迷宮の魔王に転生したけど無人島だからダンジョンに人が来ない

兎屋亀吉

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8.島での生活

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 ヤギと魔王の奇妙なダンジョン生活も数えるところはや1ヶ月になる。
 ヤギはいい。
 文句言わないし悪口言わないし裏切らないし可愛いし。
 俺は次生まれ変わるならヤギに生まれたいと思うほどにヤギが好きになっていた。
 拾ってきたヤギにはアンディという名前を付けた。
 まだ幼いながらもその顔がどこか有名画家に似ていたからだ。
 アンディはどうやらオスのようで将来的に乳を出すことは期待できそうにないが、俺の心の癒しとなってくれればそれでいいさ。
 ヤギ乳なんてダンジョンポイントでいくらでも生み出せる。
 しかしヤギは毎日ダンジョンポイントを1ポイントくれる。
 ヤギからもらったダンジョンポイントでヤギ乳を買ったほうが断然お得だろう。
 他にもヤギがいないか探してダンジョン内にヤギ牧場を作るのもいいかもしれないな。
 いや大人のヤギはちょっとまだ俺には早いか。
 まあヤギの話は置いておいて、俺のダンジョンがあるこの島のことも大体分かった。
 島の半分くらいは海から運ばれてきた砂で覆われた砂地となっており、もう半分はゴツゴツとした黒い火山岩でできた岩地となっている。
 岩地の上には火山灰が積もって森が形成されており、奥深くまで探索するのは危険度が高いと考えて浅い場所しか探索していない。
 おそらく森の中にはアンディを置いていったヤギの群れやその他にも動物やモンスターが生息していると思われる。
 モンスターと動物の区別についてはよく分からないが、たぶん意味不明の進化を遂げた奴はモンスターってことでいいのだと思う。
 進化論に基づいて適者生存で常識的に進化を遂げた奴は普通に動物だろう。
 その点ヤギは動物なので安心だ。
 ヤギの話は置いておくといったのに戻ってきてしまった。
 とにかくこの島の外周部をうろつくのにはそれほど危険は無いということが分かった。
 森にさえ入らなければ概ね問題は無いだろう。
 俺は常に副コアを持ち歩いているので、危ないときはダンジョン内にテレポートすればいい。
 動物やモンスターの知能では俺の築いた迷路は突破することはできないだろう。
 ダンジョンの最奥、ダンジョンコアルームには溜まったポイントでシステムキッチンや温水洗浄便座付きのトイレ、室内乾燥機付きバスルームなどの設備と最新家電と高級家具の数々が設置させている。
 俺の部屋の隣に作ったアンディのための部屋にも冷暖房が完備されている。
 電気も水道もガスも月1ポイントでどこからか流れて来る。
 壁のコンセントタップや水道管、ガス管の裏側がどうなっているのか謎だ。
 しかしインフラもあり食べ物や娯楽品の購入もできるとなれば、それはもはやただの無人島快適生活だ。
 やることも無いから晴れた日には釣りに行き、雨の日には本を読むというアクティブなニートのような毎日だ。
 最近では砂浜でサーフィンも始めた。
 あちらの世界ではサーフィンなどというおしゃれな趣味が許されるのは稼ぎルックスコミュ力すべてを兼ね備えたリア充中のリア充だけだった。
 しかしこの島には俺以外に人がいない。
 俺が無様に波に飲まれても指を差して笑う人もいないし、初対面で話しかけてくるコミュ力お化けもいない。
 さらには金のかかる趣味の代表であるサーフィンの道具もダンジョンポイント1日分で賄える。
 1日に手に入るダンジョンポイントは素の状態で50ポイント。
 アンディがダンジョンで暮らし始めてからは1ポイント増えて51ポイントだ。
 1ポイント1万円で換算すれば、実に51万円という金額を俺は毎日お小遣いとしてもらっていることになる。
 月額で換算すれば1530万円だ。
 つまり俺の生活水準は年収にすれば1億8千360万円の人と同じレベルということだ。
 そりゃあ無人島でも快適な生活ができるしサーフボードも買い放題だ。
 最初はどうなるものかと思ったけれど、この上ないほどに快適な生活だな。
 できるなら俺の生活を脅かす人間が永遠にこの島に来ないことを祈ろう。



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