残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~

日和崎よしな

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第一章 学院編

第43話 レイジー・デント②

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「よろしくねー」

 純度の高い笑顔を浮かべ、両手をせわしなく振ってくる。こうして愛嬌あいきょうを振りまいて得た人気が先ほどの歓声を生み出したのだろう。
 もちろん、生徒会長というからには実務面でも成果を挙げて人望を得ているに違いない。俺はこれほどまでにカリスマ性のある人間には遭ったことがなかった。

『なお、この試合では黒の領域から出たら場外負けとなります。それでは、試合開始!』

「あ、言い忘れていたけれど、レイジーと戦うからには、怪我の一つや二つは覚悟してね」

 レイジーはそう言ってウィンクを一つ投げてよこした。

「相手に怪我をする覚悟を求める以上、あんたも俺に怪我をさせられる覚悟があるんだよな?」

「わざわざ警告してくれるなんて優しいね。君の事はすんごいゲスだって聞いているけれど、レイジーの見立てでは、本気の敵意を向けなければ必要以上の攻撃はしてこない。でも、君がこの魔導学院に来てから日は浅く、少ない観測量で君の性質を断定することは危険。だからね、レイジーはね、この闘いには死ぬ覚悟すら持って臨んでいるんだよ」

 レイジーは目と口を閉ざし、一度微笑ほほえんで、そしてゆっくりと腕を前に伸ばす。ピンと伸びた腕の先には、ピンと伸びた人差し指があった。

 瞬間、強烈な光線が放たれる。
 光源たる指先から直進してくるそれは、俺の知る限り最高速の直進であり、人間には初めから線が生まれたようにしか見えない。
 光の線は俺の右太腿ふとももの前でカクッと折れ、俺の右後方で黒い壁に吸い込まれていた。

 俺は密度を変えた空気の層を、角度をつけて正面に設置していた。
 俺はレイジーの魔法が光の発生型だと確信していたのだ。
 この黒い空間から出たら場外で失格になるということは、黒い壁は人間が通り抜けられるということ。それでいてレイジーの魔法を無力化できる。つまり、黒い壁もレイジーの魔法も実体がないということ。
 それから、一度真っ暗になってから空間内に光がともったということは、黒い空間の内部にその魔法を使った者がいるということであり、その魔法使いがレイジーということだ。

「へぇー。レイジーの攻撃を防いだのは君で三人目だよ」

 レイジーの口調からは純粋な驚きがうかがえるが、動揺は微塵みじんも感じられなかった。

「三人って、結構いるんだな」

「うん。でもね、初見で防いだのは君が初めてだよ」

 ちょっと嬉しくなった。
 だが浮かれてはならない。それがレイジーの心理的戦略かもしれない。
 さっき彼女の口から俺のプロファイリングが語られたとき、明らかにいままでの魔導師とは異なると確信した。
 何が違うか。
 それは頭脳だ。鋭い洞察力がある。
 きっと、魔法の応用力も相応なのだろう。

「たしかに俺じゃなかったら怪我をしていたな。当たったらどれくらい痛いんだ?」

「ちょっと火傷するくらいかな」

「なんだ、大したことないな。それでルーレ・リッヒより強いのか?」

 レイジーは俺の挑発的な言動に、眉を八の字にして乾いた笑いをこぼした。

「火傷で済むのは威力を抑えているからだよ。最大出力なら鋼板に穴が開くくらいの威力はあるけれど、それを人に撃つと殺しちゃうからね。だから、レイジーの光線が急所を捉えたら降参してくれるかな?」

「もし俺が意地でも降参しなければ、あんたは俺を殺すのか?」

 レイジーは目を見開くと、すぐに目を伏してあごに手を当ててうなった。

「うーん、そうだなぁ。四肢に穴を開けて審判に判定勝ちをもらうかな。あ、でもね、そうやって光を屈折させられると、図らずも心臓とか頭を貫いちゃうかもしれないけれど、それでもいいの? ねえ、エスト君、急所を火傷したら降参するか、審判が判定を下すまで命がけで戦うか、どちらか決めてくれないかな?」

 レイジーが言った「命がけで」という言葉は、もしもレイジーが最大出力で戦うのなら、俺も彼女を殺す気で戦っていいということを意味するのだろう。
 べつに俺は彼女を殺したいわけではない。
 逆に、俺を殺してしまうかもしれないという不安で彼女が実力を発揮できないことを望まない。
 俺はゲスだが、攻撃対象には一定の基準があって、無差別に手をかけたりはしない。それは彼女が俺を分析したとおりだ。

「分かった。もし俺が体のどこかを火傷すれば、俺の負けでいい」

「へぇー。体のどこかって、指先でもいいってこと? すごい自信だね」

「ああ。俺はあんたのレーザーには絶対に当たらない。だからあんたが最大出力で挑んできても問題はないが、出力を抑えたほうが体力を消耗しないんだろ?」

「つまり、レイジーが勝ちやすい条件を提示してくれたってことだね。レイジーは君が挑戦者だと勝手に思っていたけれど、君はレイジーが挑戦者だと思っているみたいだね。レイジー、認識を改めなきゃだ。もちろん、これはトーナメントの決勝戦だから、実際にどちらが挑戦者ってわけでもないんだけれどね」

「うーん。要約すると、本気を出すってことでいいか?」

「そのとおりだよ。君の常勝記録を終わらせるから、覚悟してねってこと。それじゃ、いくよ!」

 レイジーが両手を前に素早く伸ばした。昔のホラー映画で見たキョンシーみたいに、両の手を指先までピンと伸ばしている。
 その白く細い可憐な十本の銃口から、いっせいに光線が発射される。
 レイジーがピアノを演奏するみたいに指を躍らせる。
 黒で囲まれた空間内をネオンボールさながらに光線が走りまわる。

「えーっ、どうなってるのー?」

 光線はすべて俺に届くことはなかった。俺の二層構造の濃密空気バリアは、いかなる角度から光が飛んできても、すべて完全に別方向へと飛ばしてしまう。

 だから本当は俺とレイジーは互いの姿を見ることができない。

 観客は気づいていないだろうが、俺とレイジーは互いの姿が見えない状態で戦っている。光が届かないのだから、そこにあるものを人間は視認することはできない。

 しかしいま、お互いがどんな姿勢で立っているか、どんな表情をしているか、閉ざされた目蓋の色まではっきりと認識している。
 それはなぜか。
 簡単なことだ。目を閉じることによって、キサン先生の魔術により黒空間内を観戦することができるのだ。
 闇のとばりに覆われた内部を見られるのなら、それは光を介さない視認方法であり、正確な物質情報と位置情報を認識することができる。例えるならば、赤外線カメラのようなもの。

 俺はそういう抜け道をレイジーに気づかれないよう二重バリアを張ってから目を閉じたわけだが、俺の姿が見えなくなるや、すぐさま目を閉じたところは称賛に値する。

「カクッて曲がるよね。重力ではなさそう。水や氷があれば見えるはずだし、キサン先生の魔術ですら見えないってことは、元々見えないものなのかも。てことは……うん、あれか。レイジー、エスト君の魔法が何なのか、ようやく分かったよ。空気の操作型だよね?」

 おっと、一発で言い当てられてしまった。これで俺が空気の操作型魔導師だということが周知の事実となってしまったわけだ。
 それにしても、彼女の洞察力は見事というほかない。ローグ学園の理事長もかなり近いところまで特定していたが、ズバリ空気の操作型と言い当てられたのはこれが初めてだ。

「お見事。あんたのことは称賛に値する。だが、あんたは俺に決定的な攻撃を加えたことを自覚したほうがいい。それも、俺のゲス心をあおるほどのな。俺が情報的優位のために隠し通してきたことを、俺の魔法が空気の操作型であるということを、あんたは公の場で知らしめてしまった。極刑に値する」

「値踏みが好きなのかな? 君は商人か何かかな?」

 こいつ、俺を煽ってきている。
 命知らずにも程がある。
 いや、いまの発言が命知らずのものだと思い知らせてやる必要がある。

「よろしい。レイジー・デント、俺の本気が見たいなら見せてやろう」

 レイジーの周囲の空気を固めた。そしてそれを動かす。
 レイジーのひじが曲がり、手が首元に添えられる。そして折れ曲がる指がそこにある肉柱を絞めはじめる。

「うぅ……」

 はじめはレイジーの腕があらがおうとしていた。それは空気を操作する際の抵抗感で分かる。
 だが、少しして抵抗は消えた。諦めたのかと思ったが、違った。

 突如、レイジーの周囲の空間に四点ほどの光源が発生したかと思うと、そこから強烈な光線が無数に放たれた。
 それは俺の方へではなく、レイジー自身へ飛んだ。直撃はせず、かすめるような至近距離を通りすぎる。

「成功!」

 レイジーが空気の拘束から抜け出して駆け出した。

「ほう……」

「鋼板に穴を開けられるほどの光が、空気を蹴散らすくらいできないはずがないでしょ?」

 ということは、俺の空気のバリアも強引に突き破ることができるということ。
 もしレイジーが俺を本気で殺しにきたら……。

「どうかな。あんたを拘束していた空気の層は薄かったが、俺のバリアはぶ厚いぜ」

「それ、ハッタリだよね? 分厚いのが事実でも、それが鋼より硬いわけがない。白のオーラで固めた空気ならともかく、人ひとりの想念でそこまでエレメントを支配できないよ」

「そうなのか。それは勉強になった」

 四つの光源がレイジーの前方に移動し、一点に固まった。強烈な一撃を放つつもりだ。俺の空気のバリアなんて全力で固めていても吹き飛ぶくらいの特大ビームを放つつもりだ。

「四秒」

「ん?」

「それがその光源からレーザーを放つまでの時間だ」

 もう猶予はない。
 俺は固めるのを断念した空気でレイジーの背中を押した。
 レイジーが前方へよろけ、光源へと突っ込む。
 レイジーはとっさに光源を消した。
 空気を固めていないのでレイジーにダメージはないが、レーザーの源を消させることには成功した。

「三秒」

「やるね。今度は何の時間?」

「あんたが光源を創りだす時間だ」

 三秒の間隔を開けることなく攻撃しつづける。それができればレイジーには攻撃ができないはずだ。

 今度は即座に空気を塊にしてレイジーに打ち込む。
 左の脇腹にヒット。レイジーが少し浮いてから地に倒れた。

「エスト君、火傷したら降参だからね!」

 突如、眼前を光線が横切った。

「バリアの内側に光を発生させたのか!」

「嘘つき。バリア三層じゃないの」

 最初の光の屈折を見て、バリアがどの位置に張ってあるかを見ていたようだ。
 レイジーの言うとおり、バリア内部に光を発生させられたときの保険として二重バリアの内側に、さらにバリアを張っていた。
 ただしそれも二重バリア。つまり合計で四重のバリアだ。
 だが外から三層以上バリアの内側に光を発生させられたら防ぎきれない。

「出力が低ければノータイムで光線を撃てるわけか。こりゃ一秒の余裕も与えられねえな」

「間隔一秒以内の連続攻撃なんて、君のイメージが追いつくの?」

「連続攻撃をする必要はない。攻撃は一回でいい」

 俺はイメージの範囲を広げ、会場全体の空気を一気に動かす。
 正面からレイジーに暴風を送り込む。

「風! レイジーを場外に押し出そうってことね!」

 レイジーは踏ん張っている。
 しかし目を閉じて魔術による俯瞰ふかんで状況を視認しているいま、彼女自身のバランス感覚は極めて落ちているといえる。それに耐えるには目を開けて地面を直接視認すべきだ。

 レイジーは両腕を自身の眼前で横に構えた。目を開くために顔への風を遮っているのだ。
 このまま風を強くして場外へ押し出せば俺の勝ちだ。

「まだ、終わらないよ!」

 レイジーのひじから光線が真下に射出される。穴の開いた地面に自分の足を突っ込み、風に飛ばされないようにした。
 さっきのバリア内への攻撃といい、どうやら指先や光源に限らず、どこからでも光線を発せられるのか。
 いや、何らかの制約はあるはずだ。おそらく、固体から気体のある方向へ。生体からは自身のみ。それが条件だろう。
 リングを覆う黒い壁からは光を出せないし、空気中に光源を作らずに光線を出すこともできない。敵の体からも光を出せない。

 しかし、リングから光線を発せられるのであれば、いまの俺は危機的状況だ。いつバリアの内側へ光を撃ち込まれてもおかしくない。さっきみたいに。
 俺は空気を操作して自身の体を浮かせた。そして足元にも空気の二重バリアを張り、完全に全方位からの攻撃に備えた。

「風が、やんだ……。どうやらあきらめたようね。レイジーを場外に出すためにはレイジーの体を持ち上げないといけないけれど、そんな空気は光で蹴散らせる。そしてそのバリアも、今度は撃ち抜くよ」

 レイジーが腕を下ろし、再び目を閉じた。
 もうバリアの内側に光線を出現されることはないだろうが、さっきの光源を創られ、ビームを撃たれたら俺は負ける。

「違うな、レイジー・デント。準備が終わったんだ。あんたはいまのが攻撃だと思ったのか? あれはな、あんたが光源を創ったのと同じで、攻撃の一手順にすぎない」

「……まさか!」

 レイジーはとっさに振り返り、両手からありったけのビームを放つ。光源を創らず放ったそれは俺の空気の濃密な塊を消し去ることはできなかった。

「そのまさかは、どのまさかだァッ⁉」

 俺は指をパチンと弾いた。それは単なる格好つけではない。空気を極限まで拘束している自分の意識を一瞬で解放するための自分への合図だ。

 瞬間、圧縮に圧縮を重ねていた空気の塊が開放され、大爆発が起こった。
 レイジーは俺の隣を光のような速さで飛んでいき、黒い幕の外側にある会場の壁へと激突した。

「決着!」

 俺の宣言を聞いてもなお、実況のミドセラは言葉を失ったままだった。
 そういえばこいつ、実況していたか? 黒い幕内には声が届かなかっただけなのか。

「おい、ミドセラ!」

「え、えっと、決着です! 勝者、ゲス・エスト選手。それよりも、会長は大丈夫でしょうか。すごい勢いで壁に激突していましたが……」

「ふん。安心しろ。緩衝かんしょう空気層で覆っておいた。死んではいまい」

 俺はそれ以上何も告げず、騒然とする会場を後にした。
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