女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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実地訓練

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 岩塊は、一先ず空の星にして、燻製機奥の緩斜面を整地する。

「イゼッタ先生、お願いします」

「うム」

風の円盤でスパパパパーっと切り倒す事四十ハーン四方。切れた奴は枝を払って避けておく。そして切り株を取り除く。

「カケル、私も手伝ってやろう」

徐ろに宙に浮いたミーネ…、やばい逃げろ!
ドゴンッ!轟音と共に地面が爆ぜ、一瞬の内にふかふかした畑と化してしまった。微生物とか小さな虫は生きてるかも知れんが、それ以外はきっとデストロイされている事だろう。

「どうだ?」

「畑として見るなら満点だなー。けどいきなりドッカンドッカンすると皆ビックリするからそこは工夫したいね、ありがと」

「んふ、妹に自慢して来よう」

ニマニマしながら飛んで行くのを見送って、さて仕事仕事。凸凹した畑を平に均すぞ。イゼッタは製材してるので俺がやらねば。空に上がって畑を《威圧》する。地面にメンチ切るなんて馬鹿みたいだが、《威圧》の塊を板状に広げ、更に振動させて畑に押し付ける事で均して行くのだ。畑を隈無く押し固め、今日の所はこれで終了。表面を軽く《集結》させて飯にしよう。


「カケルさん、私、一日頑張りました」

夕食後、居間でお茶を啜っているとリュネがニコニコ迫って来た。これはミーネと張り合ってるな?

「今日だけじゃ無いだろ?何時も頑張ってくれてありがとな。俺も岩の切り出しとか頑張ったからギュッてして」

ぱふぱふに包まれてぱふぱふしわわせ。

「カケル、私もギュッてしたいぞ」

顔を包むホールドが微動だにしなくなる。死因、ぱふぱふに依る窒息とかやだな。キスマーク付けて抵抗する。が、無理。

「ミネストパーレ様、ちょっと此方に」

ミーネを呼び付けヒソヒソするテイカ。また性奴隷のイロハを伝授しているのか?二言三言話をしてミーネは身を引いた。何を吹き込まれたのやら…。取り敢えず、死にそうです。

気付いたらベッドで寝てた。夢だったのかな?リュネがベッドの下で土下座してる。謝ってきたのでおっぱいちゅぱって許してやると龍の巣倉庫に戻って行った。まだ頭がフラフラするので寝ます。おやすみなさい。

ちゅぱ音に気付いてアイツを見遣るとミーネがジュルジュル舐ってた。指導員テイカの指示の元、実地訓練の最中である…と思われる。おやすみなさい。

 今日も元気にご飯を食べたら昨日の続きに取り掛かる。一ハーン置きの等間隔に木のピンを立てる事三十×三十ハーンで九百六十一本。凄い数だ。兎達が木の皮等で長い紐を作ってくれてとても助かる。
恩には報いなければならない。

「カケル、エッチな事を考えてるな?お茶を持って来たぞ」

「まさか思考が読めるのか?」

おんなの勘だ」

まあ、龍だからそのくらいの事は出来るのだろうな、と納得するしかない。ミーネがお盆にお茶を乗せて飛んで来た。お茶がキンッキンに冷えてやがって美味し、シルケ初のアイスティーである。龍魔法かと思ったら、熱だけ《収納》したと…。応用力高過ぎだろ。《収納》した熱はどうやって取り出すのだろうか?熟練度最大で使える俺でさえ出来る気がしない。

「所でミーネよ、今更地にしてる大きさだと狭くないか?」

「中で龍に戻って丸まる分には充分だが?」

「寝返りも打てないじゃん」

「野獣じゃあるまいし、腹を向けて寝たりはしないぞ?気になるなら倍程にしてくれても構わんが」

そんな訳で四十×五十ハーンまで広げる事にしたよ。手持ちの柱状節理では数が足りないかも知れないのでまた切り出して来なきゃな。
イゼッタは製材をしてるみたいだし、伐採から一人でやらなきゃ…。



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