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第9章 浜松の絵師、戦場の嘘
1話
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東京から西へ六十里余り。 遠州、浜松。
冬の空は高く、乾ききっていた。 「遠州の空っ風」と呼ばれる季節風が、容赦なく吹き荒れている。 天竜川の渡し舟を降りた新島省吾――かつての相馬主計は、舞い上がる砂埃に目を細めながら、襟を合わせた。
東京の煉瓦街とは、まるで色が違う。 ここには、文明開化の喧騒はない。あるのは、江戸の昔から変わらぬ宿場町の賑わいと、背後に広がる広大な茶畑の緑だ。 刈り取られた後の茶の木が、幾重もの波となって丘陵を覆っている。 土と、乾いた草と、微かに漂う潮の香り。 かつて徳川家康が覇業の礎を築いたこの地は、質実剛健な気風を今に残していた。
相馬は、笠を深く被り直し、街道を歩いた。 人の流れに逆らわず、けれど決して紛れることなく。 目指す場所は、宿場の外れにある一軒の商家だ。
『中島商店』。
古い木造の店舗。 軒先には「質」「茶」「紙」と書かれた看板が下がっている。 万屋のような商いをしているらしい。 相馬は店の前で足を止めた。 店の中からは、茶を焙じる香ばしい匂いに混じって、どこか鼻を突く、独特の刺激臭が漂っていた。
(……硝煙か?)
相馬の眉が動いた。 火薬の匂いだ。茶屋には似つかわしくない、戦場の残り香。 相馬は懐の匕首の位置を確認し、引き戸に手をかけた。
カラカラ、と乾いた音が店内に響く。
店の中は薄暗かった。 陳列棚には茶箱や反物が並んでいるが、その奥、帳場の周りだけ異質な空気が流れている。 一人の男が、背を丸めて何かをいじっていた。
初老に差しかかり、髪には白いものが混じっている。 だが、その背中は岩のように頑強だ。 男の手元には、分解された鉄の塊があった。 回転式の短筒。 男は油の染みた布で、撃鉄のバネを丁寧に磨いている。
「いらっしゃい」
男――中島登は、顔を上げずに言った。 低く、落ち着いた声だ。
「茶なら、そこに並んでいる。質草の引き取りなら、証文を出してくれ」
客が入ってきたことにも動じない。 手元の銃に視線を落としたまま、まるで自分の指先と会話するように作業を続けている。
「……商売替えですか、中島さん」
相馬の声に、中島の手がピタリと止まった。 磨いていたバネが、カチンと微かな音を立てる。
中島が、ゆっくりと顔を上げた。 眼鏡の奥にある瞳が、逆光の中に立つ相馬を捉える。 その目が、みるみるうちに見開かれていく。 疑念、驚愕、そして戦慄。
「あんた……」
中島が立ち上がった。 椅子が倒れる音が響く。 手にした短筒が、ゴトリと机の上に転がった。
「まさか……」
中島は、信じられないものを見るように相馬を凝視した。 唇が震えている。
「化けて……出たか。相馬主計」
「足はある」
相馬は短く答え、土間を歩いた。 足音が響く。 幽霊ではない、生身の人間の重みのある音だ。
「中島さん。……久しぶりです」
「相馬……!」
中島が帳場を飛び出し、相馬に駆け寄った。 相馬の肩を掴む。 強い力だった。火薬と油の匂いがする、温かい手のひらの感触。
「生き……生きていたのか! 三年前に腹を切ったと聞いたぞ!」
中島の手が震えている。
「三年前に、箱館で『碧血碑』が建った頃だ。東京の永倉さんからも手紙が来てな……。『相馬が逝った』と知らされたんだ。……俺は、あの碑にお前の分まで祈っていたんだぞ!」
「死にましたよ。一度は」
相馬は自嘲気味に笑った。
「妻と別れ、狂人のふりをして……。そうするしかなかった」
「馬鹿野郎……」
中島は相馬の肩を揺さぶり、そして強く抱きしめた。
「よくぞ……よくぞ生きていてくれた。あの若造が、先に逝きやがってと……ずっと悔やんでいたんだ」
中島の声が湿っていた。 戦場では常に冷静沈着で、死人の顔さえ淡々と写し取っていた男が、今は子供のように感情を露わにしている。 碧血碑という「死者のための場所」に名を連ねていたはずの友が、今、生きて目の前にいる。その事実に、中島は震えていた。
「すいません。……いろいろと、事情がありまして」
「いい。生きていれば、それでいいんだ」
中島は眼鏡を外し、袖で目元を拭った。 そして、照れ隠しのように机の上の短筒を片付け始めた。
「物騒なもんをいじってるんですね」
相馬が訊くと、中島はニヤリと笑った。
「質流れ品さ。最近は物騒だからな、護身用に手入れをしていたんだ」
中島の手つきは、職人のそれだった。 ただの商人ではない。 この男もまた、牙を抜かれたふりをしながら、爪を研ぎ続けていたのだ。 後にこの地で鉄砲火薬店を開くことになる片鱗が、すでにそこにはあった。
「上がれ。……積もる話があるだろう。とびきりの茶を淹れる」
*
店の奥。 囲炉裏を切った居間で、二人は向かい合った。 湯気が立つ茶碗。 静岡の茶は、東京で飲むものより深く、苦味が利いていた。
「……そうか。そんなことが」
相馬の身の上話を聞き終え、中島は深く溜息をついた。 流刑地・新島で出会った船大工の娘・まつのとの別れ。 司法省での汚職の発見、そして口封じのための切腹偽装。
「お前も、修羅の道を歩いてきたんだな」
「中島さんこそ。……浜松で、根を下ろしたんですね」
「ああ。……ここなら、東京の喧騒も届かない」
中島は部屋の隅に視線をやった。 そこには、画材道具と共に、数丁の古式銃が無造作に置かれていた。 絵筆と銃。 矛盾する二つの道具が、この男の中では共存している。
「絵を描きながら、時折こうして鉄砲をいじってる。……どちらも、俺たちの『過去』を忘れさせないための道具だ」
中島は寂しげに笑った。
「死んでいった連中の顔を描き、あいつらが使っていた武器の手入れをする。……それが、生き残った俺の弔いさ」
記録者としての業 。 中島もまた、過去という鎖に繋がれたまま生きているのだ。
「中島さん」
相馬は茶碗を置いた。 再会の余韻に浸っていたい。だが、時間がない。
「今日、ここへ来たのは、昔話をするためじゃないんです」
相馬の声色が変わり、中島の表情も引き締まった。 かつての監察の目に戻る。
「……分かっている。お前が死人の皮を脱いでまでここへ来たんだ。よほどのことがあったんだろう」
「鈴木三樹三郎が、土方副長の首を持っていると言い出しました」
「なんだと?」
「偽物です。俺たちが埋めたんですから。……だが、奴は歴史を書き換えようとしている。副長の名誉だけでなく、その死に様さえも」
相馬は、立川から聞いた「弾道の矛盾」を話した。 左脇腹から右肩へ抜けた銃弾。 官軍ではなく、味方陣地からの狙撃の可能性。
中島は黙って聞いていた。 驚く様子はなかった。 むしろ、「やはりそうか」と噛み締めるように、深く頷いた。
「……気づいたか、相馬」
中島が静かに言った。
「あんたも……疑っていたのか」
「疑うも何も」
中島は立ち上がり、襖の方へと歩いた。
「俺は監察だぞ。あの日の戦場の地形、敵の配置、味方の陣形……すべて頭に入っている。違和感がないはずがない」
「ですが、なぜ私が中島さんの居場所を知っていたか、不思議に思いませんか?」
相馬が問うと、中島は背中を向けたまま答えた。
「お前が司法省にいたことは知っていた。……役人の力を使えば、俺の居場所くらい割れただろう」
「ええ。……調べました」
相馬は懐かしむように目を細めた。
「役人だった頃、職権を使って生き残った連中の動向を調べたんです。中島さんが浜松に定住し、茶の商いを始めたことは記録で知っていた。……会いたかった。だが、当時の俺は監視付きの身だ。会いに行けば、あなたの平穏な生活まで壊してしまう。……だから、知らぬふりをしていました」
それが、相馬なりの仲間への守り方だった。 遠くから祈るだけの、不器用な優しさ。 中島は何も言わず、ただ短く頷いた。
「……そうか」
中島は襖を開けた。 その奥には、重厚な扉のついた土蔵があった。 厳重な錠前がかかっている。
「俺もずっと、喉に小骨が刺さったような疑念を持っていた。……だから、描いたんだ」
中島が懐から鍵を取り出す。
「ただの絵じゃない。あれは、俺たちが見て見ぬふりをしてきた『不都合な真実』の記録だ」
ガチャリ、と錠が開く音がした。 重い扉が開く。 カビと、古い紙の匂いが流れ出してくる。
「入る覚悟はあるか、相馬。……これを見れば、もう後戻りはできんぞ」
中島が振り返った。 その手には、いつの間にか先ほどの短筒が握られていた。 脅しているのではない。 これから踏み込む領域が、銃が必要になるほどの危険な場所だという警告だ。
「覚悟なら、東京に置いてきました」
相馬は立ち上がった。 死人が蘇ったあの日から、失うものなど何もない。
「見せてください。……あの日の、本当の戦場を」
中島が頷き、蔵の中へと招き入れる。 闇の奥に、一枚の巨大な絵図が眠っていた。 それは、土方歳三を死に追いやった裏切り者たちを断罪する、決定的な証拠だった。
冬の空は高く、乾ききっていた。 「遠州の空っ風」と呼ばれる季節風が、容赦なく吹き荒れている。 天竜川の渡し舟を降りた新島省吾――かつての相馬主計は、舞い上がる砂埃に目を細めながら、襟を合わせた。
東京の煉瓦街とは、まるで色が違う。 ここには、文明開化の喧騒はない。あるのは、江戸の昔から変わらぬ宿場町の賑わいと、背後に広がる広大な茶畑の緑だ。 刈り取られた後の茶の木が、幾重もの波となって丘陵を覆っている。 土と、乾いた草と、微かに漂う潮の香り。 かつて徳川家康が覇業の礎を築いたこの地は、質実剛健な気風を今に残していた。
相馬は、笠を深く被り直し、街道を歩いた。 人の流れに逆らわず、けれど決して紛れることなく。 目指す場所は、宿場の外れにある一軒の商家だ。
『中島商店』。
古い木造の店舗。 軒先には「質」「茶」「紙」と書かれた看板が下がっている。 万屋のような商いをしているらしい。 相馬は店の前で足を止めた。 店の中からは、茶を焙じる香ばしい匂いに混じって、どこか鼻を突く、独特の刺激臭が漂っていた。
(……硝煙か?)
相馬の眉が動いた。 火薬の匂いだ。茶屋には似つかわしくない、戦場の残り香。 相馬は懐の匕首の位置を確認し、引き戸に手をかけた。
カラカラ、と乾いた音が店内に響く。
店の中は薄暗かった。 陳列棚には茶箱や反物が並んでいるが、その奥、帳場の周りだけ異質な空気が流れている。 一人の男が、背を丸めて何かをいじっていた。
初老に差しかかり、髪には白いものが混じっている。 だが、その背中は岩のように頑強だ。 男の手元には、分解された鉄の塊があった。 回転式の短筒。 男は油の染みた布で、撃鉄のバネを丁寧に磨いている。
「いらっしゃい」
男――中島登は、顔を上げずに言った。 低く、落ち着いた声だ。
「茶なら、そこに並んでいる。質草の引き取りなら、証文を出してくれ」
客が入ってきたことにも動じない。 手元の銃に視線を落としたまま、まるで自分の指先と会話するように作業を続けている。
「……商売替えですか、中島さん」
相馬の声に、中島の手がピタリと止まった。 磨いていたバネが、カチンと微かな音を立てる。
中島が、ゆっくりと顔を上げた。 眼鏡の奥にある瞳が、逆光の中に立つ相馬を捉える。 その目が、みるみるうちに見開かれていく。 疑念、驚愕、そして戦慄。
「あんた……」
中島が立ち上がった。 椅子が倒れる音が響く。 手にした短筒が、ゴトリと机の上に転がった。
「まさか……」
中島は、信じられないものを見るように相馬を凝視した。 唇が震えている。
「化けて……出たか。相馬主計」
「足はある」
相馬は短く答え、土間を歩いた。 足音が響く。 幽霊ではない、生身の人間の重みのある音だ。
「中島さん。……久しぶりです」
「相馬……!」
中島が帳場を飛び出し、相馬に駆け寄った。 相馬の肩を掴む。 強い力だった。火薬と油の匂いがする、温かい手のひらの感触。
「生き……生きていたのか! 三年前に腹を切ったと聞いたぞ!」
中島の手が震えている。
「三年前に、箱館で『碧血碑』が建った頃だ。東京の永倉さんからも手紙が来てな……。『相馬が逝った』と知らされたんだ。……俺は、あの碑にお前の分まで祈っていたんだぞ!」
「死にましたよ。一度は」
相馬は自嘲気味に笑った。
「妻と別れ、狂人のふりをして……。そうするしかなかった」
「馬鹿野郎……」
中島は相馬の肩を揺さぶり、そして強く抱きしめた。
「よくぞ……よくぞ生きていてくれた。あの若造が、先に逝きやがってと……ずっと悔やんでいたんだ」
中島の声が湿っていた。 戦場では常に冷静沈着で、死人の顔さえ淡々と写し取っていた男が、今は子供のように感情を露わにしている。 碧血碑という「死者のための場所」に名を連ねていたはずの友が、今、生きて目の前にいる。その事実に、中島は震えていた。
「すいません。……いろいろと、事情がありまして」
「いい。生きていれば、それでいいんだ」
中島は眼鏡を外し、袖で目元を拭った。 そして、照れ隠しのように机の上の短筒を片付け始めた。
「物騒なもんをいじってるんですね」
相馬が訊くと、中島はニヤリと笑った。
「質流れ品さ。最近は物騒だからな、護身用に手入れをしていたんだ」
中島の手つきは、職人のそれだった。 ただの商人ではない。 この男もまた、牙を抜かれたふりをしながら、爪を研ぎ続けていたのだ。 後にこの地で鉄砲火薬店を開くことになる片鱗が、すでにそこにはあった。
「上がれ。……積もる話があるだろう。とびきりの茶を淹れる」
*
店の奥。 囲炉裏を切った居間で、二人は向かい合った。 湯気が立つ茶碗。 静岡の茶は、東京で飲むものより深く、苦味が利いていた。
「……そうか。そんなことが」
相馬の身の上話を聞き終え、中島は深く溜息をついた。 流刑地・新島で出会った船大工の娘・まつのとの別れ。 司法省での汚職の発見、そして口封じのための切腹偽装。
「お前も、修羅の道を歩いてきたんだな」
「中島さんこそ。……浜松で、根を下ろしたんですね」
「ああ。……ここなら、東京の喧騒も届かない」
中島は部屋の隅に視線をやった。 そこには、画材道具と共に、数丁の古式銃が無造作に置かれていた。 絵筆と銃。 矛盾する二つの道具が、この男の中では共存している。
「絵を描きながら、時折こうして鉄砲をいじってる。……どちらも、俺たちの『過去』を忘れさせないための道具だ」
中島は寂しげに笑った。
「死んでいった連中の顔を描き、あいつらが使っていた武器の手入れをする。……それが、生き残った俺の弔いさ」
記録者としての業 。 中島もまた、過去という鎖に繋がれたまま生きているのだ。
「中島さん」
相馬は茶碗を置いた。 再会の余韻に浸っていたい。だが、時間がない。
「今日、ここへ来たのは、昔話をするためじゃないんです」
相馬の声色が変わり、中島の表情も引き締まった。 かつての監察の目に戻る。
「……分かっている。お前が死人の皮を脱いでまでここへ来たんだ。よほどのことがあったんだろう」
「鈴木三樹三郎が、土方副長の首を持っていると言い出しました」
「なんだと?」
「偽物です。俺たちが埋めたんですから。……だが、奴は歴史を書き換えようとしている。副長の名誉だけでなく、その死に様さえも」
相馬は、立川から聞いた「弾道の矛盾」を話した。 左脇腹から右肩へ抜けた銃弾。 官軍ではなく、味方陣地からの狙撃の可能性。
中島は黙って聞いていた。 驚く様子はなかった。 むしろ、「やはりそうか」と噛み締めるように、深く頷いた。
「……気づいたか、相馬」
中島が静かに言った。
「あんたも……疑っていたのか」
「疑うも何も」
中島は立ち上がり、襖の方へと歩いた。
「俺は監察だぞ。あの日の戦場の地形、敵の配置、味方の陣形……すべて頭に入っている。違和感がないはずがない」
「ですが、なぜ私が中島さんの居場所を知っていたか、不思議に思いませんか?」
相馬が問うと、中島は背中を向けたまま答えた。
「お前が司法省にいたことは知っていた。……役人の力を使えば、俺の居場所くらい割れただろう」
「ええ。……調べました」
相馬は懐かしむように目を細めた。
「役人だった頃、職権を使って生き残った連中の動向を調べたんです。中島さんが浜松に定住し、茶の商いを始めたことは記録で知っていた。……会いたかった。だが、当時の俺は監視付きの身だ。会いに行けば、あなたの平穏な生活まで壊してしまう。……だから、知らぬふりをしていました」
それが、相馬なりの仲間への守り方だった。 遠くから祈るだけの、不器用な優しさ。 中島は何も言わず、ただ短く頷いた。
「……そうか」
中島は襖を開けた。 その奥には、重厚な扉のついた土蔵があった。 厳重な錠前がかかっている。
「俺もずっと、喉に小骨が刺さったような疑念を持っていた。……だから、描いたんだ」
中島が懐から鍵を取り出す。
「ただの絵じゃない。あれは、俺たちが見て見ぬふりをしてきた『不都合な真実』の記録だ」
ガチャリ、と錠が開く音がした。 重い扉が開く。 カビと、古い紙の匂いが流れ出してくる。
「入る覚悟はあるか、相馬。……これを見れば、もう後戻りはできんぞ」
中島が振り返った。 その手には、いつの間にか先ほどの短筒が握られていた。 脅しているのではない。 これから踏み込む領域が、銃が必要になるほどの危険な場所だという警告だ。
「覚悟なら、東京に置いてきました」
相馬は立ち上がった。 死人が蘇ったあの日から、失うものなど何もない。
「見せてください。……あの日の、本当の戦場を」
中島が頷き、蔵の中へと招き入れる。 闇の奥に、一枚の巨大な絵図が眠っていた。 それは、土方歳三を死に追いやった裏切り者たちを断罪する、決定的な証拠だった。
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