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1.ゴミスキル
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僕ことクロードは転生者である。
しかしチートはない。
なんの取り得もなく、異世界で無双できるような知識もなく、ゴブリンを倒すのにも苦労する底辺冒険者だ。
毎日毎日馬鹿の一つ覚えみたいに薬草を納品するだけの男だ。
しかしそんなゴミクズみたいな生活も今日までだ。
毎日銅貨1枚ずつチマチマ貯金すること2年8ヶ月と27日。
今日やっと念願の銀貨10枚が貯まった。
これでやっと買うことができる。
憧れの、スキルオーブを。
簡単に説明すると、スキルオーブとは迷宮の宝箱から稀に見つかるスキルの力が封じ込められた宝珠のことだ。
この世界では先天的に授かる以外には、スキルオーブでしかスキルを手に入れることはできない。
つまり、なんのスキルも持たずに生まれた僕のような人間には、高い金を払ってスキルオーブを買わないとスキル無双することはできないということだ。
スキルオーブの値段は最低でも銀貨10枚。
先天的にスキルを授かった一握りの天才か、金持ちのみが力を手にすることができる最低の世界だ。
いや、前の世界とそう変わらないか。
まあそんなことはどうでもいい。
僕はこのスキルオーブを手に入れるために毎日不味い黒パンと塩スープで過ごして、来る日も来る日も1日たりとも休むことなく薬草を納品し続けたんだ。
さあ、これから僕のチートな日々が始まる。
「これください!」
僕がドチャリと置いた1000枚の銅貨に、スキル屋の店主は少し嫌な顔をして舌打ちをしたがなんとか数えてくれた。
「はい、丁度。小銭で買うのはこれっきりにしてくれ」
店主がなにやら小言を言ってきたけれど、僕には気にならない。
なにせやっと念願のスキルが手に入ったんだからね!
僕は店員から受け取ったスキルオーブを持って、小躍りしながらスキル屋を後にした。
楽しみだ。
宿に戻った僕は部屋に引きこもり、さっそくスキルを取得する。
スキルオーブにはひとつひとつ商業ギルドの鑑定証が付いており、なんのスキルが封入されているかが分かるようになっている。
僕が買ったのは【回転lv1】のスキル。
やばいよね、回転!
アニメかなんかで円運動は武術の基本にして奥義とか言ってたし、回転とか絶対強いスキルじゃん!
ほら、鑑定証にも。
【回転lv1】触れたものを回転させるスキル(非生物のみ)使いどころが分からないゴミスキル。
ね?
ちょっとゴミスキルとかよく分からないことが書いてあるけど、絶対使えるスキルだって。
蒸気機関ができてから産業革命が起きたんだから。
蒸気機関って蒸気の力でタービンを回すやつでしょ?
言ってみれば【回転lv1】は蒸気機関並みのエネルギーを孕んだスキルなんだよ。
回転なんて使えないスキルなわけないんだって。
銀貨10枚もするものが使えないスキルなわけないんだって!
誰か使えるって言ってくれよ!!
このゴミスキルを誰か使えるって言ってくれよ!!!!
取り乱すなんて僕らしくないことをしてしまった。
それくらいこのスキルオーブに対する想いが強いってことなんだよ。
だって2年以上かかったんだよ、これを買うのに。
あの頃は輝いて見えたものが、今はこんなにもゴミクズのように見えることってあるよね。
もうはっきり言うけど、これゴミスキルやん。
非生物を触らないと回転させられないスキルなんて何に使えるんだ。
馬車とかの車輪を回転させて推進力に使おうにも車輪に触れてないと回転させられないんだよ。
危なくてしょうがない。
生物には使えないから魔物との戦闘にも使いにくい。
対人戦やゴブリンなどとの戦闘で相手の武器を回転させるとかも考えたけれど、戦闘中に敵の武器に触れるのは難しい。
これをうまく使う方法なんてあるんだろうか。
色々と考えた結果、このスキルの使い道は投擲に決まった。
戦闘でこのスキルを使うのは難しい。
自分の物以外を回転させるのはまず無理だろう。
だから自分の物を回転させて戦う方法で、一番いい方法を考えた。
それが投擲だ。
投げたものにすべて強い回転がかかるというのは、投擲において非常にメリットが大きい。
なにせ石を投げれば自然にジャイロボールになるし、槍を投げれば貫通力が上がる。
これがこの【回転lv1】というスキルの、正しい使い方なのではないだろうか。
というわけで今日で僕は【薬草拾い】というあだ名ともおさらばだ。
もう僕は薬草を採取しない。
これからは魔物を狩る冒険者らしい冒険者になるんだ。
いつもの薬草のある草原を通り抜け、僕はワンランク上の狩場である見習いの森に向かう。
この森は冒険者見習いたちがゴブリンを狩るのにちょうどいい狩場だからこんな名前になったらしい。
今まで僕は見習い以下だったのかと少し悲しくなるけれど、薬草ばかり取っていたのだからしょうがないだろう。
魔物なんて、たとえ最弱の魔物ゴブリンだってスキルなしの一般人が戦えば死ぬこともあるんだ。
スキルもなかった今までの僕では、戦い続けるのには無理がある。
だけど今の僕はもう以前の僕じゃない。
スキル【回転lv1】を手に入れたトルネードクロードだ。
いやダサいからやめよう。
僕は森に入る前に木の棒を集める。
ずっとスキルを手に入れるために貯金してきて、昨日やっと念願のスキルを手に入れた僕だけれど、その他のものを買う余裕はなかった。
だから武器がないんだ。
ついでに防具も。
身につけているもので武器になりそうなものといえば、腰に帯びたナイフのみ。
これではゴブリンと戦うのにも危険だ。
だからこの木の棒を使う。
木の棒といってもなかなか侮れない。
こうしてナイフで先を削って尖らせてやれば、よし投げ槍完成だ。
これをジャイロ回転させながら投げる。
これでゴブリンも一殺(いちころ)だ。
僕は10本ほどの木の棒を拾いすべて先を尖らせて投げ槍とし、ロープで束ねて背中に背負った。
その他に一応のために石ころを拾っておく。
木のぼ……投げ槍が尽きたときのためにね。
よし、いざ出陣。
僕は森に足を踏み出した。
しかしチートはない。
なんの取り得もなく、異世界で無双できるような知識もなく、ゴブリンを倒すのにも苦労する底辺冒険者だ。
毎日毎日馬鹿の一つ覚えみたいに薬草を納品するだけの男だ。
しかしそんなゴミクズみたいな生活も今日までだ。
毎日銅貨1枚ずつチマチマ貯金すること2年8ヶ月と27日。
今日やっと念願の銀貨10枚が貯まった。
これでやっと買うことができる。
憧れの、スキルオーブを。
簡単に説明すると、スキルオーブとは迷宮の宝箱から稀に見つかるスキルの力が封じ込められた宝珠のことだ。
この世界では先天的に授かる以外には、スキルオーブでしかスキルを手に入れることはできない。
つまり、なんのスキルも持たずに生まれた僕のような人間には、高い金を払ってスキルオーブを買わないとスキル無双することはできないということだ。
スキルオーブの値段は最低でも銀貨10枚。
先天的にスキルを授かった一握りの天才か、金持ちのみが力を手にすることができる最低の世界だ。
いや、前の世界とそう変わらないか。
まあそんなことはどうでもいい。
僕はこのスキルオーブを手に入れるために毎日不味い黒パンと塩スープで過ごして、来る日も来る日も1日たりとも休むことなく薬草を納品し続けたんだ。
さあ、これから僕のチートな日々が始まる。
「これください!」
僕がドチャリと置いた1000枚の銅貨に、スキル屋の店主は少し嫌な顔をして舌打ちをしたがなんとか数えてくれた。
「はい、丁度。小銭で買うのはこれっきりにしてくれ」
店主がなにやら小言を言ってきたけれど、僕には気にならない。
なにせやっと念願のスキルが手に入ったんだからね!
僕は店員から受け取ったスキルオーブを持って、小躍りしながらスキル屋を後にした。
楽しみだ。
宿に戻った僕は部屋に引きこもり、さっそくスキルを取得する。
スキルオーブにはひとつひとつ商業ギルドの鑑定証が付いており、なんのスキルが封入されているかが分かるようになっている。
僕が買ったのは【回転lv1】のスキル。
やばいよね、回転!
アニメかなんかで円運動は武術の基本にして奥義とか言ってたし、回転とか絶対強いスキルじゃん!
ほら、鑑定証にも。
【回転lv1】触れたものを回転させるスキル(非生物のみ)使いどころが分からないゴミスキル。
ね?
ちょっとゴミスキルとかよく分からないことが書いてあるけど、絶対使えるスキルだって。
蒸気機関ができてから産業革命が起きたんだから。
蒸気機関って蒸気の力でタービンを回すやつでしょ?
言ってみれば【回転lv1】は蒸気機関並みのエネルギーを孕んだスキルなんだよ。
回転なんて使えないスキルなわけないんだって。
銀貨10枚もするものが使えないスキルなわけないんだって!
誰か使えるって言ってくれよ!!
このゴミスキルを誰か使えるって言ってくれよ!!!!
取り乱すなんて僕らしくないことをしてしまった。
それくらいこのスキルオーブに対する想いが強いってことなんだよ。
だって2年以上かかったんだよ、これを買うのに。
あの頃は輝いて見えたものが、今はこんなにもゴミクズのように見えることってあるよね。
もうはっきり言うけど、これゴミスキルやん。
非生物を触らないと回転させられないスキルなんて何に使えるんだ。
馬車とかの車輪を回転させて推進力に使おうにも車輪に触れてないと回転させられないんだよ。
危なくてしょうがない。
生物には使えないから魔物との戦闘にも使いにくい。
対人戦やゴブリンなどとの戦闘で相手の武器を回転させるとかも考えたけれど、戦闘中に敵の武器に触れるのは難しい。
これをうまく使う方法なんてあるんだろうか。
色々と考えた結果、このスキルの使い道は投擲に決まった。
戦闘でこのスキルを使うのは難しい。
自分の物以外を回転させるのはまず無理だろう。
だから自分の物を回転させて戦う方法で、一番いい方法を考えた。
それが投擲だ。
投げたものにすべて強い回転がかかるというのは、投擲において非常にメリットが大きい。
なにせ石を投げれば自然にジャイロボールになるし、槍を投げれば貫通力が上がる。
これがこの【回転lv1】というスキルの、正しい使い方なのではないだろうか。
というわけで今日で僕は【薬草拾い】というあだ名ともおさらばだ。
もう僕は薬草を採取しない。
これからは魔物を狩る冒険者らしい冒険者になるんだ。
いつもの薬草のある草原を通り抜け、僕はワンランク上の狩場である見習いの森に向かう。
この森は冒険者見習いたちがゴブリンを狩るのにちょうどいい狩場だからこんな名前になったらしい。
今まで僕は見習い以下だったのかと少し悲しくなるけれど、薬草ばかり取っていたのだからしょうがないだろう。
魔物なんて、たとえ最弱の魔物ゴブリンだってスキルなしの一般人が戦えば死ぬこともあるんだ。
スキルもなかった今までの僕では、戦い続けるのには無理がある。
だけど今の僕はもう以前の僕じゃない。
スキル【回転lv1】を手に入れたトルネードクロードだ。
いやダサいからやめよう。
僕は森に入る前に木の棒を集める。
ずっとスキルを手に入れるために貯金してきて、昨日やっと念願のスキルを手に入れた僕だけれど、その他のものを買う余裕はなかった。
だから武器がないんだ。
ついでに防具も。
身につけているもので武器になりそうなものといえば、腰に帯びたナイフのみ。
これではゴブリンと戦うのにも危険だ。
だからこの木の棒を使う。
木の棒といってもなかなか侮れない。
こうしてナイフで先を削って尖らせてやれば、よし投げ槍完成だ。
これをジャイロ回転させながら投げる。
これでゴブリンも一殺(いちころ)だ。
僕は10本ほどの木の棒を拾いすべて先を尖らせて投げ槍とし、ロープで束ねて背中に背負った。
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よし、いざ出陣。
僕は森に足を踏み出した。
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