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7.バルロイの民
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「まず最初に、俺は魔王だ」
俺がそう言った瞬間男達が殺気立った。
ばっと槍を構えてみんなこちらに走ってくる。
「止まれぇぇぇぇ!!!!」
腹の底をビリビリ震わせるような大声が、長の口から放たれると男達はピタリと止まった。
やばいなこの長。
正直殺気立った男達よりも長の大声のほうがビビッた。
たぶん戦闘民族らしく一番強いから長とかそういう感じで長をやっているタイプなのだろう。
「すまぬ、この者たちはまだ若い。魔王の中にも話ができるものがいるというのを知らんのだ」
「なるほど。あんたは知ってたってことか」
「言い伝えにある船の傍らに、何者かの姿が見えたときに、この船がダンジョン化しておりそなたが魔王である可能性も考えておった」
すごいぞ長。
なんかこの長、やる長だぞ。
強いだけじゃなく、頭の回転も速いタイプの長だったか。
俺の中の長の評価がうなぎのぼりに上がっていくのを感じながら、俺は話を続ける。
「残念ながら、今の現状で人にあげられる食料はない」
「そうか。少し期待していたんだがな」
ちょっとしょんぼりしながらもまだ諦めていない表情の長。
そうだよ、話はこれからだよ。
「だが、あんたちの協力があれば、食料を出せるかもしれない」
「なるほど、ダンジョンの力か。ダンジョンにはありとあらゆるものを生み出す力があると聞く。その力を使うのか」
おうぃ、そこまで知ってんのかよ。
この爺さん何者だよ。
さっきの若い衆の反応から考えるとこれって世間の常識って訳じゃないよね。
「まあそうだが、ダンジョンの力といってもなんでも無限に出せるほど便利な力じゃないんだ」
そこから俺はおおよそのダンジョンの仕組みを話した。
「なるほどな。ダンジョンとはそういったものだったのか。なかなかに興味深い」
「そうなんだよ。それであんた達がダンジョン内にいてくれれば俺もあんた達も飯が食えるっていう誰も不幸にならないおいしい話なんだけど」
なんかねずみ講に誘ってるみたいだな。
「そうだな。おいしい話だ。おいしすぎるほどにな」
やばいな。
ちょっと誘い文句が怪しすぎてちょっと疑われてるな。
「なにが言いたい?」
「さっきの話だと、我らを殺して吸収してもそなたにはそのだんじょんぽいんとなるものが入るのだろう?我らをダンジョンに誘い入れて殺さぬ保証がどこにある」
長めっちゃ疑ってるわ。
やばいなー。
ちょろっと口が滑って殺したり吸収したりしてもDPが入ること話しちゃったのがいけなかったな。
おいしい話本当なんだけどな。
うわ長めっちゃ睨んでる。
怖いって。
あんたら殺すなんて俺には無理だって。
もう話しちゃおっかな、俺がめちゃ弱だって。
そうしよう。
「はっきり言うが、俺にあんたらを殺すような力はないんだ。俺のレベルは1だし、スキルは水魔法レベル2だけだ。嘘だと思うのならステータスを見せても良い」
長は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに少しだけ眼光を緩めた。
「疑ってすまない。私も皆の命を預かっている責任があるのだ。しかし生まれたばかりの魔王だったか。一応だが後でステータスを見せてもらってもいいだろうか」
よかった。
信じてもらえたようだ。
「ちょっと待ってろ。ダンジョンコアを持ってくる」
俺はダンジョンコアを取りに船に戻る。
あれ?ちょっと待てよ。
ダンジョンコアってダンジョンの外に持っていけるのか?
ダンジョンコアは文字通りダンジョンの核だ。
これを破壊すればダンジョンの力は失われ、魔王も死ぬ。
そんな魔王の心臓みたいなものをお外に持ち出しできるのか?
できたら卑怯じゃない?
これ外に持っていってどこかに隠しておけば壊される心配なくなるよね。
よし、実験だ。
トライアンドエラーだ。
そして速攻エラーだ。
持ち出せませんでした、コア。
予定変更だ。
長に船まで来てもらおう、そうしよう。
「ごめん、やっぱり船まで来てくれる?」
「相、分かった」
そして甲板にて長にステータスを見せる。
「疑ってすまなかった。先ほどの話、続きを聞くことはできるだろうか」
よし、いいよ。
乗ってきたよ。
これで今日はお腹いっぱいご飯が食べられる予感。
「俺の船の周囲をダンジョンのテリトリーにするからそこで過ごしてほしいんだ」
今のDPの貯蓄は60DPちょっと。
このDPでダンジョン化できる範囲は6メートル四方ほどだろう。
こんな範囲ではとてもではないが全員入りきることは出来ないが、そこは増えていくDPを使って順次ダンジョンを広げていけば良いだろう。
そして、全員入りきればそこからはもうご飯を出すためのDPになるというわけだ。
「そんなことでよければ問題ないが、大丈夫なのか?」
そんなことで本当にご飯が出てくるのかと少し不安になっているのだろう。
「大丈夫だ。それよりもあんたたちは全部で何人いるんだ?」
「ああ、全部で600人ほどだが、そのダンジョン化するためにもだんじょんぽいんとがいるのだろう?どのくらいの時間がかかるんだ?我らの食料はあと2日ももたない」
600人!
やっほい。
DP大量ゲットの予感。
だがその分ダンジョン化も大変そうだ。
「それも大丈夫だ、順次ダンジョン化していけば2日もかかることはないと思う。とにかくまずはダンジョン化のためのポイントを溜める必要があるから、できるだけ詰めて船に乗ってくれ」
「わかった。皆のものを呼んでこよう」
まずはお前らだと長が連れてきた屈強な戦士達がどんどん船に詰め込まれていく。
不法入国の密航船みたいだ。
俺がそう言った瞬間男達が殺気立った。
ばっと槍を構えてみんなこちらに走ってくる。
「止まれぇぇぇぇ!!!!」
腹の底をビリビリ震わせるような大声が、長の口から放たれると男達はピタリと止まった。
やばいなこの長。
正直殺気立った男達よりも長の大声のほうがビビッた。
たぶん戦闘民族らしく一番強いから長とかそういう感じで長をやっているタイプなのだろう。
「すまぬ、この者たちはまだ若い。魔王の中にも話ができるものがいるというのを知らんのだ」
「なるほど。あんたは知ってたってことか」
「言い伝えにある船の傍らに、何者かの姿が見えたときに、この船がダンジョン化しておりそなたが魔王である可能性も考えておった」
すごいぞ長。
なんかこの長、やる長だぞ。
強いだけじゃなく、頭の回転も速いタイプの長だったか。
俺の中の長の評価がうなぎのぼりに上がっていくのを感じながら、俺は話を続ける。
「残念ながら、今の現状で人にあげられる食料はない」
「そうか。少し期待していたんだがな」
ちょっとしょんぼりしながらもまだ諦めていない表情の長。
そうだよ、話はこれからだよ。
「だが、あんたちの協力があれば、食料を出せるかもしれない」
「なるほど、ダンジョンの力か。ダンジョンにはありとあらゆるものを生み出す力があると聞く。その力を使うのか」
おうぃ、そこまで知ってんのかよ。
この爺さん何者だよ。
さっきの若い衆の反応から考えるとこれって世間の常識って訳じゃないよね。
「まあそうだが、ダンジョンの力といってもなんでも無限に出せるほど便利な力じゃないんだ」
そこから俺はおおよそのダンジョンの仕組みを話した。
「なるほどな。ダンジョンとはそういったものだったのか。なかなかに興味深い」
「そうなんだよ。それであんた達がダンジョン内にいてくれれば俺もあんた達も飯が食えるっていう誰も不幸にならないおいしい話なんだけど」
なんかねずみ講に誘ってるみたいだな。
「そうだな。おいしい話だ。おいしすぎるほどにな」
やばいな。
ちょっと誘い文句が怪しすぎてちょっと疑われてるな。
「なにが言いたい?」
「さっきの話だと、我らを殺して吸収してもそなたにはそのだんじょんぽいんとなるものが入るのだろう?我らをダンジョンに誘い入れて殺さぬ保証がどこにある」
長めっちゃ疑ってるわ。
やばいなー。
ちょろっと口が滑って殺したり吸収したりしてもDPが入ること話しちゃったのがいけなかったな。
おいしい話本当なんだけどな。
うわ長めっちゃ睨んでる。
怖いって。
あんたら殺すなんて俺には無理だって。
もう話しちゃおっかな、俺がめちゃ弱だって。
そうしよう。
「はっきり言うが、俺にあんたらを殺すような力はないんだ。俺のレベルは1だし、スキルは水魔法レベル2だけだ。嘘だと思うのならステータスを見せても良い」
長は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに少しだけ眼光を緩めた。
「疑ってすまない。私も皆の命を預かっている責任があるのだ。しかし生まれたばかりの魔王だったか。一応だが後でステータスを見せてもらってもいいだろうか」
よかった。
信じてもらえたようだ。
「ちょっと待ってろ。ダンジョンコアを持ってくる」
俺はダンジョンコアを取りに船に戻る。
あれ?ちょっと待てよ。
ダンジョンコアってダンジョンの外に持っていけるのか?
ダンジョンコアは文字通りダンジョンの核だ。
これを破壊すればダンジョンの力は失われ、魔王も死ぬ。
そんな魔王の心臓みたいなものをお外に持ち出しできるのか?
できたら卑怯じゃない?
これ外に持っていってどこかに隠しておけば壊される心配なくなるよね。
よし、実験だ。
トライアンドエラーだ。
そして速攻エラーだ。
持ち出せませんでした、コア。
予定変更だ。
長に船まで来てもらおう、そうしよう。
「ごめん、やっぱり船まで来てくれる?」
「相、分かった」
そして甲板にて長にステータスを見せる。
「疑ってすまなかった。先ほどの話、続きを聞くことはできるだろうか」
よし、いいよ。
乗ってきたよ。
これで今日はお腹いっぱいご飯が食べられる予感。
「俺の船の周囲をダンジョンのテリトリーにするからそこで過ごしてほしいんだ」
今のDPの貯蓄は60DPちょっと。
このDPでダンジョン化できる範囲は6メートル四方ほどだろう。
こんな範囲ではとてもではないが全員入りきることは出来ないが、そこは増えていくDPを使って順次ダンジョンを広げていけば良いだろう。
そして、全員入りきればそこからはもうご飯を出すためのDPになるというわけだ。
「そんなことでよければ問題ないが、大丈夫なのか?」
そんなことで本当にご飯が出てくるのかと少し不安になっているのだろう。
「大丈夫だ。それよりもあんたたちは全部で何人いるんだ?」
「ああ、全部で600人ほどだが、そのダンジョン化するためにもだんじょんぽいんとがいるのだろう?どのくらいの時間がかかるんだ?我らの食料はあと2日ももたない」
600人!
やっほい。
DP大量ゲットの予感。
だがその分ダンジョン化も大変そうだ。
「それも大丈夫だ、順次ダンジョン化していけば2日もかかることはないと思う。とにかくまずはダンジョン化のためのポイントを溜める必要があるから、できるだけ詰めて船に乗ってくれ」
「わかった。皆のものを呼んでこよう」
まずはお前らだと長が連れてきた屈強な戦士達がどんどん船に詰め込まれていく。
不法入国の密航船みたいだ。
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