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大人の、女性
しおりを挟むお乳の出る女性はエヴァさんと言った。男児の母だそうで、女児のお乳もお願いした。
「そうなりますと、旦那様の分が」
「赤ちゃんのご飯が最優先だよ!」
獣人の奴等、僕の事舐めてんな?
「ユカタ君、獣人の皆さんもこっちです」
拠点に戻るとジュンが待ってて、女子供の家に案内してくれると言う。場所は入口横の壁。壁の厚みを延長して、中を居住スペースにしてるそうだ。衛兵事務所や冒険者ギルドがこんな感じで壁とくっ付いてるな。
「ありがとう、助かるよ」
「ユカタ、シラーを切って来たわよ」
「ありがとう、助かるよ」
家は出来ても家具が無い。せめて寝床は柔らかくしないとね。セーナはシラーを切って来たと言って壁にびちゃびちゃな内部組織を立て掛けて行く。干し上がればふわふわなマットになるだろう。
「ユカタ、ドアと窓を付けるから手伝って」
「はーい」
アルアインさんが建具を作って持って来た。シラーの外皮を使ったドアに窓。撥水力が高いので長持ちしそうだな。
「獣人、増えたわね」
「そうだね」
「こんな人数相手にしてたら私の事なんて飽きちゃうわね」
「飽きないよ?それに致すつもりもないし」
「そ?でも大事にはしてあげて。あの子達、多分村には帰れないから」
何となく、予想は出来る。親は喜ぶだろうけど、他が許してくれなそう。村に住んでた時も似た事があったな。街に出た子供が帰って来て長居してると噂が広まるんだよね…悪い噂が。
「ユカタ、お風呂が沸いてるわ。皆が落ち着いたらジュンに連れて来てもらって」
お風呂?レイナは獣人達を家のお風呂に招待すると言うのか?確かに皆キレイじゃないし、服も洗濯したいけど、流石に一度に20人は入れないだろ。
「ユカタも付いてってみたら?」
「まだ手伝いが残ってるよ」
「優しいのね。好きよ」
「僕も」
建付けの手伝いを終えて、アルアインさんとお風呂に向かう。お風呂と言っても家のだろ?って思ってたら違った。お風呂専用の建物として家の横の壁裏に新築してあった。獣人宅には風呂トイレが無いので、離れてるけど作ったそうな。
「入口が2つ?公共浴場みたいだ」
「男の子もいるからね」
今日からは全員ここの湯を使うそうだ。これで僕もゆっくり風呂に入れる。今は皆女湯に行ってるそうで、男湯側に入ってみると、お湯が壁の下で繋がっているそうだ。お湯を作る熱源は男湯側にあり、筒の上、水面下に開けられた穴から湯が噴き出しているのが湯気で分かる。
「コレ、熱湯だよね?」
「水量が多いから、これでもあっちじゃぬるいくらいよ」
離れた所を触ってみたが、確かに家の風呂よりぬるい。初めてお湯の風呂に入るならこのくらいで良いのだろうか。
それにしてもこの熱源だ。筒の下から流れ込んだ水が、筒の中の熱源で湯になり外に噴き出し、噴き出される力で水が吸い上げられると言う。何で噴き出すの?どうして熱湯になってるの?聞いてみたけど面倒だったのか秘密と返された。きっと魔法の力だな。
「貴方様?そちらに?」
「ベス?お風呂入ってんの?」「私もおりやす」
子供達、大人も含めて入り方を教えたり洗ってやってるんだって。ハキの時もだいぶ減ったし、石鹸は買い増ししないとな。
そしてもう1つの問題が食事である。食料は各村から徴収したので肉だけはある。しかし肉しか無い。調理スペースと調理器具が足りないのだ。10人用の鍋が2つにヤカンが2つ、パンや焼肉を焼く鉄板が2枚。10人分程足りないのだ。そして竈と薪が無い。
「問題ありやせん」
そう言って現れたのは裸のライラ。話聞こえてるんならあっちで話せよ。
「何でこっち来たのさ」
「見たいかと思いやして」
否定はしないが、見せたかったの間違いではないのか?それはともかく竈の問題は解決済みだそうで、ジュンとレイナが頑張ったのだと。ちなみに調理器具は買い増しだってさ。
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