【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

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 昼になり、エリザベス様達と合流しての昼食。レイドになって以来、仲間同士の技術供与をし合ったおかげで皆採集が上手くなってる。知識はあるが大雑把。そんなガサツなエヴィナでも売れる程度の物をそれなりの量採れるようになった。

「ごちゃごちゃじゃーん」

「ギルドの女がまとめてくれんだろ?良いじゃねーか」

「ふふ~ん」

 採れ高を見せてくれたエヴィナにロシェルが難癖を付ける。エヴィナは軽くいなすがロシェルはさらに煽ると自分のカバンを開いた。

「お前、採りながらまとめてんの?」

「傷付きにくくなるしこの方がいっぱい入るんだよ」

「へ~。ユカタさんにやってもらったんだろ」

「少しね。けどアタシでも出来るようになったもん」

 少し?半分は束にしたぞ?見栄っ張りなロシェルはその辺の雑草を毟ると教えた通りに束にする。それを見たエヴィナは素直に感心した声を上げ、自分でも草を毟って束ね出した。束ねた草を見た事がある者は多いが、草の束ね方を知る者は多くない。そのまま突っ込む組とタオルに伸している組が参加して、休憩時間はカバンの容量を開ける作業となった。

「ユカタさんはどうなんだ?どんだけ採ったか見せてくれよ」

「そうだわ。トロミネ集まった?」「こっちは、もう上がりだよ」

「僕はまだ19本だけど、2人が上がるなら見せっこしようか」

 エヴィナの興味が僕の採れ高に向かうと気になる2人は既に仕事上がりだと言う。互いにカバンの中身を取り出し合って、僕は驚愕した。

「す、すげえ。腕の長さくらいある…」

「ユカタさんの倍はあんな、コレ」

 一番の大物で80cmはある。しかも長いだけでなく太さも十分だ。そんなご立派様がしっかり20本。一体どう……あ。

「育ててたな?」

「「うふふ~」」

 育ててたのもびっくりだが、よく今まで他の者に掘られなかったな。そっちの方に意識が向いた。

「これが家業だもん」「私もね、ペニーの所で働くの」

 気になる2人はペニーの家の農場で育てるための、新しい薬草を集める仕事をするそうだ。しかしただ採って来たのを移殖しても成功度は高くない。その植物のある環境で、栽培可能かどうかや収量の増加が見込めるかを確認するそうだ。今回のトロミネに関しては農場にもあると言うので肥大化させたと言う。

「こりゃあ完敗だ。栽培されたら冒険者の採集程度じゃ敵わないよ」

「その内キセルタケも栽培化させてやるんだから」

「僕の狩り草が無くなっちゃうな」

「剣で食べてきゃ良いのよ」

 そのトロミネ1本で、どんな強敵分になると思ってんだ。そんな巨大トロミネ10本を、僕のゴミみたいなトロミネ全部と交換してくれると言う。完敗したのだから開き直るしかない。ありがたく交換させてもらった。2人はこの苗を植えて、さらに交換で出した分10本掘って帰ると言う。薬草農家半端ないって。

 そんなこんなで午後を過し、気になる2人が帰ると言うので護衛の僕も一旦パーティーを抜ける。

「ユカタ1人で大丈夫ぅ?」

「大丈夫とは言えないけど運が向く事を祈るよ」

「無事に明日会えたらおっぱい吸って良いよ」

「わ、私のもっ」

「ジュンのはアタシが吸ったげる」「えーーっ」

「僕だって吸いたいぞ。けど卒業してからな。じゃあまた後で」

 ロシェルは明日とか言ってるが、整備室で会うだろうに。クリスとロナンが恨み言を言っているが聞こえなかった事にしよう。稼いでお姉さんの店に行くんだろ?

「ねえ、ユカタ君」

「何かな」

「ユカタ君は私達のおっぱいも吸いたい?」

 街道の途中、急に何かと思ったらまだ引きずってたのか、この2人。

「急だね…」

「だって、護衛分払わなきゃ、だし」

「狩り草分けてもらったし、お金も体も要らないよ?それにアレ冗談だからね?いざって時アイツ尻込みするんだから」

「しようとした事、あるんだ?」

 外で話す話じゃないからね?





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