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ハラッパバッカのコのセカイ
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ガゼットは依然として竜権化の独壇場となっており、終息の兆しは、いまだ見えない。しかし、絶望に終止符を打つべく敢然と立ち上がった人間がいた。その十人は、残骸となりつつある街中を闊歩し、その勇姿を竜権化の御前に現した。ますます憤怒に燃える紅い瞳に見下ろされはしたが、住人は一人といえども目を逸らさず、むしろ、人間だけが持ちうる熱き激情を宿した瞳で睨み返してやった。人を想い、故郷を憂い、それらを守りたいという強い意思を伴った怒りの感情である。そんな人の底力を見せつけられた竜権化は、若干仰け反り、心なしか慄いているように見えた。少なくともトロンには、そう見えたが、皆も同じ見え方をしたに違いない。彼ら人間は、この土壇場において自然に一矢報いてやったのだ。ガゼットに暮らすすべての人々の感情を代弁し、わずかでこそあるものの、自然の意思に傷跡を残してみせたのだ。父は、己が仔のみならず、人間にまで反抗の意思を叩きつけられ、それでもなお強硬な姿勢を貫けるのだろうか。睨み合いの最中、隊員の一人が竜権化に向かって絶叫にも似た言葉を言い放った。
「忌々しき自然よ!!!!我ら十人と引き換えに、故郷から退くがいい!!!!」
すると、意外な事に、竜権化は言葉を聞き届けた。その巨大な鉤爪で住人をまとめて鷲掴みにすると、巨翼をはばたかせ、廻仔に一瞥もくれず、あっという間にガゼットから地平線の彼方へと飛び去っていったのである。これには廻仔らも驚愕し、微動だにできなかった。これは嘘から出た実だろうか、噂は真実へと昇華され、今まさにガゼットは救われたのだ。しかし、言わずもがな、手放しで喜ぶ事はできず、特にシンバルは、やりきれない悔恨に歯を食いしばった。
「まさか…!!どういう事だ…!?ただの噂話じゃ…なかったのか…!?」
「彼らは…自然へと帰ったのです。ガゼットを救うために…自らを投げ打って…」シフォンは、ぼんやりと呟いた。「しかし、噂では、一日に十人の生贄を捧げなければならないと…。つまり、ガゼットを竜権化から守るには、今日だけでなく明日も…!」
「えっ、じゃあ、これから毎日十人ずつ自然に帰らないと、また竜権化がガゼットを破壊しちゃうって事!?」スコアは、大げさに驚き声を上げた。
「ふざけんな!!そんな事してたら、結局、皆いなくなっちまうじゃねぇか!!」シンバルは激昂した。
それでも彼らの犠牲を無駄にはしまい。そうトロンは、打倒竜権化への決意を固めた。一時的ではあるもののガゼットから竜権化が去り、ウェザーの足掛かりを掴むための猶予が生まれた。尊い犠牲となった彼らは、ガゼットの平穏ではなく、その平穏へ突き進むための機会を我々にもたらしたのだ。ならば、賭けるしかない。
それから、住人に噂の真偽を伝えようと野営地に戻っていた最中、奇しくも住人の一団と遭遇した。聞くところによると、空を翔ける竜権化の姿を目撃した事から噂は真実であったと判断し、洞窟からガゼットへ戻る途中であったらしい。確かに、自然環境に取り残されるよりかは、文明の残骸に身を置いた方が幾分かは安全であろう。しかし、明日にもなれば、竜権化はガゼットへ帰還し、再び生贄を求める。そう皆に伝えたものの、それでもなお文明への執着は強く、またしても廻仔らは強引に押し切られる形で住人の要求に屈した。その住人たちの表情は、自然に対する怒りと憎しみによって、鬼気迫る剣幕へと豹変していた。彼らは自然を憎悪しているのだ。故郷を奪ったばかりか、愛する者を次々とさらっていく自然の所業を誰一人として許す事ができずにいた。
ガゼットは死中にあった。建造物は見境なく破壊されているにもかかわらず、禁止区域には鬱蒼とした森が生い茂りつつあった。木炭と化していた森は、竜権化の力によって時を待たずして復活し、深緑の景観を取り戻していたのだ。しかし、木々など権化に比べたら赤子のようなものであり、脅威の再来を明日に控えた面々にとっては、些細な問題でしかなかった。帰ってくるなり住人の各々は、廃墟となった住居に身を潜めたが、やはり恐怖は拭いきれず、ある程度固まった区域の中に密集していた。一方、廻仔らは廟の付近を捜索し、ウェザーの痕跡を見つけようと躍起になっていた。そんな中、ラブ=ラドールは、まさに犬のような嗅覚を発揮し、ウェザーの匂いを嗅ぎ取ろうとしたものの、彼の匂いは廟の敷地内で忽然と途切れており、追跡する事は不可であった。ならば、炎の焦げた匂いはしないか、とトロンはラブ=ラドールにたずねた。五行によって照ラス日族を呼び寄せ、その助力によって難を逃れているかもしれない、と考えたからである。ところが、ラブ=ラドールは首を横に振るだけであり、トロンの考えは、あっけなく否定された。まさかウェザーは竜権化によって不運を辿ったのではないだろうか。そんな不安を胸に、その後も懸命に捜索を続けたが、手掛かり一つ見つける事は叶わず、結局は徒労に終わってしまった。無駄足を落胆するかと思いきや、諦める者は誰一人としておらず、むしろ捜索範囲を広げ、手分けして街中を探し回ったが、目立った進展もなく、無情にも翌朝を迎えてしまった。
昇りゆく朝日は、ガゼットを鮮やかな橙色に照らしたが、同時に巨竜の影をも映し出した。竜権化の再来である。禁止区域にある森の真っただ中に着陸すると、犇々と足音を踏み鳴らしながら市街地を目指し始めた。このまま生贄を差し出さなければ、ガゼットは再び破壊の波に呑まれてしまうだろう。住人はおろか、廻仔ですら成す術を持たず、竜権化の前に屈服するしか道は残されていなかった。しかし、竜権化の再来に手をこまねいていたわけではなく、シンバルはアースガル隊員に大砲や重機関銃といった火器を可能な限り配備させていた。街の各所に配置され、数こそ多かったものの、運用するための人手が少なく、その真価を発揮するには至らないだろうが、それでも背水の陣の覚悟で徹底抗戦する所存であった。廻仔を含めた全住人は、市街地の広場に集結し、その場からシンバルは荒々しく指揮を執っていた。
「クソッ、こんな朝早くから来やがって!!もっとゆっくり来いよ!!」シンバルは焦りに焦っていた。いまだ石盤も見つからず、今のままでは権化を止める事など夢のまた夢であった。
「シンバル!このままじゃ、街どころか皆が危険だよ!今すぐ、ここから逃げないと!」スコアは、住人をガゼットから脱出させるよう、シンバルに促した。
「まだだ!!こうなったら、やぶれかぶれだぜ!!」シンバルは自暴自棄に片足を踏み入れていた。
「やめろ。あの程度の兵器では竜権化に傷一つつけられない」トロンでさえもシンバルを制止した。
「お兄様の言う通りです!」シフォンはトロンに追随した。「自然に文明の利器は通用しません!ここは住人だけでなく、わたしたちも避難すべきです!」
「せっかく用意したんだ!!やれるだけやる!!」シンバルは、頑なに意地を張ると、無線機に向かって「全弾突っ込め!!!一斉砲火だ!!!」
その途端、絶え間ない砲声と銃声が鳴り響き、竜権化に向かって鉛の雨が降り注いだ。あまりのけたたましさにラブ=ラドールは両耳を塞ぎ、その場に座り込んでしまった。それほどまでに猛烈な攻撃であったが、竜権化は降りかかる弾丸をものともせず、市街地に向かって力強く歩いた。銃弾はもちろん、砲弾を無数に打ち込もうが、竜権化の体には弾痕すら残らず、まるで何も起こっていないかのようであった。しかし、大いなる自然の逆鱗に触れてしまったのか、怒り狂う竜権化は口から火球を吐くと、向けられた銃口をしらみつぶしに爆発させていった。やはり自然には敵わない。誰もがそう確信するほどに圧倒されてしまった。
「シンバル!!もう逃げようよ!!」スコアは、屈辱の表情を浮かべるシンバルに向かって叫んだ。
「もはや、こんな瓦礫だらけの街にこだわった所で意味なんかない…か!」シンバルは、歯がゆそうに爪を噛んだ。それから、広場に残ったアースガル隊員に向かって「こうなったら仕方ない!!また洞窟暮らしするぞ!!早く住人を連れていけ!!」と命じた。
「いえ、住人は外界へ出る事をひどく恐れています!」隊員の一人がシンバルに意見した。「ですので、彼らは勇敢になって…!いえ、もはやそうするしか道はありませんでした…!」
「なんだ、何を言っている!?」シンバルは隊員に迫ったが、すぐに彼の言葉の意味に気付き、はっとした。
「くれぐれも隊長には内密にするよう口止めされておりましたが…!もし砲撃が効かなかった時は、すぐに持ち場を離れ、権化の元へ向かう…と!たとえ反撃はされても、十人ほどならどうにか…!」隊員は思わず語尾を濁してしまった。
その時、竜権化が勢いよくはばたいた。その手に十の生贄を掴み、ガゼットを旅立ち、またしても地平線の彼方へと消え去った。
シンバルは、図らずも自らの部下に犠牲を強いてしまった事を悔いた。「…オレたちが、ここに残ったからって……これからどうしろって言うんだ…!?こんな事を明日も明後日も続けろと言うのか…!?」
スコアは、言葉が喉まで出かかったが、すぐに飲み込んだ。唇を噛みしめるシンバルに声をかける事をためらってしまったのだ。
「忌々しき自然よ!!!!我ら十人と引き換えに、故郷から退くがいい!!!!」
すると、意外な事に、竜権化は言葉を聞き届けた。その巨大な鉤爪で住人をまとめて鷲掴みにすると、巨翼をはばたかせ、廻仔に一瞥もくれず、あっという間にガゼットから地平線の彼方へと飛び去っていったのである。これには廻仔らも驚愕し、微動だにできなかった。これは嘘から出た実だろうか、噂は真実へと昇華され、今まさにガゼットは救われたのだ。しかし、言わずもがな、手放しで喜ぶ事はできず、特にシンバルは、やりきれない悔恨に歯を食いしばった。
「まさか…!!どういう事だ…!?ただの噂話じゃ…なかったのか…!?」
「彼らは…自然へと帰ったのです。ガゼットを救うために…自らを投げ打って…」シフォンは、ぼんやりと呟いた。「しかし、噂では、一日に十人の生贄を捧げなければならないと…。つまり、ガゼットを竜権化から守るには、今日だけでなく明日も…!」
「えっ、じゃあ、これから毎日十人ずつ自然に帰らないと、また竜権化がガゼットを破壊しちゃうって事!?」スコアは、大げさに驚き声を上げた。
「ふざけんな!!そんな事してたら、結局、皆いなくなっちまうじゃねぇか!!」シンバルは激昂した。
それでも彼らの犠牲を無駄にはしまい。そうトロンは、打倒竜権化への決意を固めた。一時的ではあるもののガゼットから竜権化が去り、ウェザーの足掛かりを掴むための猶予が生まれた。尊い犠牲となった彼らは、ガゼットの平穏ではなく、その平穏へ突き進むための機会を我々にもたらしたのだ。ならば、賭けるしかない。
それから、住人に噂の真偽を伝えようと野営地に戻っていた最中、奇しくも住人の一団と遭遇した。聞くところによると、空を翔ける竜権化の姿を目撃した事から噂は真実であったと判断し、洞窟からガゼットへ戻る途中であったらしい。確かに、自然環境に取り残されるよりかは、文明の残骸に身を置いた方が幾分かは安全であろう。しかし、明日にもなれば、竜権化はガゼットへ帰還し、再び生贄を求める。そう皆に伝えたものの、それでもなお文明への執着は強く、またしても廻仔らは強引に押し切られる形で住人の要求に屈した。その住人たちの表情は、自然に対する怒りと憎しみによって、鬼気迫る剣幕へと豹変していた。彼らは自然を憎悪しているのだ。故郷を奪ったばかりか、愛する者を次々とさらっていく自然の所業を誰一人として許す事ができずにいた。
ガゼットは死中にあった。建造物は見境なく破壊されているにもかかわらず、禁止区域には鬱蒼とした森が生い茂りつつあった。木炭と化していた森は、竜権化の力によって時を待たずして復活し、深緑の景観を取り戻していたのだ。しかし、木々など権化に比べたら赤子のようなものであり、脅威の再来を明日に控えた面々にとっては、些細な問題でしかなかった。帰ってくるなり住人の各々は、廃墟となった住居に身を潜めたが、やはり恐怖は拭いきれず、ある程度固まった区域の中に密集していた。一方、廻仔らは廟の付近を捜索し、ウェザーの痕跡を見つけようと躍起になっていた。そんな中、ラブ=ラドールは、まさに犬のような嗅覚を発揮し、ウェザーの匂いを嗅ぎ取ろうとしたものの、彼の匂いは廟の敷地内で忽然と途切れており、追跡する事は不可であった。ならば、炎の焦げた匂いはしないか、とトロンはラブ=ラドールにたずねた。五行によって照ラス日族を呼び寄せ、その助力によって難を逃れているかもしれない、と考えたからである。ところが、ラブ=ラドールは首を横に振るだけであり、トロンの考えは、あっけなく否定された。まさかウェザーは竜権化によって不運を辿ったのではないだろうか。そんな不安を胸に、その後も懸命に捜索を続けたが、手掛かり一つ見つける事は叶わず、結局は徒労に終わってしまった。無駄足を落胆するかと思いきや、諦める者は誰一人としておらず、むしろ捜索範囲を広げ、手分けして街中を探し回ったが、目立った進展もなく、無情にも翌朝を迎えてしまった。
昇りゆく朝日は、ガゼットを鮮やかな橙色に照らしたが、同時に巨竜の影をも映し出した。竜権化の再来である。禁止区域にある森の真っただ中に着陸すると、犇々と足音を踏み鳴らしながら市街地を目指し始めた。このまま生贄を差し出さなければ、ガゼットは再び破壊の波に呑まれてしまうだろう。住人はおろか、廻仔ですら成す術を持たず、竜権化の前に屈服するしか道は残されていなかった。しかし、竜権化の再来に手をこまねいていたわけではなく、シンバルはアースガル隊員に大砲や重機関銃といった火器を可能な限り配備させていた。街の各所に配置され、数こそ多かったものの、運用するための人手が少なく、その真価を発揮するには至らないだろうが、それでも背水の陣の覚悟で徹底抗戦する所存であった。廻仔を含めた全住人は、市街地の広場に集結し、その場からシンバルは荒々しく指揮を執っていた。
「クソッ、こんな朝早くから来やがって!!もっとゆっくり来いよ!!」シンバルは焦りに焦っていた。いまだ石盤も見つからず、今のままでは権化を止める事など夢のまた夢であった。
「シンバル!このままじゃ、街どころか皆が危険だよ!今すぐ、ここから逃げないと!」スコアは、住人をガゼットから脱出させるよう、シンバルに促した。
「まだだ!!こうなったら、やぶれかぶれだぜ!!」シンバルは自暴自棄に片足を踏み入れていた。
「やめろ。あの程度の兵器では竜権化に傷一つつけられない」トロンでさえもシンバルを制止した。
「お兄様の言う通りです!」シフォンはトロンに追随した。「自然に文明の利器は通用しません!ここは住人だけでなく、わたしたちも避難すべきです!」
「せっかく用意したんだ!!やれるだけやる!!」シンバルは、頑なに意地を張ると、無線機に向かって「全弾突っ込め!!!一斉砲火だ!!!」
その途端、絶え間ない砲声と銃声が鳴り響き、竜権化に向かって鉛の雨が降り注いだ。あまりのけたたましさにラブ=ラドールは両耳を塞ぎ、その場に座り込んでしまった。それほどまでに猛烈な攻撃であったが、竜権化は降りかかる弾丸をものともせず、市街地に向かって力強く歩いた。銃弾はもちろん、砲弾を無数に打ち込もうが、竜権化の体には弾痕すら残らず、まるで何も起こっていないかのようであった。しかし、大いなる自然の逆鱗に触れてしまったのか、怒り狂う竜権化は口から火球を吐くと、向けられた銃口をしらみつぶしに爆発させていった。やはり自然には敵わない。誰もがそう確信するほどに圧倒されてしまった。
「シンバル!!もう逃げようよ!!」スコアは、屈辱の表情を浮かべるシンバルに向かって叫んだ。
「もはや、こんな瓦礫だらけの街にこだわった所で意味なんかない…か!」シンバルは、歯がゆそうに爪を噛んだ。それから、広場に残ったアースガル隊員に向かって「こうなったら仕方ない!!また洞窟暮らしするぞ!!早く住人を連れていけ!!」と命じた。
「いえ、住人は外界へ出る事をひどく恐れています!」隊員の一人がシンバルに意見した。「ですので、彼らは勇敢になって…!いえ、もはやそうするしか道はありませんでした…!」
「なんだ、何を言っている!?」シンバルは隊員に迫ったが、すぐに彼の言葉の意味に気付き、はっとした。
「くれぐれも隊長には内密にするよう口止めされておりましたが…!もし砲撃が効かなかった時は、すぐに持ち場を離れ、権化の元へ向かう…と!たとえ反撃はされても、十人ほどならどうにか…!」隊員は思わず語尾を濁してしまった。
その時、竜権化が勢いよくはばたいた。その手に十の生贄を掴み、ガゼットを旅立ち、またしても地平線の彼方へと消え去った。
シンバルは、図らずも自らの部下に犠牲を強いてしまった事を悔いた。「…オレたちが、ここに残ったからって……これからどうしろって言うんだ…!?こんな事を明日も明後日も続けろと言うのか…!?」
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