迷宮の魔王に転生したけど無人島だからダンジョンに人が来ない

兎屋亀吉

文字の大きさ
4 / 25

4.周囲の調査

しおりを挟む
 ダンジョン最奥の部屋からダンジョン内をテレポートして入り口に向かう。
 迷宮の魔王はダンジョンの中を自由にテレポートすることができる。
 そうでもなければあんな迷路なんか作るものか。
 自分で作ったダンジョンから出るのに長大な迷路をクリアしないといけないなんて馬鹿すぎる。
 洞窟の入り口は少し広くなっており、ダミーの部屋から滑り落ちるとここの天井から落ちてくることになっている。
 ここにカメラを設置して絶望に浸る侵入者の馬鹿面を記念撮影して販売するというのも面白そうだな。
 ジェットコースターの写真みたいで楽しいだろ。
 それもすべて侵入者が来なければ無意味だがな。

「とにかく今は島の調査だな」

 知的生命体はこの島にはたぶんいないだろうが、この島がそもそも人間社会とどの程度隔絶した環境なのかというのを知る必要がある。
 島の南側に広がる森の調査は危険なので後回しにしたいが、島の外周部はもう少し調査しておきたいところだ。
 今日は島の外周部の調査と周囲の有人島探しをするつもりだ。
 まずは有人島を探してみるか。
 これは別に船に乗って海に出るというわけではない。
 ただ岩山の上から双眼鏡で見回して周囲に島が無いかとか船がいないかとかを確認する作業だ。
 ダンジョンから出て足場の悪い岩山を慎重に進み、岩棚に腰かけて双眼鏡を覗き込む。
 距離計の付いた高性能な双眼鏡だがダンジョンポイントで生み出せばほんの15ポイントほどだ。
 どうやら日本円に換算するとダンジョンポイントは1ポイント1万円くらいの価値があるらしい。
 食べ物なんかだと1ポイントあれば大量に生み出すことができる。
 この双眼鏡は日本円だと大体15万円くらいの価値があるらしい。
 防水だし遠くまでくっきりと見えて距離まで測れる優れものだ。
 しかし覗き込んでも見えるのはどこまでも続く水平線だけ。
 島や船は欠片も見当たらない。
 この星も地球みたいに丸いっていうことは分かったが、それで何がどうなるわけでもない。
 物理法則がある程度あてになりそうで安心したぐらいか。
 これで星が平らで大きな亀の甲羅の上に成り立っているとかいうファンタジーな世界感だったらもう水が上から下に流れることすら疑わなければならなかった。
 そういった点では問題なさそうだ。水はちゃんと上から下に流れるし温めれば沸騰する。
 今双眼鏡で見ている方角は太陽が昇る方角だから仮に東としているが、それも星の自転が逆だったりしたら逆になる。
 まあ東はただ呼び方が無いから東と呼んでいるだけなので西であったとしても問題は無いけどな。
 俺は腰かけていた岩棚から立ち上がり、別の方位に向かう。
 結局全方位360度から水平線を眺めてみたが、陸地も船影も見当たらなかった。
 見える範囲には知的生命体の文明は無いということだから、ひとまず安心なのかな。
 だがダンジョン経営という観点から見ると、ダンジョンポイントを落としてくれる生き物がいなくて残念だ。
 ダンジョンには入って欲しいけれど、奥までは来て欲しくない。
 ダンジョン経営っていうのはバランスが難しいな。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!

克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。 アルファポリスオンリー

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...