迷宮の魔王に転生したけど無人島だからダンジョンに人が来ない

兎屋亀吉

文字の大きさ
14 / 25

14.海の家のインフラ

しおりを挟む
「やっとここまで来たか」

 海の家の建築を始めてから更に3ヶ月が経過した。
 ついに俺の海の家の外装がすべて完了した。
 屋根も外壁もポピュラーなガルバリウム。
 屋根瓦とか素人には無理だ。

「あとは内装か……」

 床を張ったり壁を張ったりしなければ構造材がむき出しで利便性に欠ける。
 このままでも暮らせないことは無いが、俺ベニヤ板って触ってると痒くなってくる体質だったんだよね。
 一度生まれ変わって頑強な魔王に生まれ変わっているのでおそらく前世のようなことは無いと思うが、やはりなんとなく肌触りも悪いし化学物質が気になる。
 魔王がシックハウス症候群なんてならないと思うけどな。
 とにかくみすぼらしいのでクッションフロアシートと壁紙くらいは貼っておこう。
 やり方は本で勉強したし、練習もしてきたので問題ない。
 さっさかと手際よく壁と床を整えていく。
 魔王の身体は早々に腰が痛くなったりしなくて便利だ。
 俺は特に休みを挟むこともなくぶっ通しで作業を続け、日が暮れる頃には家中の壁と床貼りが完了した。

「はぁ、終わった」

 まあこれまでにかかった時間と比べれば1日なんてあっという間だ。
 最後はマジックアイテムか。
 この島には上水道も下水道も通っていないし、電気もガスも来ていない。
 だから俺はこの海の家のインフラをすべてマジックアイテムでなんとかしようと決めていたのだ。
 さすがに電気やガスを生み出すマジックアイテムは無かったが、魔力という地球とは違ったエネルギーで動く家電のようなものがあった。
 この世界ではモンスターを倒すと魔石というものが手に入る。
 モンスターの体内にそういう尿路結石みたいなやつがあるのだ。
 それをマジックアイテムはそれを動力源として動く。
 もしくは自分自身のMPだ。
 稀にHPを動力とするアイテムもあるが、そういうアイテムには大体呪いの〇〇とかっていう名前が付いているのであまり気軽に手を出したくないアイテムだ。

「よし、水周りはこの水の宝珠でいいな」

 水道の代わりにトイレやキッチン、シャワールームに設置したのは綺麗な群青色の珠だ。
 これは自身のMPを消費して発動するアイテムで、単純に水が出る。
 俺の流体操作と相性が良さそうなアイテムだが、幾分少し持ち歩くには大きい。
 携帯用のアイテムはまた今度探すとしよう。
 こんな感じで便利なアイテムがこの世界にはたくさんあるのだ。
 俺は火の出るアイテムや灯りを灯すアイテムなどを各所に設置していく。

「これでよし。あとは排水か」

 この家の排水はすべて纏めて浄化槽に入るようにしてある。
 そしてその浄化槽の中には転移罠を設置しようかと思っている。
 上に乗ると全く別の場所に飛ばされてモンスターに囲まれてしまったりするあの転移罠だ。
 ダンジョンコア(副)を1個消費することによってダンジョンの外でも罠を仕掛けることができる。
 埋め込まれた副コアを破壊されたらすぐに機能が停止してしまうからそれほど使い勝手のいいものでもないのだけれど、罠の特性を利用したダンジョンへの転送装置としては役に立つ。
 その転移罠で生活排水をまとめてダンジョンの中に転移させる。
 ダンジョンの中はなぜか汚れたりしてもいつの間にか綺麗になっているので生活排水も綺麗にしてくれるのではないかと思ったのだ。
 迷宮神とか創造神とか大魔王とかそういったダンジョンを司っている存在がいたら申し訳ないのだが、ダンジョンの一角を下水処理ゾーンにさせて欲しい。
 まあダメならダメって言ってくるよね。
 やっちゃってからダメって言ってきても俺に責任は無いと思うんだ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!

克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。 アルファポリスオンリー

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...