女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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施行主の強い拘り

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 今日は家の二階から上、屋根作りだ。
部屋の壁と屋根の壁を、屋根の傾斜の分嵩増しし、癒着。その後良き所で切ってしまう。
軒の分長くするので縦横に迫り出した格子を天井を作った時の要領で組み付け、二回目の癒着。
板を縦方向に打ち付けて行く。癒着するなら瓦は要らないが強度とメンテナンス性に不安が出る。

「壊れたら直す。それだけ」

イケメンなセリフを吐きやがる。
後ろから密着して最後の癒着をしてもらった。
コレで家の完成とする。
テイカが魚の鱗を持ってイゼッタを待って居たので、交代ついでに煙の抜け口を依頼して置いた。

 昼飯にはまだ少し時間があるが、出掛ける程には無い。メイドや王女も昼食の準備をしているし、島の中で外貨を稼げる素材でも探す事にした。

(小さくて単価の高い採集品の所へ移動)

ググッと押される感覚があるので空に上がり加速した。島はそんなに広くないので直ぐに到着した。が、どれが目的の採集品なのか分からない。

岩山の麓の、砂利が敷き詰められた斜面に居るのだが、まさかこの砂利に価値があるのだろうか?
庭に敷き詰めれば防犯になりそうだが此処では不要だ。竈に敷いて使えるだろうし、試しに背負いカバンに詰めて行く。時折キラッとしたのがあるけど一緒くたに詰めて持ち帰った。

「おかえりなさいませカケル様。昼食の支度は整っておりますよ」

「ただいま。食べたら皆にカバンの中を見てもらいたい」

「二階も見て」

イゼッタがキラキラしてるので直ぐに見てやる。
階段を上る前から二階が明るい。窓はまだ付けてないので鱗による採光の結果なのだろう。

「ほぅ…、これは…、壁に鱗を嵌め込んで階段の足元を照らす工夫がされて居りますね。ほぅ…、昇っている時から明るさに驚いて居りましたが、部屋に入ると部屋全体に光が入るよう壁の至る所に鱗が嵌め込まれて居ますね…。まさに圧巻、施行主の強い拘りが見て取れます」

「何その口調」

「高評価を頂いたようですよ?イゼッタ様」

「感動がそのまま口から出ただけだ」

二人を撫で散らし昼食に向かった。
近い内に街に行き、食料や窓の買い付けを行う予定を伝える。その為の金策足り得る品物を箱テーブルの上に並べて行く。と言ってもレッサードラゴンの魔石とデカくてテーブルに乗らない皮しか無い。

「それでこれ、ですか」

背負いカバンの中身を取り出そうとするテイカだが、重くてカバンを持ち上げられず、手に乗る量だけコロコロと石を取り出している。

「おや?これは…」

転がした石の中から、王女がキラッとした物をチョイスした。

「何か良物あったら教えてくれ」

  「多分ですが、コレはミスリル鉱です」
鉱石かー。

「溶かしてみるまで純度が分からないのが難点ですが、価値はそれなりに高いと思われますよ」

「王女の魔法で溶けるかな?」

「私程度では…、イゼッタ様と協力すればもしかしたら」

「やってみる」

「ご主人様よ、こんなの売ったら国が奪いに来やしないか?」

「…確かに。良い物だけに迂闊に売れないなコレは」

ミスリルは高級品だけでなくお金の原料だ。取れたら取れただけ金になる素材を国が放置する筈が無い。間違いなく戦争だ。

「キラキラしてキレイだし、窓辺に飾っておこう。他の砂利は竈を作るのにでも使ってくれ」

キラキラとそれ以外を選別し、部屋に飾った。

「カケル、新しい竈欲しい」

「鍋掛け付きのが欲しいかも」

  「オーブン」
「イメージが湧かんな。庶民用の物を一度見に行くか」

「それで良い」

買い物もあるし、大きいシーツの事も聞きたいのでバルタリンドに向かう事にした。
閉門に間に合わないから途中で一泊かなー?

魔石と皮を荷車に積んで、出来るだけ早く飛んだ。
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