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最初の街
第4話
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サクラはこのゲームの実績をすべて取得している。
実績とは、コンピューターゲームにおけるミッションとして設定されている条件のことだ。その条件を達成することで、実績解除となる。
実績解除しているということは、通常のゲームクリアだけでなく、開発側が用意したやり込み要素をすべてプレイし終えた証なのだ。
このゲームの実績には、全ての武器や装備品などの取得可能なアイテムを全種類入手すること、という項目が存在していた。
アイテムをすべて入手すること、単純なことを言っているようで、なかなかに労力を要する厳しい条件である。
「……私が全部の実績解除をしていることは間違いがない。ゲーム画面の実績一覧で確実に見ているもの……」
すべての実績解除をしているということは、サクラがゲーム内で取りこぼしているアイテムはないはずだ。
そして、サクラは新しいアイテムを入手するたびにゲーム攻略の手をとめてフレーバーテキストに目を通していた。つまり、アイテムに関連する文章を残らずに読んでいることになるのである。
「……読解力に絶対の自信があるわけではないけどさ。単純な文字情報として運営側から提供されていない、はずだよね。そうなると……」
クロビスと王都との関連について見落としの可能性が高いのは、ゲーム内にあらかじめ用意されているオブジェクトから関連を推察するというものだろう。
サクラはマップ内のすみずみまで見て回ったつもりだったが、なにせこのゲームはオープンワールド作品となっている。
オープンワールドゲームとは、ゲーム内の仮想世界において、プレイヤーが広大なフィールドを移動の制限なく自由に探索し、目的に到達できるように設計されているゲームのことだ。
「……ああ、やっぱり考察勢の動画とか見ておくんだったなあ……」
最近のオープンワールドゲームは、自由に動き回れる範囲がとてつもなく広い。
ゲームなのだからいくら広くても、空間は有限であるはずだ。だというのに、プレイしている身としては、探索できる範囲が無限にあるような気持ちになってくるほどだった。
「ゲーム内のオブジェクトの配置から彼と王都との繋がりを感じ取ってくれって軽く匂わせている程度だったら……。見逃している自信があるなあ」
とくにサクラが好んでプレイしていたタイトルを作っていたゲーム会社は、ゲーム内で明確なストーリーが語られないことで有名だった。
基本的なゲームのストーリーでさえ、アイテムのフレーバーテキストから想像することになる。
ゲーム内に設置されているオブジェクト、例えば絵画に描かれている風景や人物、その絵画自体が飾られている場所などから、メインのストーリーにかかわる重要なヒントが読み取れることもあるほどだった。
「なるべく自力ですべての謎を解明したいって意地をはっていたからな。どこかのタイミングで攻略サイトを熟読しておけばよかったかも……」
最近では、ゲーム開始直後から攻略サイトを見て、短時間で効率的にエンディングまで進める者も多いと聞く。だが、サクラはせめて一回でもクリアするまでは、他を頼らずにストーリーを進めたいと思うタイプだった。
どれだけ時間がかかっても、自分ひとりの力でラスボスまで到達し、撃破したときの達成感はたまらない。
とくにこのゲームは攻略の難しい死にゲーだったのだ。はじめてエンディングが流れるところを見たときなんて、嬉しさのあまりコントローラーをそっと机の上に置いて両手を合わせてしまったほどだ。
「……でも、攻略サイトを見たところでなあ。ストーリーのヒントになるオブジェクトがギミックで隠されている部屋の中にあります、とかだったら自力で見つけられなかったことが悔しくてモチベーションが下がるだけだし。いや、いまはそんなことよりも考えなきゃいけないことが……」
サクラはどうにかして、クロビスまわりの情報をひとつでも多く思い出そうと頭をひねっていた。
すると、先を歩いていたクロビスがサクラを振り返り、あきれた様子で声をかけてくる。
「先ほどからお一人でなにをぶつぶつ言っているのかわかりませんが、目的地に着きましたよ」
実績とは、コンピューターゲームにおけるミッションとして設定されている条件のことだ。その条件を達成することで、実績解除となる。
実績解除しているということは、通常のゲームクリアだけでなく、開発側が用意したやり込み要素をすべてプレイし終えた証なのだ。
このゲームの実績には、全ての武器や装備品などの取得可能なアイテムを全種類入手すること、という項目が存在していた。
アイテムをすべて入手すること、単純なことを言っているようで、なかなかに労力を要する厳しい条件である。
「……私が全部の実績解除をしていることは間違いがない。ゲーム画面の実績一覧で確実に見ているもの……」
すべての実績解除をしているということは、サクラがゲーム内で取りこぼしているアイテムはないはずだ。
そして、サクラは新しいアイテムを入手するたびにゲーム攻略の手をとめてフレーバーテキストに目を通していた。つまり、アイテムに関連する文章を残らずに読んでいることになるのである。
「……読解力に絶対の自信があるわけではないけどさ。単純な文字情報として運営側から提供されていない、はずだよね。そうなると……」
クロビスと王都との関連について見落としの可能性が高いのは、ゲーム内にあらかじめ用意されているオブジェクトから関連を推察するというものだろう。
サクラはマップ内のすみずみまで見て回ったつもりだったが、なにせこのゲームはオープンワールド作品となっている。
オープンワールドゲームとは、ゲーム内の仮想世界において、プレイヤーが広大なフィールドを移動の制限なく自由に探索し、目的に到達できるように設計されているゲームのことだ。
「……ああ、やっぱり考察勢の動画とか見ておくんだったなあ……」
最近のオープンワールドゲームは、自由に動き回れる範囲がとてつもなく広い。
ゲームなのだからいくら広くても、空間は有限であるはずだ。だというのに、プレイしている身としては、探索できる範囲が無限にあるような気持ちになってくるほどだった。
「ゲーム内のオブジェクトの配置から彼と王都との繋がりを感じ取ってくれって軽く匂わせている程度だったら……。見逃している自信があるなあ」
とくにサクラが好んでプレイしていたタイトルを作っていたゲーム会社は、ゲーム内で明確なストーリーが語られないことで有名だった。
基本的なゲームのストーリーでさえ、アイテムのフレーバーテキストから想像することになる。
ゲーム内に設置されているオブジェクト、例えば絵画に描かれている風景や人物、その絵画自体が飾られている場所などから、メインのストーリーにかかわる重要なヒントが読み取れることもあるほどだった。
「なるべく自力ですべての謎を解明したいって意地をはっていたからな。どこかのタイミングで攻略サイトを熟読しておけばよかったかも……」
最近では、ゲーム開始直後から攻略サイトを見て、短時間で効率的にエンディングまで進める者も多いと聞く。だが、サクラはせめて一回でもクリアするまでは、他を頼らずにストーリーを進めたいと思うタイプだった。
どれだけ時間がかかっても、自分ひとりの力でラスボスまで到達し、撃破したときの達成感はたまらない。
とくにこのゲームは攻略の難しい死にゲーだったのだ。はじめてエンディングが流れるところを見たときなんて、嬉しさのあまりコントローラーをそっと机の上に置いて両手を合わせてしまったほどだ。
「……でも、攻略サイトを見たところでなあ。ストーリーのヒントになるオブジェクトがギミックで隠されている部屋の中にあります、とかだったら自力で見つけられなかったことが悔しくてモチベーションが下がるだけだし。いや、いまはそんなことよりも考えなきゃいけないことが……」
サクラはどうにかして、クロビスまわりの情報をひとつでも多く思い出そうと頭をひねっていた。
すると、先を歩いていたクロビスがサクラを振り返り、あきれた様子で声をかけてくる。
「先ほどからお一人でなにをぶつぶつ言っているのかわかりませんが、目的地に着きましたよ」
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