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6.浄化の腕輪
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王都までは歩いて2日半ほど。
王都から辺境までの距離に比べたら屁のようなものだ。
俺は軽快に歩をすすめる。
重そうな荷物を背負っているように見えて実は張りぼて。
ほとんど手ぶらで歩いているようなものだ、俺はお散歩気分でどんどん歩いていった。
季節は夏、いくらほぼ手ぶらであろうと歩けば汗が出てくる。
休憩所は人がいなければ水浴びができるが、先客がいた場合マナーとして水浴びは控えたほうがいいだろう。
何かすっきりするいい方法はないだろうか。
俺はおもむろにおっぱいポイントの変換リストを検索するが出てこない。
やはりそんなピンポイントな検索はできないようだ。
この検索エンジンは少しアナログなので度々検索エラーを起こすのだ。
いや、検索エンジンだけのせいにするのは善意でこの恩恵を下さった性愛の神に申し訳ない。
検索で一番大事なのは検索ワードだ。
今回は検索ワードも悪かった。
『すっきりする』では抽象的すぎる。
そこで俺は『浄化』で再検索する。
今度の検索ワードはよかったみたいで、たくさんのスキルやアイテムが出てきた。
その中から俺は浄化の腕輪というアイテムを選択する。
ポイント消費は100ポイント。
このアイテムは装備している間だけ弱い水属性の浄化魔法が使えるようになるというもの。
戦闘には全く役に立たないが、身体や衣服を綺麗にすることができる。
異世界すげぇ。
洗濯機とかいらないな。
俺はさっそく右腕に装着し、使ってみる。
腕輪がぼんやりと青く光り、しゅわしゅわとキメの細かい炭酸水みたいのが俺の身体を包み込む。
気持ちいい。
これマイクロバブルじゃないのか?
異世界って思ったよりもすごいな。
数秒でしゅわしゅわが引き、身体がすっきりした。
服と身体両方の汚れを瞬時に浄化するなんて、異世界舐めてた。
これもうお風呂いらないじゃん。
俺は日本人だが、お風呂がそこまで好きなわけじゃない。
確かにたまに温泉に行くと気持ちいいとは思うが、毎日風呂に入りたいかと言われたら別にそこまで入りたくないと答えるだろう。
めんどくさがりの俺は風呂なんてできることなら入りたくはないのだ。
このアイテムはそんなめんどくさがりにとっては夢のようなアイテム。
素晴らしいものをたった100ポイントで交換してしまった。
上機嫌になった俺は柄にもなく全力で走り出し、100メートルほどで止まった。
「はぁ、はぁ、やっぱりおっさんの身体は、つらい」
そして今日も1日1本の若返り薬を飲んだ。
現在の年齢は44歳のはず。
まだまだ肉体に大きな変化はないな。
もう王都も目前、明日か明後日には到着するだろう。
少しくらいは滞在するかどうか迷う。
だが金がない。
現在の全財産は銅貨15枚。
日本円にして1500円ほどだ。
宿に泊まれるとは思えない。
しょうがない、おっぱいポイントを銀貨と交換しよう。
この使い方だけはしたくなかったんだけどな。
おっぱいポイントをお金に交換するのは、非常に交換効率が悪い。
銅貨1枚ですら10ポイントのおっぱいポイントがかかる。
銅貨1枚といえば日本円にして100円前後だ。
10ポイントのおっぱいポイントがあればカップラーメンであれば20個は食べられるし、米20キロとかと交換できるだけのポイントだ。
それがお金に交換するとたったの100円になってしまう。
できるならばやめておきたいが、1月半の野外生活を送ってきた俺の身体がそろそろ1度屋根のあるところで眠りたいと主張している。
最低ランクの宿でいいから少しだけ泊まって行くことにしよう。
とはいえ雑魚寝はちょっと嫌なので最低ランクの個室にしよう、そうしよう。
俺は銀貨を1枚だけ交換し、王都に向かった。
これだけで100ポイント、浄化の腕輪と同額だというのだから泣けてくる。
王都南門の前には、各方面の街道から合流した入場者で列ができていた。
今日も若返りの薬を飲んで1歳若返ったとはいえ、まだ43歳。
ここまで歩いてきてこの列に並ぶのはなかなかしんどいな。
しかし貴族でもないのに違う入り口からは入れないのが現実。
しょうがなく俺は一番後ろに並んだ。
ここまで歩いてきた俺は汗だく。
たまらず浄化魔法を発動させる。
腕輪からしゅわしゅわとマイクロバブルが出現し、俺の汚れを落としてくれる。
頭皮の汚れが落ちるときが一番気持ちいいんだよな。
しゅわしゅわと微細な泡が頭皮の脂を浮かして根こそぎ持っていってくれる快感は美容院のシャンプーを超えている。
なんせマイクロバブルだからね。
専門学校で2年ほどで身につけたような技術とは格が違うんだよ。
その道30年の床屋のおじさんの技術には劣るがな。
「旦那、浄化の腕輪を持ってるなんて珍しいですね」
列の前の人に話しかけられた。
20代半ばくらいの行商風の男だ。
俺と同じように大きなリュックを背負っている。
俺のは張りぼてだけど。
「偶然手に入れてね。便利で重宝しているよ」
「羨ましいですね。良ければ銅貨10枚で俺にも浄化魔法をかけてはもらえませんかね?」
そう言って男は銅貨を10枚差し出した。
魔力なんて減っても休めば回復するので俺は快く男に浄化魔法をかけてあげることにした。
「くぅ、これはたまりませんね。なかなか市場に出回らないわけだ。こんな爽快感を味わえるなら誰も手放しませんよ」
男はお礼を言って次会ったらなんちゃらかんちゃらと商人風の挨拶をした後、前を向きなおした。
その後、男と俺の会話を聞いていた人たちから浄化魔法を頼まれ、けっこうな額の臨時収入を手に入れた。
おっぱいポイントを銀貨なんかにしなくてもよかったな。
金をあまり持ってなかった人は列の順番を変わってくれたのでかなり列の前のほうにこられた。
情けは人の為ならずとはよく言ったものだ。
王都から辺境までの距離に比べたら屁のようなものだ。
俺は軽快に歩をすすめる。
重そうな荷物を背負っているように見えて実は張りぼて。
ほとんど手ぶらで歩いているようなものだ、俺はお散歩気分でどんどん歩いていった。
季節は夏、いくらほぼ手ぶらであろうと歩けば汗が出てくる。
休憩所は人がいなければ水浴びができるが、先客がいた場合マナーとして水浴びは控えたほうがいいだろう。
何かすっきりするいい方法はないだろうか。
俺はおもむろにおっぱいポイントの変換リストを検索するが出てこない。
やはりそんなピンポイントな検索はできないようだ。
この検索エンジンは少しアナログなので度々検索エラーを起こすのだ。
いや、検索エンジンだけのせいにするのは善意でこの恩恵を下さった性愛の神に申し訳ない。
検索で一番大事なのは検索ワードだ。
今回は検索ワードも悪かった。
『すっきりする』では抽象的すぎる。
そこで俺は『浄化』で再検索する。
今度の検索ワードはよかったみたいで、たくさんのスキルやアイテムが出てきた。
その中から俺は浄化の腕輪というアイテムを選択する。
ポイント消費は100ポイント。
このアイテムは装備している間だけ弱い水属性の浄化魔法が使えるようになるというもの。
戦闘には全く役に立たないが、身体や衣服を綺麗にすることができる。
異世界すげぇ。
洗濯機とかいらないな。
俺はさっそく右腕に装着し、使ってみる。
腕輪がぼんやりと青く光り、しゅわしゅわとキメの細かい炭酸水みたいのが俺の身体を包み込む。
気持ちいい。
これマイクロバブルじゃないのか?
異世界って思ったよりもすごいな。
数秒でしゅわしゅわが引き、身体がすっきりした。
服と身体両方の汚れを瞬時に浄化するなんて、異世界舐めてた。
これもうお風呂いらないじゃん。
俺は日本人だが、お風呂がそこまで好きなわけじゃない。
確かにたまに温泉に行くと気持ちいいとは思うが、毎日風呂に入りたいかと言われたら別にそこまで入りたくないと答えるだろう。
めんどくさがりの俺は風呂なんてできることなら入りたくはないのだ。
このアイテムはそんなめんどくさがりにとっては夢のようなアイテム。
素晴らしいものをたった100ポイントで交換してしまった。
上機嫌になった俺は柄にもなく全力で走り出し、100メートルほどで止まった。
「はぁ、はぁ、やっぱりおっさんの身体は、つらい」
そして今日も1日1本の若返り薬を飲んだ。
現在の年齢は44歳のはず。
まだまだ肉体に大きな変化はないな。
もう王都も目前、明日か明後日には到着するだろう。
少しくらいは滞在するかどうか迷う。
だが金がない。
現在の全財産は銅貨15枚。
日本円にして1500円ほどだ。
宿に泊まれるとは思えない。
しょうがない、おっぱいポイントを銀貨と交換しよう。
この使い方だけはしたくなかったんだけどな。
おっぱいポイントをお金に交換するのは、非常に交換効率が悪い。
銅貨1枚ですら10ポイントのおっぱいポイントがかかる。
銅貨1枚といえば日本円にして100円前後だ。
10ポイントのおっぱいポイントがあればカップラーメンであれば20個は食べられるし、米20キロとかと交換できるだけのポイントだ。
それがお金に交換するとたったの100円になってしまう。
できるならばやめておきたいが、1月半の野外生活を送ってきた俺の身体がそろそろ1度屋根のあるところで眠りたいと主張している。
最低ランクの宿でいいから少しだけ泊まって行くことにしよう。
とはいえ雑魚寝はちょっと嫌なので最低ランクの個室にしよう、そうしよう。
俺は銀貨を1枚だけ交換し、王都に向かった。
これだけで100ポイント、浄化の腕輪と同額だというのだから泣けてくる。
王都南門の前には、各方面の街道から合流した入場者で列ができていた。
今日も若返りの薬を飲んで1歳若返ったとはいえ、まだ43歳。
ここまで歩いてきてこの列に並ぶのはなかなかしんどいな。
しかし貴族でもないのに違う入り口からは入れないのが現実。
しょうがなく俺は一番後ろに並んだ。
ここまで歩いてきた俺は汗だく。
たまらず浄化魔法を発動させる。
腕輪からしゅわしゅわとマイクロバブルが出現し、俺の汚れを落としてくれる。
頭皮の汚れが落ちるときが一番気持ちいいんだよな。
しゅわしゅわと微細な泡が頭皮の脂を浮かして根こそぎ持っていってくれる快感は美容院のシャンプーを超えている。
なんせマイクロバブルだからね。
専門学校で2年ほどで身につけたような技術とは格が違うんだよ。
その道30年の床屋のおじさんの技術には劣るがな。
「旦那、浄化の腕輪を持ってるなんて珍しいですね」
列の前の人に話しかけられた。
20代半ばくらいの行商風の男だ。
俺と同じように大きなリュックを背負っている。
俺のは張りぼてだけど。
「偶然手に入れてね。便利で重宝しているよ」
「羨ましいですね。良ければ銅貨10枚で俺にも浄化魔法をかけてはもらえませんかね?」
そう言って男は銅貨を10枚差し出した。
魔力なんて減っても休めば回復するので俺は快く男に浄化魔法をかけてあげることにした。
「くぅ、これはたまりませんね。なかなか市場に出回らないわけだ。こんな爽快感を味わえるなら誰も手放しませんよ」
男はお礼を言って次会ったらなんちゃらかんちゃらと商人風の挨拶をした後、前を向きなおした。
その後、男と俺の会話を聞いていた人たちから浄化魔法を頼まれ、けっこうな額の臨時収入を手に入れた。
おっぱいポイントを銀貨なんかにしなくてもよかったな。
金をあまり持ってなかった人は列の順番を変わってくれたのでかなり列の前のほうにこられた。
情けは人の為ならずとはよく言ったものだ。
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