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第3章
前夜2
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「シルヴィ、ダニエル、そろそろ明日に備えて休みなさい」
叔父様が声をかけてくれました。
明日は朝から、それこそ殿下のお目覚めの時から付き添う予定です。
今夜はお城に泊まるのです。
ダニエル先輩は手際よく片付けて、
「それじゃ、また明日」
明日に対して全く気負いなくいつものように部屋を去りました。
叔父様は無駄のないそれでも優美な動きで片づけを進めています。
「叔父様、少しだけ時間をいただけますか」
紫の混じった濃い青の瞳が、私を見つめました。
私は叔父様の傍に行きました。
叔父様からもらった守護の腕輪を外しました。
刻まれた花の文様と叔父様の強い守護石が一瞬光を放ちました。
叔父様の腕を取り、私は腕輪をつけました。
「せめてこちらだけは傍にいさせてください」
文様には私の魔力を注ぎ込んでいました。
ともに戦うことはできなくとも、魔力の一部は寄り添うことができます。
叔父様は腕輪を嵌めた手を私の手に絡めました。
微かに清らかな魔力が流れ込んできます。同じように叔父様も私の魔力を感じているでしょう。
「あんな言い方をして悪かった」
身体に沁みこむ声がしました。私は目を閉じながら頷きました。
「ダニエルにもあの後、責められた。お前を傷つけてしまった。お前を信頼していない訳ではないのだ」
叔父様は残りの手で、私の頬を撫でます。
そして叔父様に抱きしめられていました。清らかな魔力が私の身体全体に染み込んできます。
「シルヴィ、私はこの強い魔力があるために諦めてきたことがいくつもある」
その言葉は私の心臓に鋭い痛みをもたらしました。
叔父様を見上げようとしましたが、しっかりと回された腕はそれを許しません。
「シルヴィ、私の宝。明日は、この叔父のわがままな願いを叶えておくれ」
今にも頷きたい思いでしたが、どうしても一つだけ私もお願いがありました。
「叔父様が負けても生き残って下さるなら、私は引き下がります。叔父様のために」
笑う気配が降ってきました。
「約束しよう」
それさえ約束してくださるなら、私は引き下がります。
私は叔父様を抱きしめました。
「先日は叔父様に納得できず、辛かったです。大好きです。叔父様」
叔父様は私の額に口づけて、返してくれました。
「私も辛かった。愛しているよ、私の宝」
ご武運をお祈りします。叔父様。
私は魔力を込めて祈りを捧げました。
叔父様が声をかけてくれました。
明日は朝から、それこそ殿下のお目覚めの時から付き添う予定です。
今夜はお城に泊まるのです。
ダニエル先輩は手際よく片付けて、
「それじゃ、また明日」
明日に対して全く気負いなくいつものように部屋を去りました。
叔父様は無駄のないそれでも優美な動きで片づけを進めています。
「叔父様、少しだけ時間をいただけますか」
紫の混じった濃い青の瞳が、私を見つめました。
私は叔父様の傍に行きました。
叔父様からもらった守護の腕輪を外しました。
刻まれた花の文様と叔父様の強い守護石が一瞬光を放ちました。
叔父様の腕を取り、私は腕輪をつけました。
「せめてこちらだけは傍にいさせてください」
文様には私の魔力を注ぎ込んでいました。
ともに戦うことはできなくとも、魔力の一部は寄り添うことができます。
叔父様は腕輪を嵌めた手を私の手に絡めました。
微かに清らかな魔力が流れ込んできます。同じように叔父様も私の魔力を感じているでしょう。
「あんな言い方をして悪かった」
身体に沁みこむ声がしました。私は目を閉じながら頷きました。
「ダニエルにもあの後、責められた。お前を傷つけてしまった。お前を信頼していない訳ではないのだ」
叔父様は残りの手で、私の頬を撫でます。
そして叔父様に抱きしめられていました。清らかな魔力が私の身体全体に染み込んできます。
「シルヴィ、私はこの強い魔力があるために諦めてきたことがいくつもある」
その言葉は私の心臓に鋭い痛みをもたらしました。
叔父様を見上げようとしましたが、しっかりと回された腕はそれを許しません。
「シルヴィ、私の宝。明日は、この叔父のわがままな願いを叶えておくれ」
今にも頷きたい思いでしたが、どうしても一つだけ私もお願いがありました。
「叔父様が負けても生き残って下さるなら、私は引き下がります。叔父様のために」
笑う気配が降ってきました。
「約束しよう」
それさえ約束してくださるなら、私は引き下がります。
私は叔父様を抱きしめました。
「先日は叔父様に納得できず、辛かったです。大好きです。叔父様」
叔父様は私の額に口づけて、返してくれました。
「私も辛かった。愛しているよ、私の宝」
ご武運をお祈りします。叔父様。
私は魔力を込めて祈りを捧げました。
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