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26.童貞卒業までの道程
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メイドの誰かがカーテンを引き、窓から差し込む眩い光によって目を覚ます。
清々しい朝だ。
やはりメイドのいる暮らしはいい。
僕を起こしにきたのは今日はクレアとクロエの2人だった。
「「おはようございます、レン様」」
「おはよう」
2人とも愛人としてではあるが貴族に見初められるくらいだ、容姿は整っている。
そんな2人がメイド服を着て起こしにきてくれるのだ。
男なら誰だってデレデレしてしまうに決まっている。
メイドたちは毎日日替わりでカーテンを開けて僕を起こしにきてくれる。
なんて最高な毎日なんだ。
これぞ正しい奴隷メイドハーレム。
しかし、メイドとご主人様ってどうやって次の関係に進むのだろうか。
僕はメイドの子誰でもいいので童貞を捨てたいと思っている。
最高齢のマーサでも構わない。
むしろ彼女は38歳という年齢には思えない若々しい見た目のとても綺麗なお姉さんという感じで、土下座してお願いしたいくらいだ。
しかし土下座してお願いして童貞を卒業していいものなのか。
世間では奴隷に対しては殺したり毎日暴力を振るったりという度のすぎた酷いことをしなければ何をしてもいいみたいな感じらしいのだけれど、どう考えても無理やりやった後の人間関係は最悪になるだろう。
僕はさすごしゅされたいのでそういうのは嫌なのだ。
土下座してお願いしたらきっと誰も僕に逆らうことはできない。
しかし内心嫌だなぁ、ご主人様気持ち悪いなぁ、とか思われている可能性だってある。
普段から怒らないのでなるべく本心を口にしてほしいとは言っているものの、そういった場面で本当にNOと言ってくれるだろうか。
「レン様、どうしたんですか?」
「い、いや、2人とも今日も可愛いなと思って……」
「えへへ、ありがとうございます」
クレアとクロエは普段から可愛いと言われ慣れているのか、僕の稚拙な口説き文句などは屁とも思っていないようだ。
わからん、奴隷の攻略法がわからん。
困っている奴隷を買って色々買い与えていい生活をさせればラノベの主人公は勝手に奴隷たちにラブラブちゅっちゅされていたんだ。
僕だって同じようなことをしたのに、なぜ惚れられていないんだ。
仕方がない、ザックスに女の人の口説き方を習ってコツコツ口説いていくとしよう。
戦闘職として買った奴隷は全部で12人。
女性4人に男性8人だ。
この12人にザックスを加えた13人が基本的に戦闘を専門に行う人たちということになる。
全員ローテーションでパーティを組み、ダンジョンに挑んでもらう。
これは別に本気でダンジョンアタックをしろというわけではなく、ダンジョンで適度にモンスターを狩って精霊力を高めてもらうというだけだ。
ザックスは本気で挑みたいだろうけれど、本気のときは自由参加にしてもらうこととする。
元傭兵だったり、亡国の騎士なんていう人もいてモンスターよりも対人戦のほうが得意という人もいるからね。
「じゃあ行こうか」
今日は僕もダンジョンに同行する。
かねてからやろうと思っていたパワーレベリングのためだ。
後は攻撃魔法も試してみたい。
今日のメンバーは元冒険者のレベッカ、同じく元冒険者のモニカ、元傭兵団団長のドミニク、元冒険者のスコット、元亡国の騎士のザイード、プラス僕とザックスの7人だ。
少し多いかもしれないけれど、バリバリ非戦闘職の僕を守ってほしいから少し過剰な戦力にしてみた。
「これからこうやって非戦闘員を同行させて精霊力上げをお願いすることもあると思うからその練習だと思って頑張ってね」
僕だけでなく、普段は屋敷で働いてくれている非戦闘職の奴隷たちもたまにパワーレベリングしておけばいざという時に生存確率がぐんと上がる。
僕は平穏を好む大人しい転生者だけれど、転生者というだけで厄介ごとに巻き込まれることだってあるかもしれない。
お金をたくさん持っているので狙われる可能性もある。
そんなときのために精霊力を上げてフィジカルだけでも鍛えておけばとれる手も増えることだろう。
「わかりました。私は元騎士、警護は得意中の得意でございます」
ザイードは浅黒い肌に黒目黒髪の少しエキゾチックな感じの青年だ。
装備は重そうな金属鎧に騎士みたいなロングソード、そしてこれまた騎士みたいなカイトシールドだ。
完全に騎士の恰好だね。
その見た目どおり堅い守りが自慢のようだ。
「私はどうでしょうかね。皆さんの足を引っ張らないように頑張ります」
元傭兵団団長のドミニクはその肩書から想像する人物象とは全く違い、ずいぶんと腰の低いおじさんだ。
頭は禿げあがり、腹が出ている。
防具はお腹がつっかえない皮鎧で、武器はメイスだ。
防具を外せば中年太りの普通のサラリーマンという雰囲気の人だけれど、同じ傭兵団の元副団長デニスからはかなり慕われている。
きっとやるときはやる人なのだろう。
そういうのかっこいいよね。
「いやぁ、ザックスさんと一緒にダンジョンに潜れるなんて感激っす」
「本当にね。レン様に買われてよかった」
「汚らしいおじさんに買われて夜の相手とかさせられたら嫌だよね。あ、ザックスさんならいつでもOKなんで……」
「おう、今度一晩頼むぜ。2人一緒でも構わないからな」
「「きゃっ」」
元冒険者の3人はザックスとは元々知り合いだったようだ。
まあそりゃあザックスはこの街のギルドでは有名人だものね。
そしてナチュラルに夜の約束をしている。
なるほど、こういう女の子からのアピールを見逃さないのか。
お前は冗談半分かもしれないけれどこっちは本気にするからなって感じで後戻りできないようにするのか。
真剣な顔で少し流し目を送ると女の子がぽっとなると。
勉強になるな。
しかしこんなにわかりやすいお誘いならば僕でも見逃さない可能性はあるけれど、もっとわかりづらいアピールだったらどう汲みとればいいんだ。
今度ザックスに聞いてみよう。
それにしても2人一緒か、羨ましすぎて発狂しそうだ。
清々しい朝だ。
やはりメイドのいる暮らしはいい。
僕を起こしにきたのは今日はクレアとクロエの2人だった。
「「おはようございます、レン様」」
「おはよう」
2人とも愛人としてではあるが貴族に見初められるくらいだ、容姿は整っている。
そんな2人がメイド服を着て起こしにきてくれるのだ。
男なら誰だってデレデレしてしまうに決まっている。
メイドたちは毎日日替わりでカーテンを開けて僕を起こしにきてくれる。
なんて最高な毎日なんだ。
これぞ正しい奴隷メイドハーレム。
しかし、メイドとご主人様ってどうやって次の関係に進むのだろうか。
僕はメイドの子誰でもいいので童貞を捨てたいと思っている。
最高齢のマーサでも構わない。
むしろ彼女は38歳という年齢には思えない若々しい見た目のとても綺麗なお姉さんという感じで、土下座してお願いしたいくらいだ。
しかし土下座してお願いして童貞を卒業していいものなのか。
世間では奴隷に対しては殺したり毎日暴力を振るったりという度のすぎた酷いことをしなければ何をしてもいいみたいな感じらしいのだけれど、どう考えても無理やりやった後の人間関係は最悪になるだろう。
僕はさすごしゅされたいのでそういうのは嫌なのだ。
土下座してお願いしたらきっと誰も僕に逆らうことはできない。
しかし内心嫌だなぁ、ご主人様気持ち悪いなぁ、とか思われている可能性だってある。
普段から怒らないのでなるべく本心を口にしてほしいとは言っているものの、そういった場面で本当にNOと言ってくれるだろうか。
「レン様、どうしたんですか?」
「い、いや、2人とも今日も可愛いなと思って……」
「えへへ、ありがとうございます」
クレアとクロエは普段から可愛いと言われ慣れているのか、僕の稚拙な口説き文句などは屁とも思っていないようだ。
わからん、奴隷の攻略法がわからん。
困っている奴隷を買って色々買い与えていい生活をさせればラノベの主人公は勝手に奴隷たちにラブラブちゅっちゅされていたんだ。
僕だって同じようなことをしたのに、なぜ惚れられていないんだ。
仕方がない、ザックスに女の人の口説き方を習ってコツコツ口説いていくとしよう。
戦闘職として買った奴隷は全部で12人。
女性4人に男性8人だ。
この12人にザックスを加えた13人が基本的に戦闘を専門に行う人たちということになる。
全員ローテーションでパーティを組み、ダンジョンに挑んでもらう。
これは別に本気でダンジョンアタックをしろというわけではなく、ダンジョンで適度にモンスターを狩って精霊力を高めてもらうというだけだ。
ザックスは本気で挑みたいだろうけれど、本気のときは自由参加にしてもらうこととする。
元傭兵だったり、亡国の騎士なんていう人もいてモンスターよりも対人戦のほうが得意という人もいるからね。
「じゃあ行こうか」
今日は僕もダンジョンに同行する。
かねてからやろうと思っていたパワーレベリングのためだ。
後は攻撃魔法も試してみたい。
今日のメンバーは元冒険者のレベッカ、同じく元冒険者のモニカ、元傭兵団団長のドミニク、元冒険者のスコット、元亡国の騎士のザイード、プラス僕とザックスの7人だ。
少し多いかもしれないけれど、バリバリ非戦闘職の僕を守ってほしいから少し過剰な戦力にしてみた。
「これからこうやって非戦闘員を同行させて精霊力上げをお願いすることもあると思うからその練習だと思って頑張ってね」
僕だけでなく、普段は屋敷で働いてくれている非戦闘職の奴隷たちもたまにパワーレベリングしておけばいざという時に生存確率がぐんと上がる。
僕は平穏を好む大人しい転生者だけれど、転生者というだけで厄介ごとに巻き込まれることだってあるかもしれない。
お金をたくさん持っているので狙われる可能性もある。
そんなときのために精霊力を上げてフィジカルだけでも鍛えておけばとれる手も増えることだろう。
「わかりました。私は元騎士、警護は得意中の得意でございます」
ザイードは浅黒い肌に黒目黒髪の少しエキゾチックな感じの青年だ。
装備は重そうな金属鎧に騎士みたいなロングソード、そしてこれまた騎士みたいなカイトシールドだ。
完全に騎士の恰好だね。
その見た目どおり堅い守りが自慢のようだ。
「私はどうでしょうかね。皆さんの足を引っ張らないように頑張ります」
元傭兵団団長のドミニクはその肩書から想像する人物象とは全く違い、ずいぶんと腰の低いおじさんだ。
頭は禿げあがり、腹が出ている。
防具はお腹がつっかえない皮鎧で、武器はメイスだ。
防具を外せば中年太りの普通のサラリーマンという雰囲気の人だけれど、同じ傭兵団の元副団長デニスからはかなり慕われている。
きっとやるときはやる人なのだろう。
そういうのかっこいいよね。
「いやぁ、ザックスさんと一緒にダンジョンに潜れるなんて感激っす」
「本当にね。レン様に買われてよかった」
「汚らしいおじさんに買われて夜の相手とかさせられたら嫌だよね。あ、ザックスさんならいつでもOKなんで……」
「おう、今度一晩頼むぜ。2人一緒でも構わないからな」
「「きゃっ」」
元冒険者の3人はザックスとは元々知り合いだったようだ。
まあそりゃあザックスはこの街のギルドでは有名人だものね。
そしてナチュラルに夜の約束をしている。
なるほど、こういう女の子からのアピールを見逃さないのか。
お前は冗談半分かもしれないけれどこっちは本気にするからなって感じで後戻りできないようにするのか。
真剣な顔で少し流し目を送ると女の子がぽっとなると。
勉強になるな。
しかしこんなにわかりやすいお誘いならば僕でも見逃さない可能性はあるけれど、もっとわかりづらいアピールだったらどう汲みとればいいんだ。
今度ザックスに聞いてみよう。
それにしても2人一緒か、羨ましすぎて発狂しそうだ。
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