断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉

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3.開門

 ワシはブケファラスに乗ったまま口上を述べる。

「我が孫娘エリカへの数々の非道、許し難し!!もはや王家に忠誠など誓ってはおれん!!貴様ら今から行って全員首を撥ね飛ばしてやるから首を洗って待っとけボケがぁっ!!!」

 つい気持ちが昂ってしまったがまあ大体言いたいことが言えた。
 ここからは戦場だ。
 ワシはブケファラスから降りると矛を侍従に預け、代わりに大槌を受け取る。
 重たい鋼鉄製の大槌は戦で使うような取り回しのいい戦槌ではなく、土木工事なんかに使うようなただ重たいだけの物だ。
 ワシは城門の前に陣取ると、それを大きく振りかぶった。
 これだけ城壁の前に近づいておるというのに矢の一つも飛んでこんとは拍子抜けじゃ。
 どうやら王都の守備兵は本当にビビっているようじゃのう。
 まあちょうどよい。
 ワシは魔力で全身の身体能力を強化し、思い切り大槌を門に叩きつけた。
 金属と金属がぶつかり合い、鼓膜が破れそうな爆音が鳴る。
 当然だが、王都の城門がこの程度の攻撃で破れるほど脆いはずはない。
 しかし、中で立てこもっておる兵たちの心はそれほど強靭ではない。

「ひぃぃっ、辺境伯だ!!」

「鬼将ロベルト・レグルスが攻めてきたんだ!!」

「もう王都は終わりだ……」

 多少歳をとったとて、ワシの武名もまだまだ影響力を持っておるようだ。
 ちょいと槌で城門を突いてやれば泣き出す兵がおるとは。
 どれ、もう一発。
 そしてここらで甘い言葉でもかけてやれば。

「門を開けよ!門さえ開け放てば貴様らに手出しはせんと約束しよう!!
!!」

「開門!かいもーん!!」

「うわぁぁぁっ、逃げろぉ」

「死にたくねえよぅ」

 あっという間に門が開いたのう。
 さて、王家のやつらはどこかのう。

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