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16.化け物鹿再び
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ジルタと相互利益のある契約を結び共同生活を送っていた俺だが、今日は息抜きも兼ねて分身で森に来ていた。
以前よりも魔法を上手く使えるようになった実感があるので、野生動物や魔獣を相手に試してみようと思ったのだ。
銃に拘泥して本来の目的を忘れてしまっては本末転倒だ。
銃を作らなくても魔法で野生動物や魔獣を仕留められるのならばそれはそれでいい。
銃なんて趣味で作ればいいだけだからな。
銃の密造なんて、日本でやればお縄だ。
その点でも俺はこの世界に来ることができてよかったと思っている。
今日の俺はギリースーツも着ていないし木の上に潜んでもいない。
俺が六属性の魔法の内、最も上手く使うことができるのは当然スキルを持っている地魔法だ。
地魔法は固体を操る力を持つ。
その中でも今の俺の魔力値でもまともに使えるのは、土を押し固めて刃のように地表に伸ばすアースニードルという魔法くらいだろう。
木の上からでは土を上手く操作することができないので俺は地面で獲物を待ち構えているというわけだ。
ビクビクしながら森の中層で待つこと30分ほど。
俺の索敵スキルがビンビン存在感を発する生き物の気配をとらえた。
この気配、これはあのときの鹿じゃないか?
忘れもしない始めてこの森に入ったばかりの頃に出会った化け物みたいな鹿。
憐れな獲物を装って肉食獣を誘い出し、無残に殺したあの獣。
あの独特の存在感は忘れることはできない。
正直格上すぎてなんの検証にもならない気がする。
今すぐに分身を消して宿屋からやりなおすべきだ。
だが、魔力値100を超えるあの化け物相手に1発かましてやりたい気持ちもある。
魔力値100っていうのは森の中層であってもなかなか出会わない魔獣だ。
俺の力が足らないのはわかっているが、どうしたら圧倒的な格上に攻撃が通用するのかという明確なビジョンは未だ何も持てていない。
ただ漠然と銃があったら少しは驚かせてやれるのに、と思っていただけだ。
魔力値100を超える化け物に相対する機会というのは、チャンスなのではないだろうか。
魔力値100越えの魔獣の攻撃を受けてみれば、その世界が分かる。
それと同じ威力の攻撃力を叩きだせる武器があれば、倒せる。
そうと決まれば使う魔法を攻撃用のものから防御用のものへと変更する。
土壁を作り出す魔法、アースウォール。
土といってもその防御力はレンガの壁に匹敵する。
俺はその魔法を使い、自分を3重の壁で覆った。
硬く焼き固められたレンガを3重で敷き詰めた分厚い壁。
普通は鹿の角の攻撃などではビクともしないだろう。
鹿は足音も立てずにこちらに近づいてきている。
攻撃的な性格のあの鹿のことだ、森の中にこんなレンガ塀があれば攻撃するに違いない。
ピタリと鹿の気配は俺の造りだしたレンガ塀の前で止まる。
怖い。
俺にとってあの鹿はトラウマだ。
すぐにでも分身を消してしまいたい衝動にかられる。
ゴリゴリとなにかを削るような音が聞こえてきた。
まさか角を研いでいるのか、レンガ塀で。
次の瞬間、シャリッという音とともに俺の腹に何かが刺さった。
分身は消え、俺は宿屋のベッドで転げ回ることになった。
「あぁぁぁぁぁっ、腹がっ」
当然本体は無傷だ。
だが俺の脳には分身の腹が鹿の鋭い角によって穴だらけにされた痛みの信号がたった今到着しているのだ。
どうせあんなレンガ塀などは豆腐の壁ほどにも役に立たないことは分かっていたのだから、土壁が完成した時点で感覚の共有は切断しておくべきだった。
攻撃を受ける直前になって感覚の共有を切断するいつもの癖が仇になった。
「い、イズミさん!大丈夫ですか!?」
「大丈夫、だから……」
突然痛みに叫び転げまわった俺に驚いたのか、ジルタが訓練をやめて寄ってきた。
すでに腹を刺し貫かれた分身は消えている。
この痛みは一時的なものだ。
腹を押さえ、1、2分我慢する。
痛みが引いてきた。
もう大丈夫だろう。
「悪い、心配をかけたな。分身がやられると痛みを感じるんだ」
「え、でも僕はいつも……」
「痛みを感じないようにもできるんだよ。だからいつもの訓練で俺が痛みを感じているわけではないから安心してくれ。今回は分身の痛みを事前に切っておくのを忘れた俺の単純なミスだ」
「そうなんですか。相手はどんな奴だったんですか?」
「鹿だ。魔力値100を超える化け物みたいな鹿だった。前に森の浅層で見かけたことがあるやつだ」
鹿と口に出した途端にジルタの顔色が悪くなる。
鹿に何かトラウマでもあるのだろうか。
俺はあるが。
「鹿……まさか、肉食獣殺しの……」
「知ってるのか?」
「有名な話ですよ。特定のなわばりを持たず気まぐれに森を徘徊する肉食獣殺しの化け物鹿。森の中層や浅層に出没する魔力値100越えの鹿ならそいつに間違いないでしょう。その鹿には金貨100枚の懸賞金がかかっているようですよ」
「へぇ、懸賞金か……」
おもしろい。
金には困っていないがありすぎて困るものでもない。
トラウマを克服できて、金も貰える。
腹を抉られた恨みも晴らすことができる。
最高の獲物じゃないか。
あいつを狩る。
まだまだ属性魔法スキルは習得できていないものの、火、水、風の三属性の魔法が一定のレベルに達したために俺は銃の製造を開始する。
火魔法は一緒に勉強していたものの、直接的に銃の製造に関わるものではない。
銃の製造に重要なのは水と風の属性魔法だ。
液体と気体に干渉する属性魔法に、固体に干渉できる地属性魔法が合わされば物質の三態を自由に操れるということになる。
銃を作る上で最も重要なのは火薬と雷管だと言っても過言ではない。
弾を撃ち出し新たな弾を弾倉から薬室に装填する機能を持つ銃本体の構造は、現代の精密機械に比べたらそれほど複雑なものではないだろう。
日本でも町工場の職人が密造していたなどのニュースが時折流れることがあるくらいだ。
町工場の職人の技術力は低くないだろうが、銃自体がそれほど複雑な構造ではないこともそういった事件の要因となっているのだろう。
それだけ合理的で単純な構造をしているのだ。
銃を一から作る上で一番の壁となるのは、なんといっても無煙火薬と雷管の中身だ。
無煙火薬に使われているニトログリセリンとニトロセルロース、ニトログアニジン、雷管に使われているジアゾジニトロフェノールなどの物質はかなり高度な科学技術によって作られている。
現代ならば合法非合法を問わず銃弾などは簡単に手に入るし、一から作るとしても様々な科学薬品が手に入る。
しかしここは異世界だ。
ニトロ化合物はおろか硝酸やグリセリンですら売っていないだろう。
すべて一から作ることとなる。
固体液体気体すべてに干渉できる魔法という力があるのだ、案外道は長くはないと思う。
地道にやっていこう。
危険な薬品を扱うことになるので宿屋には追加料金を払い、もうひと部屋2人部屋を取った。
失敗したらごめん。
以前よりも魔法を上手く使えるようになった実感があるので、野生動物や魔獣を相手に試してみようと思ったのだ。
銃に拘泥して本来の目的を忘れてしまっては本末転倒だ。
銃を作らなくても魔法で野生動物や魔獣を仕留められるのならばそれはそれでいい。
銃なんて趣味で作ればいいだけだからな。
銃の密造なんて、日本でやればお縄だ。
その点でも俺はこの世界に来ることができてよかったと思っている。
今日の俺はギリースーツも着ていないし木の上に潜んでもいない。
俺が六属性の魔法の内、最も上手く使うことができるのは当然スキルを持っている地魔法だ。
地魔法は固体を操る力を持つ。
その中でも今の俺の魔力値でもまともに使えるのは、土を押し固めて刃のように地表に伸ばすアースニードルという魔法くらいだろう。
木の上からでは土を上手く操作することができないので俺は地面で獲物を待ち構えているというわけだ。
ビクビクしながら森の中層で待つこと30分ほど。
俺の索敵スキルがビンビン存在感を発する生き物の気配をとらえた。
この気配、これはあのときの鹿じゃないか?
忘れもしない始めてこの森に入ったばかりの頃に出会った化け物みたいな鹿。
憐れな獲物を装って肉食獣を誘い出し、無残に殺したあの獣。
あの独特の存在感は忘れることはできない。
正直格上すぎてなんの検証にもならない気がする。
今すぐに分身を消して宿屋からやりなおすべきだ。
だが、魔力値100を超えるあの化け物相手に1発かましてやりたい気持ちもある。
魔力値100っていうのは森の中層であってもなかなか出会わない魔獣だ。
俺の力が足らないのはわかっているが、どうしたら圧倒的な格上に攻撃が通用するのかという明確なビジョンは未だ何も持てていない。
ただ漠然と銃があったら少しは驚かせてやれるのに、と思っていただけだ。
魔力値100を超える化け物に相対する機会というのは、チャンスなのではないだろうか。
魔力値100越えの魔獣の攻撃を受けてみれば、その世界が分かる。
それと同じ威力の攻撃力を叩きだせる武器があれば、倒せる。
そうと決まれば使う魔法を攻撃用のものから防御用のものへと変更する。
土壁を作り出す魔法、アースウォール。
土といってもその防御力はレンガの壁に匹敵する。
俺はその魔法を使い、自分を3重の壁で覆った。
硬く焼き固められたレンガを3重で敷き詰めた分厚い壁。
普通は鹿の角の攻撃などではビクともしないだろう。
鹿は足音も立てずにこちらに近づいてきている。
攻撃的な性格のあの鹿のことだ、森の中にこんなレンガ塀があれば攻撃するに違いない。
ピタリと鹿の気配は俺の造りだしたレンガ塀の前で止まる。
怖い。
俺にとってあの鹿はトラウマだ。
すぐにでも分身を消してしまいたい衝動にかられる。
ゴリゴリとなにかを削るような音が聞こえてきた。
まさか角を研いでいるのか、レンガ塀で。
次の瞬間、シャリッという音とともに俺の腹に何かが刺さった。
分身は消え、俺は宿屋のベッドで転げ回ることになった。
「あぁぁぁぁぁっ、腹がっ」
当然本体は無傷だ。
だが俺の脳には分身の腹が鹿の鋭い角によって穴だらけにされた痛みの信号がたった今到着しているのだ。
どうせあんなレンガ塀などは豆腐の壁ほどにも役に立たないことは分かっていたのだから、土壁が完成した時点で感覚の共有は切断しておくべきだった。
攻撃を受ける直前になって感覚の共有を切断するいつもの癖が仇になった。
「い、イズミさん!大丈夫ですか!?」
「大丈夫、だから……」
突然痛みに叫び転げまわった俺に驚いたのか、ジルタが訓練をやめて寄ってきた。
すでに腹を刺し貫かれた分身は消えている。
この痛みは一時的なものだ。
腹を押さえ、1、2分我慢する。
痛みが引いてきた。
もう大丈夫だろう。
「悪い、心配をかけたな。分身がやられると痛みを感じるんだ」
「え、でも僕はいつも……」
「痛みを感じないようにもできるんだよ。だからいつもの訓練で俺が痛みを感じているわけではないから安心してくれ。今回は分身の痛みを事前に切っておくのを忘れた俺の単純なミスだ」
「そうなんですか。相手はどんな奴だったんですか?」
「鹿だ。魔力値100を超える化け物みたいな鹿だった。前に森の浅層で見かけたことがあるやつだ」
鹿と口に出した途端にジルタの顔色が悪くなる。
鹿に何かトラウマでもあるのだろうか。
俺はあるが。
「鹿……まさか、肉食獣殺しの……」
「知ってるのか?」
「有名な話ですよ。特定のなわばりを持たず気まぐれに森を徘徊する肉食獣殺しの化け物鹿。森の中層や浅層に出没する魔力値100越えの鹿ならそいつに間違いないでしょう。その鹿には金貨100枚の懸賞金がかかっているようですよ」
「へぇ、懸賞金か……」
おもしろい。
金には困っていないがありすぎて困るものでもない。
トラウマを克服できて、金も貰える。
腹を抉られた恨みも晴らすことができる。
最高の獲物じゃないか。
あいつを狩る。
まだまだ属性魔法スキルは習得できていないものの、火、水、風の三属性の魔法が一定のレベルに達したために俺は銃の製造を開始する。
火魔法は一緒に勉強していたものの、直接的に銃の製造に関わるものではない。
銃の製造に重要なのは水と風の属性魔法だ。
液体と気体に干渉する属性魔法に、固体に干渉できる地属性魔法が合わされば物質の三態を自由に操れるということになる。
銃を作る上で最も重要なのは火薬と雷管だと言っても過言ではない。
弾を撃ち出し新たな弾を弾倉から薬室に装填する機能を持つ銃本体の構造は、現代の精密機械に比べたらそれほど複雑なものではないだろう。
日本でも町工場の職人が密造していたなどのニュースが時折流れることがあるくらいだ。
町工場の職人の技術力は低くないだろうが、銃自体がそれほど複雑な構造ではないこともそういった事件の要因となっているのだろう。
それだけ合理的で単純な構造をしているのだ。
銃を一から作る上で一番の壁となるのは、なんといっても無煙火薬と雷管の中身だ。
無煙火薬に使われているニトログリセリンとニトロセルロース、ニトログアニジン、雷管に使われているジアゾジニトロフェノールなどの物質はかなり高度な科学技術によって作られている。
現代ならば合法非合法を問わず銃弾などは簡単に手に入るし、一から作るとしても様々な科学薬品が手に入る。
しかしここは異世界だ。
ニトロ化合物はおろか硝酸やグリセリンですら売っていないだろう。
すべて一から作ることとなる。
固体液体気体すべてに干渉できる魔法という力があるのだ、案外道は長くはないと思う。
地道にやっていこう。
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