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風呂に、入って
しおりを挟む串焼き屋で串焼きを買い、冒険者ギルドの場所を聞く。即ち東門。ちなみに串焼きは非常食だ。聞いた道順では路地に入らなければならないので凄く怖いが覚悟して進む。
「へへっ、待ちなよ兄ちゃん」「良い身形してんじゃねぇの」
「俺等と遊んでくれやぁ、なあ?」
僕は運が無い。狭い路地を急いでいたが、3人の男に前を塞がれた。言葉は無いが気配はある。多分後ろに1人いる。
「そう言うのって女の子とかに言う台詞じゃないの?」
「お客にも色々いるんでなぁ」「きっと楽しませてくれるぜぇ?」
「出来ればお姉さんくらいの人が良いな」
「ンなモン俺がなりてえわっ!」「お前ぇは精々旦那の尻奴隷よ。ヒヒッ」
「俺は女が好きなんだ。お姉さんじゃなきゃ抵抗するぞ」
左構えで拳を構える。背後の気配が動くのを感じ、先手を打った。
「ひっ、いつの間にっ」
掠っただけか、感触は軽い。僕の振るう右手には中剣。背嚢に収納されていた物だ。すぐに背嚢に戻して背後の者に詰め寄ると、左拳を振るう。
「うぐっ」
男の胸に深々と槍が突き刺さり、男は痛みに呻き声を上げた。
「やっ、野郎!殺りやがった!」「畜生っ、許せねぇ…」
「教えてくれよ。コイツはいくらの首になるかなあ?」
右手を振るうと、男の首から血が噴き出る。また風呂に入らなきゃ。整備もしなきゃだな…。3人の男共は答える事も出来ず震えるばかり。こっちは見ての通りの冒険者だぞ?自分達が殺されるとは思わなかったのだろうか。
男共が見ている前で剣を振るう。2発、3発。首を切り落とすまで続ける。
「お前はいくらの首だ?誰が高い?」
奴等の前に首を掲げて寄って行く。僕の事が許せないんじゃなかったのか?ビビった奴等は逃げて行く。僕も一緒に付いて行く。同じ出口に向かっているから仕方ないね。奴等は叫びながら通りに出るので僕も叫んで飛び出した。武器と首は収納して、ね。
男共には逃げられてしまったが、何とか知ってる大通りに出られたのでギルドに向かう。到着の処理は明日の予定だったが、多過ぎる肉や素材は売っておきたかったのだ。
「な!お前なんだその血は!?」「誰にやられた!?」
その場にいた冒険者達が血塗れの僕を見て騒ぐ。買ったばかりだけど端切れで拭くか。
「人攫いに襲われてね。僕可愛いからさ。すみませんそこ空いてますか?」
「え、ええ。どうぞ。お怪我はありませんか?」
受付はどこも空いてたが、一番近い場所にいる受付嬢に聞くと、どうぞと返してくれた。
「人攫いの首を獲って来たんだけど、お金になるかな?」
「み、見てみないと…」
「ここで出したら血だらけになるよ?」
「はっ、はいっ。ただいま場所を用意致しますっ」
受付嬢は立ち上がり、どこかに走って行っちゃった。残された僕は再び血を拭う。はぁ…。
「血塗れの方、こちらへどうぞー」
僕以外に血塗れはいないので僕の事だろう。受付嬢の案内で入ったのは解体場。魔物の解体をしてる職人がチラチラと僕を見る。拭い切れてない血の跡が気になるのだろう。
「それでは、このタライに出してください」
背嚢に入った首を掌から出されて受付嬢は驚いた。血の滴ってる首を普通の背嚢に入れる訳ないでしょうに。
「身元を調べますので、しばらくお待ちください」
受付嬢は分厚いリストを見始める。僕は鎧を脱いでちゃんと血を拭う。服も脱ぎたいが、着替えると着替えも洗わなきゃならない。面倒なので我慢する。
「坊主、マジックバッグがあるならそのままぶち込んで来りゃあ良かったじゃねえか」
鎧を拭いていると職人の1人が声を掛けて来た。ムキムキで、ツルツルだ。
「安物でさ。重量軽減付いて無いんだよ」
「なら、体はどこだ?」
「大通りの北側に向いた細い路地」
「誰か!急いで回収して来いっ!!」「「へいっ!」」
置きっ放しじゃダメだったか。部下の職人が何人も飛び出してった。
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