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嘘吐き
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がやがや......。
クロエ「ひまねえおいてきちゃったけど大丈夫かな?」
「ひまりちゃんなら大丈夫でしょ。なんせあのひまりちゃんだよ?」
そう隣で話しかけてきているのはクロエの友達のようで実際何なのかわからないでいる親友だ。
クロエ「ひまねえってどこか抜けてるんだよね。」
「ほうほう。それでいて実のところはちゃんとしている、と。」
クロエ「いちちゃんほどではないけどね。」
この娘の名前は夜市よいち。
夜市「いやーそんな褒めてもなんも出ないよ?」
ごそごそと鞄をあさる夜市。
クロエ「いやいや......なんか出そうとしなくていいから。」
夜市「まあまあこれでも舐めて落ち着きなよ?」
すっとペロリンキャンディを出してきた。
素直に受け取っとくか。
クロエ「ぺろっ・・・イチゴ味だ。なんで今の気分分かったの?たまたま?」
指の間に4本のペロリンキャンディを刺してこう答えた。
夜市「これが私の能力、名付けて・・・『見上げた相手はパスをする』!!」
クロエ「はあ・・・?見上げた相手・・・って私夜市のこと見上げてないし。」
夜市「まずこの能力の発動条件を説明しよう!この能力は相手がこちらより何かの数値が下の時に発現する!今の場合クロエは今日上った階段の数が一つ低かった!」
クロエ「はいはい。能力説明書にそう書いてあったんだね。わかるとも。」
夜市「能力説明書??私以外に能力を発現させし者がいようとは・・・!」
メガネをクイっとさせながら真剣な眼差しで言い放った。
クロエは鞄から紙を取り出して渡して言った。「これ」
夜市「大雀蜂は3度刺すぅ?なんて中二心をくすぐる能力だ。」
クロエ「違う違う。ほんとにあるんだってば。このまえ・・・。」どんっ!
「あっ、すいやせんwwwじゃwww」
いらっ!
「うっ・・・ぐ・・・」ばたん
夜市「大丈夫ですか??。!!。し、死んでる・・・。」
クロエは・・・逃げやがった!
夜市「ちょっと、待ってよ!クロエ!」
クロエ「普通に逃げないと・・・つかまっちゃうよ・・・。」
夜市(ははーん?これはドッキリってやつですな?)
クロエ「またやっちゃった・・・これで3人目・・・。」
夜市「クロエ!ドッキリだ?」
クロエ「ドッキリ・・・?」
夜市「でしょ?ドッキリ。」
クロエ「ドッキリ。そっかぁ。ドッキリだったのか。なるほどね?」
夜市(ふふふwドッキリって仕掛けられたの初めてw)
クロエ「でも、だったら先生は・・・?」
クロエ(落ちない・・・記憶が落ちていかない・・・)
夜市「......だよね。んで......ってわけよ。」
クロエは話を聞くことすらままならないまま家路についた。
今日の昼 12:30
ひまり「学校さんは久しぶりですね。智夜ちゃん・・・はお見舞いに来てくれたので会ってました。では、今日挨拶すべきは・・・むむむ・・・。」
姉の思考は誰にも嫌われずにどうやって過ごすかに割いている。
実際、誰にも嫌われてはいないしむしろ好感度爆上げ状態なのを本人は気付いていない。
このままいくと百合展開になりそうなくらい周りに好かれている。
ひまり(そういえば後ろの席・・・え~と名前は・・・)
「おっす。ひまちゃん。ずいぶんと久しぶりだねえ。元気?」
ひまり「鈴見すずみだ!!」
鈴見「おわっ!いきなりなんだよう。びっくりするじゃないか。」
ひまり「いっいえ、なんでもなくて・・・鈴見ちゃんはいかがお過ごしですか?」
鈴見「えっ?いかがって学校にいるよ?」
ひまり「そ、そうでしたね。少し散歩しませんか?」
鈴見「?。いいけどぉ?」
歩いていくのはいいものの話題がない。
ひまり「・・・・・・」
鈴見「・・・・・・・・・・・・」
ひまり&鈴見「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
とうとう校舎裏まで来てしまった。
鈴見「しっ。だれかいる。」
「お前の能力は『記憶改変』だ。」
ぐさり。女の子の後ろから”なにか”を刺した。
ひまり「!!!。きゃっ・・・。」
思わずらしくない声を上げてしまった。
鈴見「まって!あんたどっから・・・あれいない?」
「・・・・・・」
刺された女の子はぐったりと寝そべっていた。
その手には
『私の能力記憶改変(この証拠の通り動く)は証拠を先取り(捏造)してその通りにこうどうさせるという。』
と書かれた紙が落ちていた。
「う、ん......。」
ひまり「大丈夫ですか??」
「だいじょうぶ・・・と思う。」
鈴見「今の奴許せないねぇ・・・。後ろから刺すなんて。とりま保健室いこお?」
「はい......。あっ!」
鈴見「えっ?」
ぐさり。
草陰から出てきた男に背中を刺された。
「お前の能力は『この世に一つの箱庭』だ。」
ぐらっ、ばたん。次に目が覚めたのは保健室だった。
ひまり「大丈夫ですか??いきなり気を失ったようですが・・・?」
鈴見「ひまちゃんにはそう見えてたのぉ?」
ひまり「はい......」
保険医「見たところ軽い貧血みたいだから気にしなくてもいいわよ。」
ひまりは鈴見の様子”だけ”を見て帰っていった。
がさごそ。
鞄を漁りながらふと考えた。
鈴見「そういえばあ、あの時いた女の子って?」
鞄から出てきたのは『能力代理人より』と書かれた手紙だった。
ひまり「あと話しかけてないのは・・・。」
クラスメイトにあらかた話しかけ終わって席に戻った。
「そういえばさ、聞いた?」
「なになに?」
クラスメイトの噂話が聞こえる。
「新條さんが刺されたらしいよ。なんでも帰ってる途中で襲われたって。」
「新條って隣のクラスの?」
「そうそう。なんか近くに紙が落っこちててそれを大事そうに引き出しにしまってたらしいよ。」
「新條の引き出しに?」
「いや。入院してる病院の棚の引き出しだって。」
ひまり(最近物騒になってきましたね・・・。)
新條「『噓付き能力を嘘にする』か。」
病院の窓から見える景色に手を伸ばしながら呟いた。
クロエ「ひまねえおいてきちゃったけど大丈夫かな?」
「ひまりちゃんなら大丈夫でしょ。なんせあのひまりちゃんだよ?」
そう隣で話しかけてきているのはクロエの友達のようで実際何なのかわからないでいる親友だ。
クロエ「ひまねえってどこか抜けてるんだよね。」
「ほうほう。それでいて実のところはちゃんとしている、と。」
クロエ「いちちゃんほどではないけどね。」
この娘の名前は夜市よいち。
夜市「いやーそんな褒めてもなんも出ないよ?」
ごそごそと鞄をあさる夜市。
クロエ「いやいや......なんか出そうとしなくていいから。」
夜市「まあまあこれでも舐めて落ち着きなよ?」
すっとペロリンキャンディを出してきた。
素直に受け取っとくか。
クロエ「ぺろっ・・・イチゴ味だ。なんで今の気分分かったの?たまたま?」
指の間に4本のペロリンキャンディを刺してこう答えた。
夜市「これが私の能力、名付けて・・・『見上げた相手はパスをする』!!」
クロエ「はあ・・・?見上げた相手・・・って私夜市のこと見上げてないし。」
夜市「まずこの能力の発動条件を説明しよう!この能力は相手がこちらより何かの数値が下の時に発現する!今の場合クロエは今日上った階段の数が一つ低かった!」
クロエ「はいはい。能力説明書にそう書いてあったんだね。わかるとも。」
夜市「能力説明書??私以外に能力を発現させし者がいようとは・・・!」
メガネをクイっとさせながら真剣な眼差しで言い放った。
クロエは鞄から紙を取り出して渡して言った。「これ」
夜市「大雀蜂は3度刺すぅ?なんて中二心をくすぐる能力だ。」
クロエ「違う違う。ほんとにあるんだってば。このまえ・・・。」どんっ!
「あっ、すいやせんwwwじゃwww」
いらっ!
「うっ・・・ぐ・・・」ばたん
夜市「大丈夫ですか??。!!。し、死んでる・・・。」
クロエは・・・逃げやがった!
夜市「ちょっと、待ってよ!クロエ!」
クロエ「普通に逃げないと・・・つかまっちゃうよ・・・。」
夜市(ははーん?これはドッキリってやつですな?)
クロエ「またやっちゃった・・・これで3人目・・・。」
夜市「クロエ!ドッキリだ?」
クロエ「ドッキリ・・・?」
夜市「でしょ?ドッキリ。」
クロエ「ドッキリ。そっかぁ。ドッキリだったのか。なるほどね?」
夜市(ふふふwドッキリって仕掛けられたの初めてw)
クロエ「でも、だったら先生は・・・?」
クロエ(落ちない・・・記憶が落ちていかない・・・)
夜市「......だよね。んで......ってわけよ。」
クロエは話を聞くことすらままならないまま家路についた。
今日の昼 12:30
ひまり「学校さんは久しぶりですね。智夜ちゃん・・・はお見舞いに来てくれたので会ってました。では、今日挨拶すべきは・・・むむむ・・・。」
姉の思考は誰にも嫌われずにどうやって過ごすかに割いている。
実際、誰にも嫌われてはいないしむしろ好感度爆上げ状態なのを本人は気付いていない。
このままいくと百合展開になりそうなくらい周りに好かれている。
ひまり(そういえば後ろの席・・・え~と名前は・・・)
「おっす。ひまちゃん。ずいぶんと久しぶりだねえ。元気?」
ひまり「鈴見すずみだ!!」
鈴見「おわっ!いきなりなんだよう。びっくりするじゃないか。」
ひまり「いっいえ、なんでもなくて・・・鈴見ちゃんはいかがお過ごしですか?」
鈴見「えっ?いかがって学校にいるよ?」
ひまり「そ、そうでしたね。少し散歩しませんか?」
鈴見「?。いいけどぉ?」
歩いていくのはいいものの話題がない。
ひまり「・・・・・・」
鈴見「・・・・・・・・・・・・」
ひまり&鈴見「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
とうとう校舎裏まで来てしまった。
鈴見「しっ。だれかいる。」
「お前の能力は『記憶改変』だ。」
ぐさり。女の子の後ろから”なにか”を刺した。
ひまり「!!!。きゃっ・・・。」
思わずらしくない声を上げてしまった。
鈴見「まって!あんたどっから・・・あれいない?」
「・・・・・・」
刺された女の子はぐったりと寝そべっていた。
その手には
『私の能力記憶改変(この証拠の通り動く)は証拠を先取り(捏造)してその通りにこうどうさせるという。』
と書かれた紙が落ちていた。
「う、ん......。」
ひまり「大丈夫ですか??」
「だいじょうぶ・・・と思う。」
鈴見「今の奴許せないねぇ・・・。後ろから刺すなんて。とりま保健室いこお?」
「はい......。あっ!」
鈴見「えっ?」
ぐさり。
草陰から出てきた男に背中を刺された。
「お前の能力は『この世に一つの箱庭』だ。」
ぐらっ、ばたん。次に目が覚めたのは保健室だった。
ひまり「大丈夫ですか??いきなり気を失ったようですが・・・?」
鈴見「ひまちゃんにはそう見えてたのぉ?」
ひまり「はい......」
保険医「見たところ軽い貧血みたいだから気にしなくてもいいわよ。」
ひまりは鈴見の様子”だけ”を見て帰っていった。
がさごそ。
鞄を漁りながらふと考えた。
鈴見「そういえばあ、あの時いた女の子って?」
鞄から出てきたのは『能力代理人より』と書かれた手紙だった。
ひまり「あと話しかけてないのは・・・。」
クラスメイトにあらかた話しかけ終わって席に戻った。
「そういえばさ、聞いた?」
「なになに?」
クラスメイトの噂話が聞こえる。
「新條さんが刺されたらしいよ。なんでも帰ってる途中で襲われたって。」
「新條って隣のクラスの?」
「そうそう。なんか近くに紙が落っこちててそれを大事そうに引き出しにしまってたらしいよ。」
「新條の引き出しに?」
「いや。入院してる病院の棚の引き出しだって。」
ひまり(最近物騒になってきましたね・・・。)
新條「『噓付き能力を嘘にする』か。」
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