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深淵の森
第7話
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カリムの腕に抱えられ、どうにか瘴気から救い出されたリリアだったが、怪異は完全に消えたわけではなかった。
黒い霧は森にこびりつき、呻き声をあげながら影を這わせている。腐敗した空気が肌を撫で、鉄のような血の匂いが漂った。
護衛たちは怪我を負いながらも必死に剣を振るい、商人たちを守ろうとしていた。
カリムも剣を握り直し、リリアの前に立ちふさがる。
だが、リリア自身は力を使い果たし、喉を傷め、声も出せずにその場に伏していた。
そんな中、カイとセラだけが場違いに明るい声音を響かせる。
「リリア、まだやれるだろう? その声をもっと使え」
「ええ、せっかく禁忌に触れられたのに……。ここで止まるなんて、惜しいわ」
その言葉はリリアの胸を鋭く抉った。
誰よりも優しく見えたはずのカイの声音が、今は冷たく突き刺さる。
その時──。
森に低い風が吹いた。
瞬間、黒い霧が裂けるように震え、瘴気が霧散する。
呻いていた怪異も影も、まるで恐れをなしたように一斉に後退し、跡形もなく消え去った。
誰もが呆然とした。
混乱と恐怖で縛られていた商人たちは目を見開き、護衛たちは剣を構えたまま固まっている。
ただ一人、木々の奥から歩み出た男を見た瞬間、商人たちは息を呑んだ。
「……深淵の管理者……」
誰かがぽつりとつぶやいた。
かつてこの森を護っていた存在。
長年にわたって深淵の森を管理し、怪異を封じ、人と森の境界を保ち続けてきた一族の男。
今は任を解かれ、森を抜けた先にある街に隠居していると聞かされていたはずの人物が、そこに立っていた。
感情を感じさせないほどの静かな足取り。
人間でありながら森そのものに溶け込むような気配。
冷ややかで、どこか人外めいた、底知れぬ存在感。
「なぜ……ここに……」
「まさか、まだ森を見張っていたのか……?」
商人たちはざわめき、恐怖を隠せない。
一方で護衛たちは逆に瞳を輝かせていた。ほっと胸を撫でおろし、疲れ切った顔に安堵の影を浮かべる。
実は、昨晩のうちに護衛の一人が街へ走り、森の異常を訴えて助けを求めていたのだ。
その声に応え、駆けつけたのが深淵の管理者だった。
彼は護衛の長に視線を移し、静かに問う。
「ここで、なにが起きていた」
低い声は、森の奥底から滲み出たように冷ややかで、揺らぎがなかった。
その一言で場の空気が一変する。誰も逆らえぬ重みを持っていた。
護衛の長が答えようとした、その時──。
「……あの女だ!」
商人の一人が怒鳴った。
「あの娘のせいで瘴気が暴れたんだ!」
「歌で怪異を鎮めようとしていたが、逆に森を怒らせた!」
矛先がリリアへと向けられる。
深淵の管理者は、ゆっくりとリリアへ視線を落とした。
「……本当なのか?」
感情のない声。無機質な眼差し。
リリアは答えようと口を開いた。しかし、二重律の反動で喉が潰され、激しい痛みと共に血がこみ上げた。
赤い飛沫が吐息に混じり、地面に散る。
商人たちはどよめいた。
「見ろ! やはり呪われてる!」
「これ以上、連れて行くのは危険だ!」
非難の声が次々と上がる。
その騒ぎを制したのは、護衛の中に混じっていた老齢の商人だった。ヴァルガンに同行を呼びかけ、行路を進むよう主張した人物である。
「黙りなさい。管理者殿が質問をされているのですよ」
その一声で若い商人たちは押し黙り、護衛たちも一斉に深くうなずいた。
深淵の管理者は、リリアをじっと見つめた。
ガラス玉のような瞳に映るのは冷たさか、それとも別の感情か。
やがて彼は、淡々とした声で告げた。
「……ここからは私が街まで護衛を務める」
ただそれだけで、森は静まり返った。
誰もがそれ以上、口を挟むことはできなかった。
その夜、一行は森の外れで野営を組んだ。
焚き火の火がぱちぱちと爆ぜ、赤い火花が夜空に散る。
その温もりの輪から、リリアだけが外れていた。
膝を抱え、ひとり小さく座っている。
商人たちは遠巻きにリリアを見ていた。
火の光が届く距離でありながら、誰ひとり近づこうとしない。
リリアの姿は、恐怖と畏怖の対象として輪の外に追いやられていた。
ヴァルガンやカリムは管理者のもとへ行き、状況の確認と今後の進路を話し合っていた。
彼らの声は低く抑えられ、内容までは聞き取れない。しかしながら、真剣な空気だけは伝わってきた。
孤独の中で、リリアは不安に押し潰されていく。
誰かに声をかけてほしい。救ってほしい。
その思いに導かれるように、視線を巡らせる。
やがて、焚き火の輪を外れた先に人影を見つけた。
カイだ。闇に溶け込むような場所で、彼はひっそりと立ち尽くしている。
──……カイなら。きっと……。
微かな希望にすがるように、リリアは近づいた。
そこでようやく気が付いた。カイはセラと肩を並べて、こそこそと会話をしていた。
そして、リリアの耳に届いたのは残酷な言葉だった。
「せっかく禁忌の実験ができそうだったのに、残念だったね」
セラが笑う。
「……ああ。これまで出会った誰よりもリリアは良い素材だと思っていたのにさ。がっかりだよ」
カイが面倒くさそうに頭を掻きながら応じる。
「でもさ、律を重ねると爆発的に力が増幅するっていうカイの考えは証明できたじゃない」
「あとはその力をどうやって思い通りに動かすか、なんだけどさ」
「もうリリアじゃ使い物にならなそう?」
「どうだろうな。あいつは血筋だけはいいから、使いどころはまだあるかもしれないけど」
カイとセラの密談は続いていた。
だが、リリアはそれ以上聞くことができなかった。
──……利用されていただけ……?
心臓が冷たく凍りつく。
信じてしまった。縋るしかなかった。
優しい声も、差し伸べられた手も、すべては仮面だったのか。
声を上げることはできなかった。
喉が焼けるように痛み、言葉が出ない。
それ以上に、裏切りを告げる勇気も、誰かに訴える力も残ってはいなかった。
リリアは踵を返し、焚き火の明かりからさらに遠ざかった。
森の闇の中で膝を抱え、しゃがみ込む。
怒り、悲しみ、絶望。
胸の奥に湧き上がる感情すべてを押し込め、封じ込めるしかなかった。
ただ、夜気と共に沈黙が心を覆い尽くしていく。
黒い霧は森にこびりつき、呻き声をあげながら影を這わせている。腐敗した空気が肌を撫で、鉄のような血の匂いが漂った。
護衛たちは怪我を負いながらも必死に剣を振るい、商人たちを守ろうとしていた。
カリムも剣を握り直し、リリアの前に立ちふさがる。
だが、リリア自身は力を使い果たし、喉を傷め、声も出せずにその場に伏していた。
そんな中、カイとセラだけが場違いに明るい声音を響かせる。
「リリア、まだやれるだろう? その声をもっと使え」
「ええ、せっかく禁忌に触れられたのに……。ここで止まるなんて、惜しいわ」
その言葉はリリアの胸を鋭く抉った。
誰よりも優しく見えたはずのカイの声音が、今は冷たく突き刺さる。
その時──。
森に低い風が吹いた。
瞬間、黒い霧が裂けるように震え、瘴気が霧散する。
呻いていた怪異も影も、まるで恐れをなしたように一斉に後退し、跡形もなく消え去った。
誰もが呆然とした。
混乱と恐怖で縛られていた商人たちは目を見開き、護衛たちは剣を構えたまま固まっている。
ただ一人、木々の奥から歩み出た男を見た瞬間、商人たちは息を呑んだ。
「……深淵の管理者……」
誰かがぽつりとつぶやいた。
かつてこの森を護っていた存在。
長年にわたって深淵の森を管理し、怪異を封じ、人と森の境界を保ち続けてきた一族の男。
今は任を解かれ、森を抜けた先にある街に隠居していると聞かされていたはずの人物が、そこに立っていた。
感情を感じさせないほどの静かな足取り。
人間でありながら森そのものに溶け込むような気配。
冷ややかで、どこか人外めいた、底知れぬ存在感。
「なぜ……ここに……」
「まさか、まだ森を見張っていたのか……?」
商人たちはざわめき、恐怖を隠せない。
一方で護衛たちは逆に瞳を輝かせていた。ほっと胸を撫でおろし、疲れ切った顔に安堵の影を浮かべる。
実は、昨晩のうちに護衛の一人が街へ走り、森の異常を訴えて助けを求めていたのだ。
その声に応え、駆けつけたのが深淵の管理者だった。
彼は護衛の長に視線を移し、静かに問う。
「ここで、なにが起きていた」
低い声は、森の奥底から滲み出たように冷ややかで、揺らぎがなかった。
その一言で場の空気が一変する。誰も逆らえぬ重みを持っていた。
護衛の長が答えようとした、その時──。
「……あの女だ!」
商人の一人が怒鳴った。
「あの娘のせいで瘴気が暴れたんだ!」
「歌で怪異を鎮めようとしていたが、逆に森を怒らせた!」
矛先がリリアへと向けられる。
深淵の管理者は、ゆっくりとリリアへ視線を落とした。
「……本当なのか?」
感情のない声。無機質な眼差し。
リリアは答えようと口を開いた。しかし、二重律の反動で喉が潰され、激しい痛みと共に血がこみ上げた。
赤い飛沫が吐息に混じり、地面に散る。
商人たちはどよめいた。
「見ろ! やはり呪われてる!」
「これ以上、連れて行くのは危険だ!」
非難の声が次々と上がる。
その騒ぎを制したのは、護衛の中に混じっていた老齢の商人だった。ヴァルガンに同行を呼びかけ、行路を進むよう主張した人物である。
「黙りなさい。管理者殿が質問をされているのですよ」
その一声で若い商人たちは押し黙り、護衛たちも一斉に深くうなずいた。
深淵の管理者は、リリアをじっと見つめた。
ガラス玉のような瞳に映るのは冷たさか、それとも別の感情か。
やがて彼は、淡々とした声で告げた。
「……ここからは私が街まで護衛を務める」
ただそれだけで、森は静まり返った。
誰もがそれ以上、口を挟むことはできなかった。
その夜、一行は森の外れで野営を組んだ。
焚き火の火がぱちぱちと爆ぜ、赤い火花が夜空に散る。
その温もりの輪から、リリアだけが外れていた。
膝を抱え、ひとり小さく座っている。
商人たちは遠巻きにリリアを見ていた。
火の光が届く距離でありながら、誰ひとり近づこうとしない。
リリアの姿は、恐怖と畏怖の対象として輪の外に追いやられていた。
ヴァルガンやカリムは管理者のもとへ行き、状況の確認と今後の進路を話し合っていた。
彼らの声は低く抑えられ、内容までは聞き取れない。しかしながら、真剣な空気だけは伝わってきた。
孤独の中で、リリアは不安に押し潰されていく。
誰かに声をかけてほしい。救ってほしい。
その思いに導かれるように、視線を巡らせる。
やがて、焚き火の輪を外れた先に人影を見つけた。
カイだ。闇に溶け込むような場所で、彼はひっそりと立ち尽くしている。
──……カイなら。きっと……。
微かな希望にすがるように、リリアは近づいた。
そこでようやく気が付いた。カイはセラと肩を並べて、こそこそと会話をしていた。
そして、リリアの耳に届いたのは残酷な言葉だった。
「せっかく禁忌の実験ができそうだったのに、残念だったね」
セラが笑う。
「……ああ。これまで出会った誰よりもリリアは良い素材だと思っていたのにさ。がっかりだよ」
カイが面倒くさそうに頭を掻きながら応じる。
「でもさ、律を重ねると爆発的に力が増幅するっていうカイの考えは証明できたじゃない」
「あとはその力をどうやって思い通りに動かすか、なんだけどさ」
「もうリリアじゃ使い物にならなそう?」
「どうだろうな。あいつは血筋だけはいいから、使いどころはまだあるかもしれないけど」
カイとセラの密談は続いていた。
だが、リリアはそれ以上聞くことができなかった。
──……利用されていただけ……?
心臓が冷たく凍りつく。
信じてしまった。縋るしかなかった。
優しい声も、差し伸べられた手も、すべては仮面だったのか。
声を上げることはできなかった。
喉が焼けるように痛み、言葉が出ない。
それ以上に、裏切りを告げる勇気も、誰かに訴える力も残ってはいなかった。
リリアは踵を返し、焚き火の明かりからさらに遠ざかった。
森の闇の中で膝を抱え、しゃがみ込む。
怒り、悲しみ、絶望。
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