僅かな量の魔力を、セドリックの手首に送り込んだ。手首にあいつの魔力の固まりが感じられる。どうやら魔法石を渡しているようだ。
セドリックは魔力の補充がされていることに気が付いていないようだった。
表情が全く動かない。
生きているのか疑問に覚えてしまう顔つきだった。
俺が違和感に囚われている間に、会議は始まった。
半年後に行われる殿下のお披露目の会は決行すること、城の警備を厚くすることは、反対も出ず即座に決まった。
大将は国境の警備も厚くするべきだと主張したとき、あいつが手を上げた。
「少数で敵に向き合うことになり、騎士の方が危険にさらされます。城で迎え撃つ方がよいと思います」
「騎士は守ることが使命だ。皆、それは覚悟している」
大将の声が尖った。あいつは微かに頭を振り、守護師を見遣った。
「叔父様、力を貸してください」
守護師が頷くと、あいつは両手を掲げた。
「皆さんで感じて下さい」
瞬間、頭の中に底なしの闇のような瞳が現れ、赤い光が放たれると、混じり気のない殺意と悪意が体に駆け巡った。
胸を掴まれ、つぶされたような感覚が起こり、俺は冷や汗が滲んだ。
あいつが、予知の間で苦しんだ訳が分かる。
部屋の誰もが微かな呻きを漏らしていたが、セドリックは眉を上げただけだった。
あの男は、感覚が麻痺しているのか?
それに気を取られている内に、白金の光が放たれ温かい治癒の魔力が体を満たした。
身体が解れ、気持ちも和らいでいく。
あいつに感謝を伝えようと目を向けると、あいつは固い顔のままだった。
「私が予知で見たものは、これだけでなく、さらにこれまで出会ったことのない程の強い魔力が秘められていました」
――それは、守護師を超えるということなのか!?
俺の衝撃に答えるかのように、深く染みとおる声が部屋に響き渡った。
「あの魔力が平時のものであるなら、私の魔力より強いものだろう」
部屋の空気が凍りついたようだった。
どこかで、いざとなれば守護師が護ってくれると頼る気持ちがあった。それは俺だけでなく守護師の力を感じることのできる人間なら誰しも思うことだろう。
「騎士の方に、そして普通の魔法使いにも、あの瞳の持ち主に勝つことは難しいと思います。」
あいつは震える声で続けた。
「私にはまだあの魔力が体に残っている気がします」
セドリックの肩がピクリと動いたのを俺は視界の端で感じた。
震える手で胸を押さえたあいつに、大将はもう異論は唱えなかった。
「殿下に城から出てどこかに避難して頂くべきだろうか」
「私は、避難はしない」
断固とした意思を載せた声が部屋に響いた。
「私が避難しても、それだけの魔力の持ち主なら居所はすぐに知れるだろう。
無意味に被害が及ぶ範囲を広げるだけだ」
大将は目を閉じた。
部屋に沈黙が訪れた。
「あれだけ強い魔力なら、結界を要所に張れば、移動はつかめる」
身体にまで染みとおるような声で守護師は告げた。
「国にいる魔法使いたちに、身近な場所に結界を張らせよう。破られたところに民への被害が出ていないか確認する必要もある」
守護師の意見が引き金となって、皆が意見を出し始める。
「王都では騎士と魔法使いが組になって見回ればいいか?」
「王都の結界はどれぐらいまで増やせるのだ?」
「予知の回数を増やせないのか」
「あの瞳の持ち主以外の輩にも注意が…」
誰もが策を練るため手振り身振りを交えて意見を戦わせている中、セドリックは表情も変えず端然と座り続けている。
所々で意見を述べてはいるものの、明らかに周りと温度が違う。
隣の席の殿下と、あいつがちらちらと視線を向けても感じていない様子だった。
あいつの顔が憂いを含んだものになっていく。
あいつにあれだけ想われていて、あんな顔しか、させられないのか。
俺は、非の打ちどころがなく整った顔を睨みつけそうになり、目の前のテーブルを凝視していた。
俺はそんな気持ちを抱えながら、離れた席に端然と座る、そこらの美しいと言われる女性よりもはるかに美しい男を見ていた。
一月ぶりに会ったあいつ、シルヴィアは、何か様子がおかしかった。
再会の最初こそ、思わず目を逸らしてしまうほどの輝く笑顔があったが、それも長くは続かなかった。
身体からにじみ出る魔力も少し勢いがないように思えた。
仕事に慣れるために無理をしているのだろうかと思ったが、殿下の部屋から下がったあいつを見て、それは違うことに気が付いた。
あいつは、怒っているような、泣き出しそうな、笑っているような、一つでは表せない感情が出ていた。
一体、何を抱えているのか、揺さぶって聞き出したかったが、あいつはそれを望んでいなかった。
あいつが家へと下城してから、守護師に詰め寄って事情を聞き出そうとしたが、あの強い眼差しは、「セドリックに会えばわかる」の一言以外は何も教えてくれなかった。
セドリックは、覆面の騎士であいつのイヤリングを作ったやつだ。
学園であいつは必ずイヤリングをしていた。実に丁寧に魔力が組み立てられていて、俺は密かに感心したものだ。
あんなイヤリングを贈る相手が、あいつにとってどういう存在なのかは推して知るべし、といったところだろう。
一瞬、学園にいる間にあいつより大事な存在ができたのかと考えたが、すぐにそれは否定した。最後の試合の時、劇場の客席からあの騎士はあいつを案じて魔力を立ち上らせていた。
あんな魔力を立ち上らせて、あいつより大事な存在ができているなどあり得ない。
一体、あいつに、セドリックに、何があったんだ。
俺はもやもやしたものを抱えていた。
だが、そんな俺の気持ちどころか日常の何もかもを吹き飛ばす予知があいつによってもたらされた。
あいつの予知に立ち会った結果、俺はなし崩し的に国を揺るがす大事に関わることになってしまった。
気が付けば、秘密裏に集われた会議の中に、俺も座らされていた。
魔法使い以外には、宰相、外相、軍のトップである大将、肩書はよく分からないあいつの父親が並んでいた。
守護師が見事な結界を部屋に張っている。
俺がその結界に見惚れていると、守護師が眉をひそめた。
ドアの近くだけ結界が解かれ――その細かな技術に俺は唸らされた――殿下ともう一人、微かにあいつの魔力をまとっている男が入って来た。
わずかに溢れ出た淡い緑の魔力から、その男が『セドリック』だと思われたが、自信がなかった。
学園で見た騎士の魔力は、騎士にしておくのが惜しい程の強さがあったが、今のセドリックにはそれが感じ取れなかった。
隠している訳でもなさそうだ。生気自体に強さがない。
それでも、あいつはセドリックが部屋に入ってきた途端、顔を明るいものにして魔力を立ち上らせた。
いい顔だ。俺が見たかった顔だ。
セドリックはあいつの視線に気づき、微かに口角を上げそれに応えていた。
しかし、セドリックの溢れ出る魔力の量に変化はほとんど見られなかった。
あいつの片思いだったのか…?
いや、それは違ったはずだ。
シルヴィアはすっと目を伏せ明るさを無くした。そして、ごく僅かな量の魔力を、セドリックの手首に送り込んだ。手首にあいつの魔力の固まりが感じられる。どうやら魔法石を渡しているようだ。
セドリックは魔力の補充がされていることに気が付いていないようだった。
表情が全く動かない。
生きているのか疑問に覚えてしまう顔つきだった。
俺が違和感に囚われている間に、会議は始まった。
半年後に行われる殿下のお披露目の会は決行すること、城の警備を厚くすることは、反対も出ず即座に決まった。
大将は国境の警備も厚くするべきだと主張したとき、あいつが手を上げた。
「少数で敵に向き合うことになり、騎士の方が危険にさらされます。城で迎え撃つ方がよいと思います」
「騎士は守ることが使命だ。皆、それは覚悟している」
大将の声が尖った。あいつは微かに頭を振り、守護師を見遣った。
「叔父様、力を貸してください」
守護師が頷くと、あいつは両手を掲げた。
「皆さんで感じて下さい」
瞬間、頭の中に底なしの闇のような瞳が現れ、赤い光が放たれると、混じり気のない殺意と悪意が体に駆け巡った。
胸を掴まれ、つぶされたような感覚が起こり、俺は冷や汗が滲んだ。
あいつが、予知の間で苦しんだ訳が分かる。
部屋の誰もが微かな呻きを漏らしていたが、セドリックは眉を上げただけだった。
あの男は、感覚が麻痺しているのか?
それに気を取られている内に、白金の光が放たれ温かい治癒の魔力が体を満たした。
身体が解れ、気持ちも和らいでいく。
あいつに感謝を伝えようと目を向けると、あいつは固い顔のままだった。
「私が予知で見たものは、これだけでなく、さらにこれまで出会ったことのない程の強い魔力が秘められていました」
――それは、守護師を超えるということなのか!?
俺の衝撃に答えるかのように、深く染みとおる声が部屋に響き渡った。
「あの魔力が平時のものであるなら、私の魔力より強いものだろう」
部屋の空気が凍りついたようだった。
どこかで、いざとなれば守護師が護ってくれると頼る気持ちがあった。それは俺だけでなく守護師の力を感じることのできる人間なら誰しも思うことだろう。
「騎士の方に、そして普通の魔法使いにも、あの瞳の持ち主に勝つことは難しいと思います。」
あいつは震える声で続けた。
「私にはまだあの魔力が体に残っている気がします」
セドリックの肩がピクリと動いたのを俺は視界の端で感じた。
震える手で胸を押さえたあいつに、大将はもう異論は唱えなかった。
「殿下に城から出てどこかに避難して頂くべきだろうか」
「私は、避難はしない」
断固とした意思を載せた声が部屋に響いた。
「私が避難しても、それだけの魔力の持ち主なら居所はすぐに知れるだろう。
無意味に被害が及ぶ範囲を広げるだけだ」
大将は目を閉じた。
部屋に沈黙が訪れた。
「あれだけ強い魔力なら、結界を要所に張れば、移動はつかめる」
身体にまで染みとおるような声で守護師は告げた。
「国にいる魔法使いたちに、身近な場所に結界を張らせよう。破られたところに民への被害が出ていないか確認する必要もある」
守護師の意見が引き金となって、皆が意見を出し始める。
「王都では騎士と魔法使いが組になって見回ればいいか?」
「王都の結界はどれぐらいまで増やせるのだ?」
「予知の回数を増やせないのか」
「あの瞳の持ち主以外の輩にも注意が…」
誰もが策を練るため手振り身振りを交えて意見を戦わせている中、セドリックは表情も変えず端然と座り続けている。
所々で意見を述べてはいるものの、明らかに周りと温度が違う。
隣の席の殿下と、あいつがちらちらと視線を向けても感じていない様子だった。
あいつの顔が憂いを含んだものになっていく。
あいつにあれだけ想われていて、あんな顔しか、させられないのか。
俺は、非の打ちどころがなく整った顔を睨みつけそうになり、目の前のテーブルを凝視していた。
1
あなたにおすすめの小説
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
殿下、毒殺はお断りいたします
石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。
彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。
容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。
彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。
「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。
「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。
婚約破棄から始まる物語【完】
mako
恋愛
メープル王国王太子であるアレクセイの婚約者である公爵令嬢のステファニーは生まれた時から王太子妃になるべく育てられた淑女の中の淑女。
公爵家の一人娘であるステファニーが生まれた後は子どもができぬまま母親は亡くなってしまう。バーナディン公爵はすぐさま再婚をし新たな母親はルシャードという息子を連れて公爵家に入った。
このルシャードは非常に優秀であり文武両道で背の高い美男子でもあったが妹になったステファニーと関わる事はなかった。
バーナディン公爵家は、今ではメープル王国のエリート一家である。
そんな中王太子より、ステファニーへの婚約破棄が言い渡される事になった。
笑顔の花は孤高の断崖にこそ咲き誇る
はんぺん千代丸
恋愛
私は侯爵家の令嬢リリエッタ。
皆様からは笑顔が素敵な『花の令嬢』リリエッタと呼ばれています。
私の笑顔は、婚約者である王太子サミュエル様に捧げるためのものです。
『貴族の娘はすべからく笑って男に付き従う『花』であるべし』
お父様のその教えのもと、私は『花の令嬢』として笑顔を磨き続けてきました。
でも、殿下が選んだ婚約者は、私ではなく妹のシルティアでした。
しかも、私を厳しく躾けてきたお父様も手のひらを返して、私を見捨てたのです。
全てを失った私は、第二王子のもとに嫁ぐよう命じられました。
第二王子ラングリフ様は、生来一度も笑ったことがないといわれる孤高の御方。
決して人を寄せ付けない雰囲気から、彼は『断崖の君』と呼ばれていました。
実は、彼には笑うことができない、とある理由があったのです。
作られた『笑顔』しか知らない令嬢が、笑顔なき王子と出会い、本当の愛を知る。
白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
瀬月 ゆな
恋愛
ロゼリエッタは三歳年上の婚約者クロードに恋をしている。
だけど、その恋は決して叶わないものだと知っていた。
異性に対する愛情じゃないのだとしても、妹のような存在に対する感情なのだとしても、いつかは結婚して幸せな家庭を築ける。それだけを心の支えにしていたある日、クロードから一方的に婚約の解消を告げられてしまう。
失意に沈むロゼリエッタに、クロードが隣国で行方知れずになったと兄が告げる。
けれど賓客として訪れた隣国の王太子に付き従う仮面の騎士は過去も姿形も捨てて、別人として振る舞うクロードだった。
愛していると言えなかった騎士と、愛してくれているのか聞けなかった令嬢の、すれ違う初恋の物語。
他サイト様でも公開しております。
イラスト 灰梅 由雪(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)様
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる