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134.PTA集会
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ざまあ、あります。
少し長いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下本編
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「えー、子供たちの話では2日ほどをその異世界で過ごしたとのことでございましたが、こちらでは一晩の出来事でして……」
「校長先生としては今回の事件をどう捉えていらっしゃるのですか?何の要因で起こり得た事件なのかなど」
「えー、私といたしましては子供たちの話は少々荒唐無稽でありまして、催眠ガスかなにかによる集団催眠であると……」
「あんたは子供たちの話を信じないのか!!」
「いえ、あくまで客観的に見た一般論の話でして……」
「じゃあ子供たちは一晩どこに行ってたんだよ!!」
「いえ、そのことにつきましては私共も調査中でございまして……」
僕が集団転移させてしまったクラスの保護者たちを集めたPTA集会は荒れている。
当然だけどね。
子供たちが突然居なくなって一晩経ったらビルの屋上に現われたのだから。
子供たちは異世界に転移していたのだと主張するが、それをそのまま信じる大人は少ないだろう。
あとは向こうで男子生徒たちが起こした強姦未遂の件とか、志織ちゃんのいじめの件とか、荒れに荒れている。
PTA集会が始まってからもお母様は一言もしゃべらない。
しかしお母様に話しかける人も皆無。
皆恐れているのだ、お母様の導火線に火を付けるのが自分になることを。
しかしもう手遅れだ。
お母様の爆弾はすでに爆発している。
さすがに隠しきれなくなって僕がお母様にこれまでのいきさつをすべて話してしまったから。
僕もお仕置きされてしまった。
今もそのお仕置きの途中なんだけどね。
今僕はクロに憑依してお母様の膝の上に収まっている。
志織ちゃんのことをすぐに話さなかったお仕置きとして、僕は昨日からずっと猫に憑依したままで過ごすことを強いられている。
以前ゴブリンに憑依してお母様とお嬢様のおっぱいを揉んだことがばれてから、他にも憑依できるものが無いかと聞かれたときに僕はうっかり鳩や猫にも憑依できることをしゃべってしまっていた。
それ以来お母様はことあるごとに猫に憑依して撫でくりまわすことを強要してくるのだ。
別に人間の姿のまま身体中を撫で回しても構わないと言われれば、猫に憑依するしかあるまい。
さすがに18歳の男がママに撫で回されるのはちょっと親子のスキンシップを超えてしまっているからね。
それはプレイだ。
お金を払ってやってもらうことだと僕の中では認識している。
今日はPTA総会があると聞いていたので、やっと解放されると思っていたらまさかお膝に乗せて連れて行かれるとは。
ニコニコと優しい笑顔を浮かべながら膝の猫(僕)を撫でるお母様。
しかしその目は笑っておらずお母様の両隣には大きな隙間が空いていた。
まるでこのエリアだけは会議室の中でも別の世界であるかのように誰もお母様のほうを見ない。
「では、生徒たちの集団行方不明事件は警察と連携して今後も調査を続けていくということでよろしいでしょうか」
「それしかないでしょう。防犯カメラにも何も映っていない以上は何か分かるとは思えませんがね」
「女子生徒たちが乱暴されかけた件についてはどうなさるおつもりでしょうか」
「生徒たち全員に聞き取り調査を行いまして、えー、特に問題のある行動を取った生徒には対処していきたいと思っておりまして……」
「それにつきましても、子供たちの見ていたものが本当に現実であったのかというのが問題になってきますので今後の調査次第であります」
校長の煮え切らない意見を訂正するように、おそらく学校法人の経営側と見られる男が締め括る。
結局何もかもが現実に起きたことなのか分からない現状では、出せる結論はなにひとつ無いということだろう。
保護者側も特に食い下がるネタがなくなったのか、場は一時しんと静まり返る。
すっとお母様の手が猫(僕)の頭から離れる。
お母様が手提げバッグから取り出したのは、綺麗な装飾の入った扇子だった。
まさかこれは、拓君の家でやった乙女ゲーのお嬢様キャラの得意技では……。
バンッ!!という音に僕はビクリとする。
お母様が扇子で机を叩いた音だ。
そうやって使うんだ、扇子。
扇子をそうやって使うのは漫談師だけかと思ってたよ。
「それで、異世界がどうとかいうどうでもいい話題は終わりましたでしょうか。終わったのであれば本題に入りたいのですが……」
本題なんだ、そっちが。
まあそうだよね。
お母様は異世界転移が僕の仕業だと知っている。
お母様からしたら志織ちゃんのいじめ以外に用件は無いわけだ。
会議室に集まった面々は皆一様に俯き顔を真っ青にしている。
それだけの威圧感がお母様から発せられているのだ。
「では校長先生、説明を」
「わ、私共といたしましても、このことは寝耳に水でございまして……」
「ではこの学校において、誰も娘がいじめを受けていることを認識していなかったと申されるのでしょうか。それはそれで問題だと思いますが。この学校では生徒のことを何も見ていないということになりますから。生徒は金を落としてくれる豚の子供だとでも思っているのでしょうかね」
「い、いえ!!そのようなことは全く!!」
「あら、でも私聞きましたよ、校長先生。生徒は金の卵を産んでくれる鶏の雛だって周りの方におっしゃっているみたいじゃないですか。私とても面白くてお腹を抱えて笑ってしまいましたよ。おほほ」
「あ。あはは、それは、なにかの、間違い、ではないかと……」
「何がおかしいんですの?何か笑えるようなことがありましたか?」
「い、いえ!!め、めっそうもございません!!」
僕はお母様の膝の上で冷や汗を垂らして見守る。
お母様は怖いけど、なんか悪役令嬢モノのざまあみたいで楽しくなってきた。
こんなリアルなざまあを間近で見られるのは少し得をしたかもしれない。
「た、担任の小山先生。せ、説明をお願いします!」
「私ですか?私は何も……」
「うちの息子から、あなたに娘のいじめを告げたけれど取り合っていただけなかったと聞いておりますが」
「で、ですが、私は生徒の自主性を尊重して……」
「面白いことをおっしゃっていたことは息子から聞いていますよ。なんでしたっけ、生徒が誰と話して誰と話さないかは自由だとか。それは好きな人と話して、嫌いな人とは話したくないから無視してもいいということでしょうか」
「たしかに無視するのはやりすぎかもしれません。ですが無理して付き合う必要は無いのではないかと思うだけです」
担任の小山先生は激おこのお母様を前にしても、毅然としてしっかりと自分の意見を口にする。
自分の考えは間違っていないのだという信念が彼女を支えているのだろう。
気の強い女の人は好きだけど、凝り固まった考えの人は苦手だな。
それにたぶん処女だし。
得てして処女というのはめんどくさい人が多い(あくまで個人の意見)。
「そうですか。それが社会に出たら普通のことであるから、中学生のうちからそうするべきだとあなたはおっしゃるわけですね」
「そ、そのとおりです」
「わかりました。では私はあなたのことが嫌いなのであなたとは二度と口を聞きません。いえ、あなただけではありませんね。この学校の教師、学校法人の社員、さらに娘と同じクラスだった子供の親も大嫌いなので二度と話したくありませんし私の会社と仕事をして欲しくもないです。校長先生、娘と息子を転校させますので手続きだけはお願いしますね。それ以外は一切話しかけないでください。以上です」
「さ、真田さん!?ま、待ってください。この度のことはすべて担任の小山先生の責任で……」
「校長先生!?」
「小山先生も謝って!!ほら、膝ついて、土下座するんだよ!!」
「校長先生そんなことをされても何も変わりませんよ。それに私はどうでもいい皆さんの言い訳も聞きたくないのです」
「そ、そんな!!」
「さ、真田さん。嘘ですよね、わ、私の会社とあなたの会社は来年共同出資の話が……」
一人の親が、お母様のことを縋るような目で見つめる。
他の親たちも少なからずお母様の会社とは取引がある人が多いようで、同じような顔をしている。
この学校はそこそこお金持ちの通う学校だから生徒の親の中には会社経営者も多いのだろう。
お母様は僕に話しかけるときとは全く違う冷たい声音で突き放す。
「無理ですね。あの話は元々そこまで乗り気ではありませんでしたし。あなたの会社だけで全額出資して差し上げればいいじゃありませんか」
「ど、どうすれば許していただけ……」
「わかりませんか?あなた方はすでに手遅れなのですよ。何もかもが遅すぎた。あなた方が間違えたのは子供を生んだ次の日からです。あなた方の育て上げた子供が私の大切なものに傷をつけた。その罪はあなた方に償っていただきます」
「そんな……」
「では私はこれで。あ、田中君のご両親だけは情状酌量の余地ありと、子供たちが申しておりましたのでそのようにいたします」
「助かった……」
お母様の去り際、安堵の声が一つだけ聞こえたのだった。
少し長いです。
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以下本編
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「えー、子供たちの話では2日ほどをその異世界で過ごしたとのことでございましたが、こちらでは一晩の出来事でして……」
「校長先生としては今回の事件をどう捉えていらっしゃるのですか?何の要因で起こり得た事件なのかなど」
「えー、私といたしましては子供たちの話は少々荒唐無稽でありまして、催眠ガスかなにかによる集団催眠であると……」
「あんたは子供たちの話を信じないのか!!」
「いえ、あくまで客観的に見た一般論の話でして……」
「じゃあ子供たちは一晩どこに行ってたんだよ!!」
「いえ、そのことにつきましては私共も調査中でございまして……」
僕が集団転移させてしまったクラスの保護者たちを集めたPTA集会は荒れている。
当然だけどね。
子供たちが突然居なくなって一晩経ったらビルの屋上に現われたのだから。
子供たちは異世界に転移していたのだと主張するが、それをそのまま信じる大人は少ないだろう。
あとは向こうで男子生徒たちが起こした強姦未遂の件とか、志織ちゃんのいじめの件とか、荒れに荒れている。
PTA集会が始まってからもお母様は一言もしゃべらない。
しかしお母様に話しかける人も皆無。
皆恐れているのだ、お母様の導火線に火を付けるのが自分になることを。
しかしもう手遅れだ。
お母様の爆弾はすでに爆発している。
さすがに隠しきれなくなって僕がお母様にこれまでのいきさつをすべて話してしまったから。
僕もお仕置きされてしまった。
今もそのお仕置きの途中なんだけどね。
今僕はクロに憑依してお母様の膝の上に収まっている。
志織ちゃんのことをすぐに話さなかったお仕置きとして、僕は昨日からずっと猫に憑依したままで過ごすことを強いられている。
以前ゴブリンに憑依してお母様とお嬢様のおっぱいを揉んだことがばれてから、他にも憑依できるものが無いかと聞かれたときに僕はうっかり鳩や猫にも憑依できることをしゃべってしまっていた。
それ以来お母様はことあるごとに猫に憑依して撫でくりまわすことを強要してくるのだ。
別に人間の姿のまま身体中を撫で回しても構わないと言われれば、猫に憑依するしかあるまい。
さすがに18歳の男がママに撫で回されるのはちょっと親子のスキンシップを超えてしまっているからね。
それはプレイだ。
お金を払ってやってもらうことだと僕の中では認識している。
今日はPTA総会があると聞いていたので、やっと解放されると思っていたらまさかお膝に乗せて連れて行かれるとは。
ニコニコと優しい笑顔を浮かべながら膝の猫(僕)を撫でるお母様。
しかしその目は笑っておらずお母様の両隣には大きな隙間が空いていた。
まるでこのエリアだけは会議室の中でも別の世界であるかのように誰もお母様のほうを見ない。
「では、生徒たちの集団行方不明事件は警察と連携して今後も調査を続けていくということでよろしいでしょうか」
「それしかないでしょう。防犯カメラにも何も映っていない以上は何か分かるとは思えませんがね」
「女子生徒たちが乱暴されかけた件についてはどうなさるおつもりでしょうか」
「生徒たち全員に聞き取り調査を行いまして、えー、特に問題のある行動を取った生徒には対処していきたいと思っておりまして……」
「それにつきましても、子供たちの見ていたものが本当に現実であったのかというのが問題になってきますので今後の調査次第であります」
校長の煮え切らない意見を訂正するように、おそらく学校法人の経営側と見られる男が締め括る。
結局何もかもが現実に起きたことなのか分からない現状では、出せる結論はなにひとつ無いということだろう。
保護者側も特に食い下がるネタがなくなったのか、場は一時しんと静まり返る。
すっとお母様の手が猫(僕)の頭から離れる。
お母様が手提げバッグから取り出したのは、綺麗な装飾の入った扇子だった。
まさかこれは、拓君の家でやった乙女ゲーのお嬢様キャラの得意技では……。
バンッ!!という音に僕はビクリとする。
お母様が扇子で机を叩いた音だ。
そうやって使うんだ、扇子。
扇子をそうやって使うのは漫談師だけかと思ってたよ。
「それで、異世界がどうとかいうどうでもいい話題は終わりましたでしょうか。終わったのであれば本題に入りたいのですが……」
本題なんだ、そっちが。
まあそうだよね。
お母様は異世界転移が僕の仕業だと知っている。
お母様からしたら志織ちゃんのいじめ以外に用件は無いわけだ。
会議室に集まった面々は皆一様に俯き顔を真っ青にしている。
それだけの威圧感がお母様から発せられているのだ。
「では校長先生、説明を」
「わ、私共といたしましても、このことは寝耳に水でございまして……」
「ではこの学校において、誰も娘がいじめを受けていることを認識していなかったと申されるのでしょうか。それはそれで問題だと思いますが。この学校では生徒のことを何も見ていないということになりますから。生徒は金を落としてくれる豚の子供だとでも思っているのでしょうかね」
「い、いえ!!そのようなことは全く!!」
「あら、でも私聞きましたよ、校長先生。生徒は金の卵を産んでくれる鶏の雛だって周りの方におっしゃっているみたいじゃないですか。私とても面白くてお腹を抱えて笑ってしまいましたよ。おほほ」
「あ。あはは、それは、なにかの、間違い、ではないかと……」
「何がおかしいんですの?何か笑えるようなことがありましたか?」
「い、いえ!!め、めっそうもございません!!」
僕はお母様の膝の上で冷や汗を垂らして見守る。
お母様は怖いけど、なんか悪役令嬢モノのざまあみたいで楽しくなってきた。
こんなリアルなざまあを間近で見られるのは少し得をしたかもしれない。
「た、担任の小山先生。せ、説明をお願いします!」
「私ですか?私は何も……」
「うちの息子から、あなたに娘のいじめを告げたけれど取り合っていただけなかったと聞いておりますが」
「で、ですが、私は生徒の自主性を尊重して……」
「面白いことをおっしゃっていたことは息子から聞いていますよ。なんでしたっけ、生徒が誰と話して誰と話さないかは自由だとか。それは好きな人と話して、嫌いな人とは話したくないから無視してもいいということでしょうか」
「たしかに無視するのはやりすぎかもしれません。ですが無理して付き合う必要は無いのではないかと思うだけです」
担任の小山先生は激おこのお母様を前にしても、毅然としてしっかりと自分の意見を口にする。
自分の考えは間違っていないのだという信念が彼女を支えているのだろう。
気の強い女の人は好きだけど、凝り固まった考えの人は苦手だな。
それにたぶん処女だし。
得てして処女というのはめんどくさい人が多い(あくまで個人の意見)。
「そうですか。それが社会に出たら普通のことであるから、中学生のうちからそうするべきだとあなたはおっしゃるわけですね」
「そ、そのとおりです」
「わかりました。では私はあなたのことが嫌いなのであなたとは二度と口を聞きません。いえ、あなただけではありませんね。この学校の教師、学校法人の社員、さらに娘と同じクラスだった子供の親も大嫌いなので二度と話したくありませんし私の会社と仕事をして欲しくもないです。校長先生、娘と息子を転校させますので手続きだけはお願いしますね。それ以外は一切話しかけないでください。以上です」
「さ、真田さん!?ま、待ってください。この度のことはすべて担任の小山先生の責任で……」
「校長先生!?」
「小山先生も謝って!!ほら、膝ついて、土下座するんだよ!!」
「校長先生そんなことをされても何も変わりませんよ。それに私はどうでもいい皆さんの言い訳も聞きたくないのです」
「そ、そんな!!」
「さ、真田さん。嘘ですよね、わ、私の会社とあなたの会社は来年共同出資の話が……」
一人の親が、お母様のことを縋るような目で見つめる。
他の親たちも少なからずお母様の会社とは取引がある人が多いようで、同じような顔をしている。
この学校はそこそこお金持ちの通う学校だから生徒の親の中には会社経営者も多いのだろう。
お母様は僕に話しかけるときとは全く違う冷たい声音で突き放す。
「無理ですね。あの話は元々そこまで乗り気ではありませんでしたし。あなたの会社だけで全額出資して差し上げればいいじゃありませんか」
「ど、どうすれば許していただけ……」
「わかりませんか?あなた方はすでに手遅れなのですよ。何もかもが遅すぎた。あなた方が間違えたのは子供を生んだ次の日からです。あなた方の育て上げた子供が私の大切なものに傷をつけた。その罪はあなた方に償っていただきます」
「そんな……」
「では私はこれで。あ、田中君のご両親だけは情状酌量の余地ありと、子供たちが申しておりましたのでそのようにいたします」
「助かった……」
お母様の去り際、安堵の声が一つだけ聞こえたのだった。
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