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改稿版
5.屋台の串焼きと魔石
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さて、魔石っていうのはどこに売っているものなのだろうか。
マッチョとネズミ顔の持っていたコインはおそらくこのあたりの通貨だろう。
金色のとか銀色のとかも何枚かあったのでそこそこ金はあると思う。
全部魔石に費やせば、結構な量が買えると思うのだけどな。
魔石がどの程度の価値を持っているのかは分からないけど。
「ね、ねえ、ここいったいどこなのよ……」
「ん?ああ、ちょっと別の世界かな」
「は?何言ってんのよ。ふざけないで答えてよ」
「いや、ふざけてないんだけどな……」
ちょっと面倒なお荷物もいることだし、早いとこ一度あちらの世界に帰りたいところだ。
俺は裏通りをマッチョとネズミ顔が来た方角へ歩き続ける。
逆は袋小路だったからな。
こちらの方向は開けているはずだ。
しばらく歩くと人通りのそこそこ多い通りに出た。
みんな物語に出てくるような昔のヨーロッパ人みたいな格好をしているな。
チノパンとパーカー姿の俺は少し浮いてしまっているかもしれない。
小奇麗なブランド物の上下に身を包んだ碧は言わずもがな。
俺はまだ地味なほうだな。
でもちょっとパーカーはやめておいたほうがよかった気もする。
気が動転していたから着替えるなんて発想が出てこなかったが、もっと自然素材の服に着替えて来ればよかったと今になって思う。
せめて上だけでも植物繊維のシャツを着てくればそこまで浮くこともなかったな。
今度から気をつけよう。
「ね、ねえ、ここ、日本なのよね?」
「ん?ああ、日本じゃないよ。えーと、魔石魔石っと……」
「に、日本じゃないってどういうことなのよ!!今日中に帰れるように頑張るってさっき言ったじゃない!!」
あーうるさい。
もう置いていこうかな。
俺は碧を放って魔石の売っている店を探し始める。
「ちょっ、ま、待ってよ。私が悪かったから。置いていかないで……」
はぁ、面倒な女だ。
あのままの態度だったら本当に置いていこうと思っていたのに。
伊達に馬鹿な男を食い物にしていないな。
このまま態度を翻されたら、俺はきっとまたコロッと騙されてしまうんだろうな。
ざわざわと煩い町の喧騒で心を落ち着かせる。
そういえば、不思議とこちらの言葉が分かるな。
こちらの世界の人たちは、確実に日本語とは違う言語を話している。
しかし俺にはその言語を昔からずっと知っていたように理解することができているのだ。
きっとタトゥかタブレットのおかげだろうな。
おじいさんはいい仕事をする。
また少し歩き回ると、屋台のたくさん並んでいる通りに出た。
適当な屋台で買い食いでもしながら聞いてみるか。
「こんにちは」
「らっしゃい。何本にする?」
「じゃあ2本」
「あいよ!!」
俺は屋台のおっさんが渡してくる謎の肉の串焼きを受け取る。
1本銅貨1枚だそうだ。
高いのか安いのかわからんな。
マッチョとネズミ顔の持っていたコインの中の赤銅色のものがなんとなく銅貨だっていうことは分かるけど、何枚で銀色の硬貨になるのかとかが分からない。
まあそれは追々。
今は串焼きだ。
1本を碧に渡す。
碧はあからさまに嫌そうな顔をした。
食べ物屋の前でなんという顔をしているんだ。
怒られるぞ。
まあ俺もちょっとビビッてはいる。
串焼きを口に運ぶ手は恐る恐るといった感じだ。
知らない街で知らない物を食べるのはちょっとおっかないけど、まあよく焼いてあれば死ぬことはないだろう。
そう自分に言い聞かせ、一気に齧りつく。
おお、意外にうまい。
味付けは塩だけだけど、癖の無い肉を香ばしく焼いてあって食感もいい。
なにかの鳥っぽい。
何事も挑戦してみるものだな。
碧も意外においしいじゃないのみたいな顔をして串焼きを口に運んでいる。
この屋台を選んでよかったかもな。
「ちょっと聞きたいんだけどさ」
「なんですかね?」
「この街に来たばかりで、どんな店がどこにあるのか分からないんだ」
「もう1本買ってくれたら、おすすめの宿や商店を教えるよ?」
「商売上手だなぁ。じゃ、もう2本」
「あいよ!!」
おっさんはすぐに焼きたてを手渡してくる。
俺は銅貨を支払い、碧に1本渡して自分も串焼きを齧る。
ちょっと癖になるなぁ、この味。
ビールが欲しくなる。
俺は肝心の店の位置を聞く。
「こうこうこんな感じで、そこをこう曲がるとこんな感じの店が……」
覚えられないのでメモ帳に適当な地図を描いてもらう。
おっさんはメモ帳とボールペンに軽く驚いていた。
こんなものも売ったらそこそこ高く売れるのだろうか。
「こんなもんでどうだい?」
「ありがとう。よく分かったよ」
「まいど」
俺はおっさんの地図を見ながら街を歩き、店を探す。
魔石が売っていそうなのは、魔道具屋という店かな。
魔道具っていうのがよく分からないけれど、きっと魔法具とは違うのだろう。
俺の印象では、魔法具というのはそんじょそこらで売っているような代物ではない。
貴族とかが、先祖代々受け継いでいるようなものなんじゃないかと思っている。
であるならば、魔道具というのは魔法具の廉価版なのではないだろうか。
たとえば光を出すだけのものや、水がちょろちょろ出るだけのもの、種火が起こるだけのものなど。
言うなればちょっとした便利グッズだ。
中には俺の持っている時空神の魔法具のように、魔石を燃料とするものがあるかもしれない。
ならば燃料となる魔石もその店で売っているはずだ。
まあそこしか売っていそうな店が無いのだから、どのみちその店に行ってみないことには始まらない。
「ね、ねえ、さっき屋台の人と何話してたの?」
「え?普通に店の場所とか聞いてただけだけど……」
「そう。何語なの?ここ、どこの国?」
碧には言葉が分からないのか。
おじいさんにおしゃれタトゥを入れられていないから。
なんとなく優越感。
「まあアラビア語とかなんじゃないかな……」
適当なことを言って誤魔化す。
アラビア語なんて俺話せないけど。
「ふーん。外国語なんて、話せたんだ……」
碧の言葉は町の喧騒に溶けるように消えていく。
今更優良物件だと思ったって、遅いんだからね!
そもそもアラビア語とか話せないし。
俺達は無言のまま異世界の町を歩き続ける。
10分ほど歩くと目的地である魔道具屋に着いた。
外観は昔ながらの古書店のような雰囲気だ。
もしくは駄菓子屋。
俺は恐る恐る足を踏み入れた。
「こんにちは……」
「はい、いらっしゃいませ」
出てきたのは意外にも中学生くらいの女の子だった。
真っ直ぐなサラサラの金髪を肩くらいまで伸ばしたそばかすのキュートな女の子だ。
綺麗な青い瞳が俺をまっすぐ見つめてくる。
「魔石ってここにありますか?」
「はい。小魔石ならあります」
女の子が出してくれたのは中魔石の4分の1くらいの大きさの魔石だった。
これは単純に4個で中魔石くらいのエネルギーと考えていいのだろうか。
買って試してみるしかなさそうだ。
「量はどのくらいありますか?値段は?」
「量は気にしなくて大丈夫ですよ。この街は見習い冒険者の方も多いですから。値段は1個銅貨5枚です」
冒険者という気になるワードが出た。
しかしなぜ見習い冒険者が多いと量を気にする必要がないのだろうか。
小魔石を取ってくるのが見習い冒険者の仕事ということなのだろうか。
俺はとりあえず持っていたコインを数枚残してすべて魔石に変えることにする。
「こんなに買ってどうするんですか?」」
「え、ちょ、ちょっと頼まれて……」
「はあ、色々あるんですね」
少々不審だったかもしれない。
女の子は俺と碧を不思議そうに見比べ、小魔石の入った大きな木箱を出してくれた。
良く考えてみれば家電量販店で乾電池1万本とか買ってるやつがいたら気になるよな。
電〇ろう先生と実験でもするんですか?って聞きたくなる。
俺は愛想笑いでごまかしながら魔道具屋を後にした。
今度ゆっくり魔道具でも見に来よう。
マッチョとネズミ顔の持っていたコインはおそらくこのあたりの通貨だろう。
金色のとか銀色のとかも何枚かあったのでそこそこ金はあると思う。
全部魔石に費やせば、結構な量が買えると思うのだけどな。
魔石がどの程度の価値を持っているのかは分からないけど。
「ね、ねえ、ここいったいどこなのよ……」
「ん?ああ、ちょっと別の世界かな」
「は?何言ってんのよ。ふざけないで答えてよ」
「いや、ふざけてないんだけどな……」
ちょっと面倒なお荷物もいることだし、早いとこ一度あちらの世界に帰りたいところだ。
俺は裏通りをマッチョとネズミ顔が来た方角へ歩き続ける。
逆は袋小路だったからな。
こちらの方向は開けているはずだ。
しばらく歩くと人通りのそこそこ多い通りに出た。
みんな物語に出てくるような昔のヨーロッパ人みたいな格好をしているな。
チノパンとパーカー姿の俺は少し浮いてしまっているかもしれない。
小奇麗なブランド物の上下に身を包んだ碧は言わずもがな。
俺はまだ地味なほうだな。
でもちょっとパーカーはやめておいたほうがよかった気もする。
気が動転していたから着替えるなんて発想が出てこなかったが、もっと自然素材の服に着替えて来ればよかったと今になって思う。
せめて上だけでも植物繊維のシャツを着てくればそこまで浮くこともなかったな。
今度から気をつけよう。
「ね、ねえ、ここ、日本なのよね?」
「ん?ああ、日本じゃないよ。えーと、魔石魔石っと……」
「に、日本じゃないってどういうことなのよ!!今日中に帰れるように頑張るってさっき言ったじゃない!!」
あーうるさい。
もう置いていこうかな。
俺は碧を放って魔石の売っている店を探し始める。
「ちょっ、ま、待ってよ。私が悪かったから。置いていかないで……」
はぁ、面倒な女だ。
あのままの態度だったら本当に置いていこうと思っていたのに。
伊達に馬鹿な男を食い物にしていないな。
このまま態度を翻されたら、俺はきっとまたコロッと騙されてしまうんだろうな。
ざわざわと煩い町の喧騒で心を落ち着かせる。
そういえば、不思議とこちらの言葉が分かるな。
こちらの世界の人たちは、確実に日本語とは違う言語を話している。
しかし俺にはその言語を昔からずっと知っていたように理解することができているのだ。
きっとタトゥかタブレットのおかげだろうな。
おじいさんはいい仕事をする。
また少し歩き回ると、屋台のたくさん並んでいる通りに出た。
適当な屋台で買い食いでもしながら聞いてみるか。
「こんにちは」
「らっしゃい。何本にする?」
「じゃあ2本」
「あいよ!!」
俺は屋台のおっさんが渡してくる謎の肉の串焼きを受け取る。
1本銅貨1枚だそうだ。
高いのか安いのかわからんな。
マッチョとネズミ顔の持っていたコインの中の赤銅色のものがなんとなく銅貨だっていうことは分かるけど、何枚で銀色の硬貨になるのかとかが分からない。
まあそれは追々。
今は串焼きだ。
1本を碧に渡す。
碧はあからさまに嫌そうな顔をした。
食べ物屋の前でなんという顔をしているんだ。
怒られるぞ。
まあ俺もちょっとビビッてはいる。
串焼きを口に運ぶ手は恐る恐るといった感じだ。
知らない街で知らない物を食べるのはちょっとおっかないけど、まあよく焼いてあれば死ぬことはないだろう。
そう自分に言い聞かせ、一気に齧りつく。
おお、意外にうまい。
味付けは塩だけだけど、癖の無い肉を香ばしく焼いてあって食感もいい。
なにかの鳥っぽい。
何事も挑戦してみるものだな。
碧も意外においしいじゃないのみたいな顔をして串焼きを口に運んでいる。
この屋台を選んでよかったかもな。
「ちょっと聞きたいんだけどさ」
「なんですかね?」
「この街に来たばかりで、どんな店がどこにあるのか分からないんだ」
「もう1本買ってくれたら、おすすめの宿や商店を教えるよ?」
「商売上手だなぁ。じゃ、もう2本」
「あいよ!!」
おっさんはすぐに焼きたてを手渡してくる。
俺は銅貨を支払い、碧に1本渡して自分も串焼きを齧る。
ちょっと癖になるなぁ、この味。
ビールが欲しくなる。
俺は肝心の店の位置を聞く。
「こうこうこんな感じで、そこをこう曲がるとこんな感じの店が……」
覚えられないのでメモ帳に適当な地図を描いてもらう。
おっさんはメモ帳とボールペンに軽く驚いていた。
こんなものも売ったらそこそこ高く売れるのだろうか。
「こんなもんでどうだい?」
「ありがとう。よく分かったよ」
「まいど」
俺はおっさんの地図を見ながら街を歩き、店を探す。
魔石が売っていそうなのは、魔道具屋という店かな。
魔道具っていうのがよく分からないけれど、きっと魔法具とは違うのだろう。
俺の印象では、魔法具というのはそんじょそこらで売っているような代物ではない。
貴族とかが、先祖代々受け継いでいるようなものなんじゃないかと思っている。
であるならば、魔道具というのは魔法具の廉価版なのではないだろうか。
たとえば光を出すだけのものや、水がちょろちょろ出るだけのもの、種火が起こるだけのものなど。
言うなればちょっとした便利グッズだ。
中には俺の持っている時空神の魔法具のように、魔石を燃料とするものがあるかもしれない。
ならば燃料となる魔石もその店で売っているはずだ。
まあそこしか売っていそうな店が無いのだから、どのみちその店に行ってみないことには始まらない。
「ね、ねえ、さっき屋台の人と何話してたの?」
「え?普通に店の場所とか聞いてただけだけど……」
「そう。何語なの?ここ、どこの国?」
碧には言葉が分からないのか。
おじいさんにおしゃれタトゥを入れられていないから。
なんとなく優越感。
「まあアラビア語とかなんじゃないかな……」
適当なことを言って誤魔化す。
アラビア語なんて俺話せないけど。
「ふーん。外国語なんて、話せたんだ……」
碧の言葉は町の喧騒に溶けるように消えていく。
今更優良物件だと思ったって、遅いんだからね!
そもそもアラビア語とか話せないし。
俺達は無言のまま異世界の町を歩き続ける。
10分ほど歩くと目的地である魔道具屋に着いた。
外観は昔ながらの古書店のような雰囲気だ。
もしくは駄菓子屋。
俺は恐る恐る足を踏み入れた。
「こんにちは……」
「はい、いらっしゃいませ」
出てきたのは意外にも中学生くらいの女の子だった。
真っ直ぐなサラサラの金髪を肩くらいまで伸ばしたそばかすのキュートな女の子だ。
綺麗な青い瞳が俺をまっすぐ見つめてくる。
「魔石ってここにありますか?」
「はい。小魔石ならあります」
女の子が出してくれたのは中魔石の4分の1くらいの大きさの魔石だった。
これは単純に4個で中魔石くらいのエネルギーと考えていいのだろうか。
買って試してみるしかなさそうだ。
「量はどのくらいありますか?値段は?」
「量は気にしなくて大丈夫ですよ。この街は見習い冒険者の方も多いですから。値段は1個銅貨5枚です」
冒険者という気になるワードが出た。
しかしなぜ見習い冒険者が多いと量を気にする必要がないのだろうか。
小魔石を取ってくるのが見習い冒険者の仕事ということなのだろうか。
俺はとりあえず持っていたコインを数枚残してすべて魔石に変えることにする。
「こんなに買ってどうするんですか?」」
「え、ちょ、ちょっと頼まれて……」
「はあ、色々あるんですね」
少々不審だったかもしれない。
女の子は俺と碧を不思議そうに見比べ、小魔石の入った大きな木箱を出してくれた。
良く考えてみれば家電量販店で乾電池1万本とか買ってるやつがいたら気になるよな。
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