1 / 1
永遠の時を君と共に
しおりを挟む
夜の帷が下り、世界を静寂が浸している。底の見えない暗闇が見渡す限りを覆っていた。真っ黒な空には細い雲がたなびいているが、月の姿は見当たらない。代わりに頭上には無数の星が瞬き、黒い幕の上に砂金を散らしたように光り輝いていた。
丘の上に男が一人佇んでいる。夜闇に紛れてしまいそうな黒づくめの服装に黒い髪、目だけが爛々と赤く光っている。頭には立派な角が生えていた。角の先は槍のように尖り、鈍く光を反射している。この角で貫かれた日には、どんな生き物も無事ではいられないことであろう。
男は勿論人間ではない。悪魔であった。それも、今まで何十人もの魂を喰らい、何百人、何千人の命を奪った残虐な悪魔である。しかし、丘の麓にある人間の集落に、悪魔は興味すら示さなかった。
彼はただ空を見上げていた。彼の唯一であり最愛の女性を頭に思い浮かべながら、静かに何かを待っていた。
悪魔の最愛は人間の女性であった。悪魔との契約を望んだ愚かな人間が、生贄として差し出したのがその女性である。彼女の姿を一目見た瞬間に、悪魔は恋というものを理解した。悪魔がこの世界に存在を得てから数千年、あれほど心が動かされたことは他になかった。
悪魔は女性を妻として迎えた。彼女を生贄にするような術者は、あっさりと殺してしまった。悪魔に怯えていた女性も、ひたむきな悪魔にいつしか恋をした。二人に降りかかった奇跡のような幸福だった。
しかし、彼女はほどなくして床に伏してしまった。普通に暮らしているだけでも、悪魔の強すぎる魔力は漏れ出てしまう。それに人間の体が耐えられなかったのである。
万能と言われる力を持つ悪魔をもってしても、人の命を伸ばす術はなかった。あるいはこの世界のどこかには存在していたのかもしれない。だが、悪魔はその方法に興味を抱いたことさえなかった。人間の命は搾取するものであって、伸ばすものではなかったから。こんな愚かな生き物は早く滅んでしまえば良いとすら思っていた。
悪魔は、女性の命を繋ぎ止める方法を必死に探し始めた。彼女に出会うまで、自分にできないことなど何一つないと思っていた。大間違いだった。初めて見つけた願いの前に、万能だったはずの悪魔は無力でしかなかった。
「永遠などいらない。其方を先に逝かせねばならぬのなら」
ある時悪魔はそう吐き捨てた。ヤケになっていたのかもしれない。愚かで短命な人間をずっと馬鹿にしていた。それをこれほど羨ましく思う日が来るとは想像もしなかった。
「私はその永遠が欲しい。それがあれば貴方と共にいられるから」
それだけ言って、女性はすぐに眠ってしまった。悪魔の力をもってすれば、女性の命の灯火がまだ消えていないことはすぐにわかる。それなのに悪魔は叫び出したい衝動に駆られた。
このまま永遠に目を開かないのではないか。あの愛らしい瞳を見ることは二度と叶わないのではないか。そう不安になったのである。
翌朝、おはようございます、と微笑んだ彼女を見た悪魔は、目から透明な液体が出たことに驚いた。頬を伝って口に入った水は、海の水と似た奇妙な味がした。
「どうして泣いてるの?」
彼女に言われて、悪魔はそれが涙だと知った。悪魔も人間と同じように泣けるのだと驚いた。
「人間の世界では、流れ星を見ると願いが叶うと言われてるの」
一体なぜそんな話になったのだっただろうか。思い出せないが、悪魔は一縷の希望を見出した。流れ星を二人で見ることさえできれば、この先も彼の最愛と共に過ごせるかもしれない。そう思ったのである。
悪魔は流れ星を見るために走り回った。見下していた人間に頭を下げ、敬語を使い、教えを乞うた。そこまでしても、ほとんどの人間は何も知らなかった。「よそものだから」と質問さえさせてくれない人もいた。
以前の悪魔なら怒りにまかせて人間を殺しただろう。しかし、今の彼はそうはしなかった。礼を言い、別の人間に尋ねるために立ち去った。彼の最愛以外に割く時間はなかった。そんな僅かな手間さえ惜しかった。ただ、彼女を助けたくて仕方がなかった。
悪魔の努力は実を結んだ。人間の中では有名らしい予言者が、ひと月後には流れ星が見られると教えてくれた。悪魔は涙を流して予言者の手を握った。何度も感謝の言葉をくりかえす。悪魔が流れ星について尋ねた人間たちが、口々に祝いの言葉をかけた。予言者は、神のご加護を、と悪魔に告げて去っていった。
神は、悪魔とよく似ているようで最も遠い存在である。加護が与えられるはずもなかったが、悪魔は初めて神に感謝した。
「ひと月だ。あとひと月で流れ星が見れるぞ! 近所のあの丘なら綺麗に見えるだろうと人間が言っていた」
興奮気味の悪魔に、床に伏している女性は久しぶりに笑顔を見せた。
「ありがとう。ずっと探してくれてたのね」
静かに微笑んで、礼を言ったきり女性は何も言わなかった。それどころか、寝返りを打って、悪魔とは反対の方向を向いてしまう。時折肩が震えていた。
ようやく願い事を叶えることができるのだ。もっとはしゃぐものだと思った悪魔は困惑する。体調が悪いのかと悪魔は心配したが、彼女は顔を背けたまま首を振るばかりだった。
その晩、女性の病状は急激に悪化した。悪魔は彼女の手を握り、何度も名前を呼んだ。ありったけの愛の言葉を叫び、死ぬなと縋りつく。
神は無情だった。女性はほどなくして息を引き取った。
それ以来、悪魔は毎晩星を見るようになった。
「人は死んだら星になるのよ」
彼の最愛がいつか口にした、その一言だけが今の悪魔の心の拠り所だった。彼女に出会う前ならくだらないと一蹴したであろう迷信が、今にも折れそうな心を何とか支えている。
不意に、一筋の光が空を流れた。一瞬で消えた光を、悪魔は最初見間違えたのだと思った。
少し考えて悪魔は気づいた。あれこそが、ずっと焦がれ続けてきた流れ星だと。
彼女が逝ってしまった今、もう願うことはない。だが、不思議と悪魔の目は流れ星に惹きつけられた。
「心残りがあるとするなら、貴方と流れ星を見れなかったこと」
死の直前、女性は息も絶え絶えに言った。震えながら悪魔の手を握り返す。悪魔は一層手に力を込めた。彼女を壊してしまわないように、最大限の注意を払いながら。
「流れ星が見れたら何を願ったのだ。身体が癒えるようにか。永遠の命を得られるようにか」
女性は悪魔の問いに、いいえ、と静かに首を振った。
「私が逝った後も貴方が笑えるように」
「其方がいなくては笑えぬ」
間髪いれずに入った否定に、女性は苦笑した。困った人ね、と細められた目が語っていた。
「では、貴方にとって刹那でしかない私との思い出が永遠になるように」
悪魔は首を傾げた。彼の最愛は時々、悪魔にはわからない人間の考えを口にする。
「決して私を忘れないで。貴方が忘れない限り、私は貴方の中で生き続けます」
色鮮やかに思い出される女性の笑顔、声、匂い。悠久の時を生きてきた悪魔であるが、これほどまでに深く記憶に刻みつけられたものはない。
「其方の願い事を叶えてやろう」
空に向かって一人呟く。瞬く無数の星。あの星に向かって話しかければ、きっと彼女にも声が届くだろうから。
「其方に永遠の命を与える」
あの日、あの時、そう言ってやれば良かった。彼女はどんな顔をしただろうか。嬉しそうに笑っただろうか、安心して泣いただろうか。今となってはわからない。
「永遠の時を、我の最期まで共に」
誓いの言葉はすぐに暗闇に溶けた。悪魔は踵を返すと、丘を後にした。足取りは迷いなく、確かなものだった。彼は一度も振り返らなかった。
人影がなくなった丘を、優しい星明かりが変わらず照らしている。その無数の小さな光の中に、一つ、一際明るく輝く星があった。悪魔はついに、それには気づかなかった。
真砂なす数なき星のその中に吾に向ひて光る星あり/正岡子規
丘の上に男が一人佇んでいる。夜闇に紛れてしまいそうな黒づくめの服装に黒い髪、目だけが爛々と赤く光っている。頭には立派な角が生えていた。角の先は槍のように尖り、鈍く光を反射している。この角で貫かれた日には、どんな生き物も無事ではいられないことであろう。
男は勿論人間ではない。悪魔であった。それも、今まで何十人もの魂を喰らい、何百人、何千人の命を奪った残虐な悪魔である。しかし、丘の麓にある人間の集落に、悪魔は興味すら示さなかった。
彼はただ空を見上げていた。彼の唯一であり最愛の女性を頭に思い浮かべながら、静かに何かを待っていた。
悪魔の最愛は人間の女性であった。悪魔との契約を望んだ愚かな人間が、生贄として差し出したのがその女性である。彼女の姿を一目見た瞬間に、悪魔は恋というものを理解した。悪魔がこの世界に存在を得てから数千年、あれほど心が動かされたことは他になかった。
悪魔は女性を妻として迎えた。彼女を生贄にするような術者は、あっさりと殺してしまった。悪魔に怯えていた女性も、ひたむきな悪魔にいつしか恋をした。二人に降りかかった奇跡のような幸福だった。
しかし、彼女はほどなくして床に伏してしまった。普通に暮らしているだけでも、悪魔の強すぎる魔力は漏れ出てしまう。それに人間の体が耐えられなかったのである。
万能と言われる力を持つ悪魔をもってしても、人の命を伸ばす術はなかった。あるいはこの世界のどこかには存在していたのかもしれない。だが、悪魔はその方法に興味を抱いたことさえなかった。人間の命は搾取するものであって、伸ばすものではなかったから。こんな愚かな生き物は早く滅んでしまえば良いとすら思っていた。
悪魔は、女性の命を繋ぎ止める方法を必死に探し始めた。彼女に出会うまで、自分にできないことなど何一つないと思っていた。大間違いだった。初めて見つけた願いの前に、万能だったはずの悪魔は無力でしかなかった。
「永遠などいらない。其方を先に逝かせねばならぬのなら」
ある時悪魔はそう吐き捨てた。ヤケになっていたのかもしれない。愚かで短命な人間をずっと馬鹿にしていた。それをこれほど羨ましく思う日が来るとは想像もしなかった。
「私はその永遠が欲しい。それがあれば貴方と共にいられるから」
それだけ言って、女性はすぐに眠ってしまった。悪魔の力をもってすれば、女性の命の灯火がまだ消えていないことはすぐにわかる。それなのに悪魔は叫び出したい衝動に駆られた。
このまま永遠に目を開かないのではないか。あの愛らしい瞳を見ることは二度と叶わないのではないか。そう不安になったのである。
翌朝、おはようございます、と微笑んだ彼女を見た悪魔は、目から透明な液体が出たことに驚いた。頬を伝って口に入った水は、海の水と似た奇妙な味がした。
「どうして泣いてるの?」
彼女に言われて、悪魔はそれが涙だと知った。悪魔も人間と同じように泣けるのだと驚いた。
「人間の世界では、流れ星を見ると願いが叶うと言われてるの」
一体なぜそんな話になったのだっただろうか。思い出せないが、悪魔は一縷の希望を見出した。流れ星を二人で見ることさえできれば、この先も彼の最愛と共に過ごせるかもしれない。そう思ったのである。
悪魔は流れ星を見るために走り回った。見下していた人間に頭を下げ、敬語を使い、教えを乞うた。そこまでしても、ほとんどの人間は何も知らなかった。「よそものだから」と質問さえさせてくれない人もいた。
以前の悪魔なら怒りにまかせて人間を殺しただろう。しかし、今の彼はそうはしなかった。礼を言い、別の人間に尋ねるために立ち去った。彼の最愛以外に割く時間はなかった。そんな僅かな手間さえ惜しかった。ただ、彼女を助けたくて仕方がなかった。
悪魔の努力は実を結んだ。人間の中では有名らしい予言者が、ひと月後には流れ星が見られると教えてくれた。悪魔は涙を流して予言者の手を握った。何度も感謝の言葉をくりかえす。悪魔が流れ星について尋ねた人間たちが、口々に祝いの言葉をかけた。予言者は、神のご加護を、と悪魔に告げて去っていった。
神は、悪魔とよく似ているようで最も遠い存在である。加護が与えられるはずもなかったが、悪魔は初めて神に感謝した。
「ひと月だ。あとひと月で流れ星が見れるぞ! 近所のあの丘なら綺麗に見えるだろうと人間が言っていた」
興奮気味の悪魔に、床に伏している女性は久しぶりに笑顔を見せた。
「ありがとう。ずっと探してくれてたのね」
静かに微笑んで、礼を言ったきり女性は何も言わなかった。それどころか、寝返りを打って、悪魔とは反対の方向を向いてしまう。時折肩が震えていた。
ようやく願い事を叶えることができるのだ。もっとはしゃぐものだと思った悪魔は困惑する。体調が悪いのかと悪魔は心配したが、彼女は顔を背けたまま首を振るばかりだった。
その晩、女性の病状は急激に悪化した。悪魔は彼女の手を握り、何度も名前を呼んだ。ありったけの愛の言葉を叫び、死ぬなと縋りつく。
神は無情だった。女性はほどなくして息を引き取った。
それ以来、悪魔は毎晩星を見るようになった。
「人は死んだら星になるのよ」
彼の最愛がいつか口にした、その一言だけが今の悪魔の心の拠り所だった。彼女に出会う前ならくだらないと一蹴したであろう迷信が、今にも折れそうな心を何とか支えている。
不意に、一筋の光が空を流れた。一瞬で消えた光を、悪魔は最初見間違えたのだと思った。
少し考えて悪魔は気づいた。あれこそが、ずっと焦がれ続けてきた流れ星だと。
彼女が逝ってしまった今、もう願うことはない。だが、不思議と悪魔の目は流れ星に惹きつけられた。
「心残りがあるとするなら、貴方と流れ星を見れなかったこと」
死の直前、女性は息も絶え絶えに言った。震えながら悪魔の手を握り返す。悪魔は一層手に力を込めた。彼女を壊してしまわないように、最大限の注意を払いながら。
「流れ星が見れたら何を願ったのだ。身体が癒えるようにか。永遠の命を得られるようにか」
女性は悪魔の問いに、いいえ、と静かに首を振った。
「私が逝った後も貴方が笑えるように」
「其方がいなくては笑えぬ」
間髪いれずに入った否定に、女性は苦笑した。困った人ね、と細められた目が語っていた。
「では、貴方にとって刹那でしかない私との思い出が永遠になるように」
悪魔は首を傾げた。彼の最愛は時々、悪魔にはわからない人間の考えを口にする。
「決して私を忘れないで。貴方が忘れない限り、私は貴方の中で生き続けます」
色鮮やかに思い出される女性の笑顔、声、匂い。悠久の時を生きてきた悪魔であるが、これほどまでに深く記憶に刻みつけられたものはない。
「其方の願い事を叶えてやろう」
空に向かって一人呟く。瞬く無数の星。あの星に向かって話しかければ、きっと彼女にも声が届くだろうから。
「其方に永遠の命を与える」
あの日、あの時、そう言ってやれば良かった。彼女はどんな顔をしただろうか。嬉しそうに笑っただろうか、安心して泣いただろうか。今となってはわからない。
「永遠の時を、我の最期まで共に」
誓いの言葉はすぐに暗闇に溶けた。悪魔は踵を返すと、丘を後にした。足取りは迷いなく、確かなものだった。彼は一度も振り返らなかった。
人影がなくなった丘を、優しい星明かりが変わらず照らしている。その無数の小さな光の中に、一つ、一際明るく輝く星があった。悪魔はついに、それには気づかなかった。
真砂なす数なき星のその中に吾に向ひて光る星あり/正岡子規
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
大事な婚約者が傷付けられたので全力で報復する事にした。
オーガスト
恋愛
イーデルハイト王国王太子・ルカリオは王家の唯一の王位継承者。1,000年の歴史を誇る大陸最古の王家の存亡は彼とその婚約者の肩に掛かっている。そんなルカリオの婚約者の名はルーシェ。王国3大貴族に名を連ねる侯爵家の長女であり、才色兼備で知られていた。
ルカリオはそんな彼女と共に王家の未来を明るい物とするべく奮闘していたのだがある日ルーシェは婚約の解消を願い出て辺境の別荘に引きこもってしまう。
突然の申し出に困惑する彼だが侯爵から原因となった雑誌を見せられ激怒
全力で報復する事にした。
ノーリアリティ&ノークオリティご注意
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる