僕の想いが君に通じますように

木野葉ゆる

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 僕の下僕生活は、彼のパシリで飲み物を買いに行かされたり、放課後の荷物持ちなど、まるで不良の下っ端のようなありさまで、二十三歳にもなって、自分は何をやっているんだろうとおかしく思う。
 僕が何をしても笑顔なんて見せてくれない彼は、誰に対しても無愛想で、どこか冷めていた。
 そんな彼が、唯一、意地の悪い微笑みを見せるのは、僕にその命令をする時だけだった。
 自慰も夢精もごめんだからと、彼は僕に舐めさせた。
 場所は、誰もいない教室かトイレの個室。
 彼のそれはまるで他人を知らないように、綺麗な色をしていた。
 僕に男色の気があるなんて、自分でも知らなかったけれど、彼に奉仕することは全く嫌じゃなかった。
 先っぽにちゅっとキスして、ペロリと舐めて、手で触ると熱くて、そろそろと摩りながら裏筋やカリ首に舌を這わす。パクリと咥えて、出来るだけ深く、唇や舌で愛撫した。
 彼はそっと僕の頭に手を置いて、戯れに撫でてくれる。
 決して乱暴に髪の毛を掴んだり、自分勝手に腰を使ったりはしなかった。
 時折溢れる彼の小さな喘ぎに、僕の下半身も熱を持ってしまうことだけが、恥ずかしくて、情けなかった。
 たまに咥えたまま彼を上目遣いで見上げると、目を細めて何かに耐えるような色っぽい表情の彼が見えて、ズキンと心臓と下半身に衝撃が走る。
 彼の飛沫を口内で受け止めるのにも、僕は直ぐに慣れた。
 彼は傲慢だが、暴君ではない。
 精飲を強いず、僕にティッシュを差し出してくる。
 彼に僕の劣情は明らかだろうと思うが、彼からそれに触れることはない。
 僕に奉仕させて満足した彼は、ふいっと僕から興味をなくして、一人でその場を立ち去ってしまう。
 僕はただ、熱が冷めるのを情けない表情で待つしか出来ない。
 自分で握って吐精することは、彼を汚すような気がして、出来なかった。
 
 だが、初めて奉仕させられた時から、僕のオカズは彼だった。
 夜中に自分の部屋で、彼の色っぽい表情を思い出しては、ムスコを慰めた。
 彼のまだ見たことはない窄まりに、僕の熱を押し込んで、思うさま腰を振り、彼を啼かせて、身体中に所有印を刻み付けたい。
 獣な自分に、嫌悪しながらも、妄想は止まらなかった。
 
 僕は、彼から離れるべきなのかもしれない。
 いつか、彼を傷つけてしまう前に……。
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