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序章 転生前の独裁者
エピローグ
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「***国*****前大統領、これより判決を下しますが、最後に言い残すことはありますか?」
中央にずっしりと座る判事らしきその男は私を見下ろすようにそう問う。
私を見る男のその目はまるで人間を見る目でなく、ゴミを見るような目で私を見ていた。
まあ、その目で見られても仕方ないくらいの大罪を私は犯したのだから、文句を言える立場にない。
私は国際軍事裁判の法廷にて、最後の言葉を重い口から発した。
「もし…二度目の人生があるならば、私は普通の人生を送りたいです……」
「…そうですか」
判事は静かにガベルを持ってゆっくり2回程叩く、判事は改めて私の方に視線を向けて言う。
「これより、判決を下す」
そう言ってガベルを1回叩く、そこまで強く叩いてなかったはずが、不思議と叩く音が長く響いて聞こえた。
「主文、被告をA級犯罪(「平和に対する罪」)と認定し、被告人を死刑に処す」
死刑を言い渡された私であったが、これから死ぬという恐怖よりも私を縛る鎖がやっと解かれたような気持ちの方が勝っていた。
―3年後
今、私は絞首刑台に立っている。
周囲には刑務官やかつての敵国の高官らしき者たちが私の周りを囲む、もちろん私に向けられる視線は冷たかった。
「午後9時35分、国際軍事裁判所憲章第6条a項に則り、また戦争被害の規模及び国際社会への甚大な影響を与えたとして、これより死刑執行を行います」
年配の刑務官が書状を読み終え、私は手錠を掛けられたままタオルで私の目を覆って縛り、首に縄がかかる。
「最後に言い残すことは?」
法廷で言われたことを死刑執行場でも言われる、私は刑務官らに人生最後の言葉を静かに呟いた。
「もう…これでいい…さっさと私を解放しろ」
私がそう言った瞬間、立っていた床が突如無くなり、自身の体重で首が強く絞まる。
苦しかったがつらくはなかった、やっと苦しみと罪悪感を背負い込むばかりの人生から解放されるのだから……。
やっと、終った……。
こうして私は、多くの命を奪い続けた人生に幕を下ろした。
中央にずっしりと座る判事らしきその男は私を見下ろすようにそう問う。
私を見る男のその目はまるで人間を見る目でなく、ゴミを見るような目で私を見ていた。
まあ、その目で見られても仕方ないくらいの大罪を私は犯したのだから、文句を言える立場にない。
私は国際軍事裁判の法廷にて、最後の言葉を重い口から発した。
「もし…二度目の人生があるならば、私は普通の人生を送りたいです……」
「…そうですか」
判事は静かにガベルを持ってゆっくり2回程叩く、判事は改めて私の方に視線を向けて言う。
「これより、判決を下す」
そう言ってガベルを1回叩く、そこまで強く叩いてなかったはずが、不思議と叩く音が長く響いて聞こえた。
「主文、被告をA級犯罪(「平和に対する罪」)と認定し、被告人を死刑に処す」
死刑を言い渡された私であったが、これから死ぬという恐怖よりも私を縛る鎖がやっと解かれたような気持ちの方が勝っていた。
―3年後
今、私は絞首刑台に立っている。
周囲には刑務官やかつての敵国の高官らしき者たちが私の周りを囲む、もちろん私に向けられる視線は冷たかった。
「午後9時35分、国際軍事裁判所憲章第6条a項に則り、また戦争被害の規模及び国際社会への甚大な影響を与えたとして、これより死刑執行を行います」
年配の刑務官が書状を読み終え、私は手錠を掛けられたままタオルで私の目を覆って縛り、首に縄がかかる。
「最後に言い残すことは?」
法廷で言われたことを死刑執行場でも言われる、私は刑務官らに人生最後の言葉を静かに呟いた。
「もう…これでいい…さっさと私を解放しろ」
私がそう言った瞬間、立っていた床が突如無くなり、自身の体重で首が強く絞まる。
苦しかったがつらくはなかった、やっと苦しみと罪悪感を背負い込むばかりの人生から解放されるのだから……。
やっと、終った……。
こうして私は、多くの命を奪い続けた人生に幕を下ろした。
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