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ダンジョンあるのか…
しおりを挟む新しい武器は手に入ったが、ナイフじゃこのデカいのを殺るのはキツイな。粘膜に刺さないと殺れなそう。デカいのの持ってる剣を奪えたら少しは捗るか?
デカいのの攻撃を避けながら残ったブフリムとゴーラを斬って行く。今度は少し慎重に、ナイフを奪うのを忘れない。
ゴーラとブフリムは全部殺した。吐き切ったし臭いにも慣れた。ナイフの替えもある。
それでも手詰まり感で一杯だ。デカいのは雑魚が消えて逆に伸び伸びしてるし、一人殺ったがまだ八人も居やがる。
「ここまでだな」
ふぅーっと息を吐き力を抜くと、デカい奴等はニヤニヤしながら寄って来た。俺を殺そうとしているのだろう、全く馬鹿な奴等よ。
デカいのが剣を振り上げようとした瞬間、俺は奴等の視界から消えた。
まあ、上空に居るだけなんですけれど。
武器の性能で負けた感があるし、そろそろ良い武器欲しいな。
デカいのから離れ、ボッチのゴーラを首チョンパして持ち帰った。
家に着いたら夜中だった。
「カケル様…、っ!誰にやられましたか!?」
ボロボロなのを見て血相を変えて飛んで来たテイカに獲物を渡し、とにかく風呂に入る。今の俺、臭いもん。
メイド二人に洗われて、湯上りの水が染み渡る…。
「カケル、大丈夫?」
「デカい群れに殴りかかったらゴーラよりデカいのが居てな。善戦虚しく敗走して来た」
「ゴーラより大きいとなると、デストロイヤーですか?」
「否、人の形してたので違うな。四ハーンくらいで剣持ったマッチョだ」
「ご主人様よ、それはゲビトかも知れん」
「知っているのか?」
「森のゲビトならフォレストゲビトだと思うが、人の形をしたモンスターだ」
もう少し声張って?
食事しながらゲビトの強さや恐ろしさを聞いた。
モンスターのみならず野獣も従えて大きな群れを作って他の群れや人の居る集落を襲うそうで、百匹程度じゃ小さい方なのだそうだ。
それでもソロで立ち向かって生還したのは驚かれた。
武器さえしっかりしてれば多分殺りきれたと思う。
「すまんが今夜はしないで寝たい。明日は街に武器を買いに行くよ」
その夜はテイカのおっぱいを吸った揉んだしただけで安らかに意識を失った。
今日はイゼッタと街に繰り出している。
何時もテイカはこの世の終わりみたいな顔で送ってくれるのだが、メイドと王女だけを残して行く訳にもいくまい。
日帰りだからカロさんちに厄介にもなれないしな。
サッと行って、買い物したらスっと帰るのだ。
ここの武器屋は何時来ても客が居ないな。どうやって生活してるのか?
「久しぶりだな小僧」
「今日はなんと、武器を買いに来たぞ」
「寝言は寝て言え。この間作ったばかりだろうが?」
「ああ、あれは素晴らしいな。今回は俺用のが欲しいんだ」
「お前ぇ、獲物は何使ってんだ?」
「ゴーラのナイフで粘ってたんだが、ゲビト?とか言うデカいマッチョを相手したら壊れちまった」
「そもそもお前ぇのランクで殺り合う相手じゃねえよ」
「一匹は殺ったぞ?まあそれで懲りたがな」
「…そこの長剣持ってみろ」
遂に俺もファンタジーな武器を持つ事になるのか…。言われるがままに安っぽい剣を持ってみるが、中々重くていらっしゃる。
素で重いのでは無く、バランスが悪いのだろうな。もしくは俺の持ち方か。
「ダメだな」
「ダメかー」
「この大鉈を持ってみろ」
ゴーラナイフより一回りデカくて厚みのある刃物を渡された。刃先が鋭くないので刺すには向いてないが重い刀身で叩き切るには向いてそうだ。刃も鋭く、焼いたハムを切りながら食えるな。
「これ良いな。バランス的に二つ欲しい所だ」
「そう言うだろうと思ったわ。だがそれ一本しか残っとらん」
「じゃあ新品で二本叩いてくれるか?」
「良いだろう。だが戦争用に材料を使っちまったから暫くは無理だな」
「ゴーラナイフなら売る程溜め込んでるが?」
「お前ぇ、ドラゴンを殺れるくせにそんなゴミ集めてどーすんだ?」
「そのゴミで殺ったんだ。どこで聞いたが知らんがレッサードラゴンだよ」
「全く呆れるぜ…。冒険者ならダンジョン行って金属鉱石くらい拾って来い!」
「ダンジョンあるのか…」
「カケル、ミスリル」
「ミスリルだ?お前ぇそんなモン何処で手に入れた!?」
イゼッタの言葉に秒で食い付いて来たな。それだけ入手し難いのか。
「他言無用を守れれば少しだけ持って来るぞ?」
「十ナリ持って来たらタダで作ってやるぞ?」
「明日か明後日にでも持って来るとしよう。純度については期待するなよ?」
ニヤリと笑うオッサンに、ニヤリと返し店を出た。
結局武器は買えなかったのでもう暫くはゴーラナイフの世話になろう。
雑貨屋で一ナリくらい入る布袋を十袋購入。更に料理におすすめの香辛料を数種類買い、袋に詰めてもらった。その後は露店の串焼きを頬張りながらお留守番へのお土産を買って帰路に着いた。
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