女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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悪い魔法使い

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 食べかけの芋を持ち帰り、家に着いたのは午後を少し過ぎていた。

「カケルから、甘い匂いがする」

イゼッタは匂いに敏感なのか、めざとに見つけてくんかくんかして来る。お土産の蒸し焼き芋と生芋を渡すともらった傍から齧り付いた。お行儀悪いぞ?

「加熱しないと食えないから注意な?」

龍三人は昼寝に行ったので、俺は作業を進めよう。滝壺に赴き粉にした粘土の半分を水に浸け、残りの半分と練り合わせる。全部出して驚いたが地面じゃ作業出来無い程の大量だ。空の上で練りながら移動して、尾根と新居の隙間に詰めて行く。平らに伸して圧して継ぎ足し、新居からミーネの家まで、尾根から土台までみっちり土を詰め切った。殺風景だし何か植えたいな。島を隅々《感知》して、食べられる実の成る低木と糖の実の木を見つけたので枝を切って来た。

「イゼッターイーゼーッター」

「なーあーにー?」

玄関から顔を出したイゼッタに植林した木を成長させてもらう。低木はモサモサに、糖の実の木は十ハーン程に伸びた。高過ぎると暗くなるので半分程で切断し、更に成長させて、脇芽をこんもりさせた。その内実も成る事だろう。
夕飯まで居間でゆっくり過ごす。テイカの報告に依ると、属性魔石作りは順調に夜なべ仕事に移行したと言う。

「魔石で思い出したけど、魔力が見えるようになったよ」

「ホント?見て見て」

膝に乗って後頭部をぐりぐりして来るイゼッタだが、俺から出てる魔力に包まれちゃってイゼッタのはよく分からない。対面に座るリアの魔力は体の表面に薄ら赤いのが薄く纏わり付いているのが分かった。リアやイゼッタでこうなので、俺の魔力が如何に垂れ流されているかが解る。賢者ノーノと目が合うと、注いだお茶をお盆に置いて、両手を此方に向けてくる。

「おお凄い。悪い魔法使いみたいだ」

両手から青いオーラをメラメラ出している。

  「悪いは余計です。溢れる魔力を抑える事で魔法の発動が上手くなります」
「使う時だけ出す」

「魔力を体に留めとくイメージで良いのかな?」

「私達は逆なのですけれどね」

「カケルは特別」

因みに大人龍の二人は俺とは比べ物にならない濃い~い魔力を体の表面にグッと密集させて纏う。先日俺が吐き気を催したのはそれが漏れた奴だ。一方カラクレナイはふわーっとした魔力を常に垂れ流している。垂れ続けるから食事や吸収で魔力を補充しなければならないのだ。俺の顔をべろべろするのは好意では無く、唯魔力を吸収してるだけなのかも知れない。そう思うと悲しくなる。

「カケル様、どうでしょう?」

テイカが真顔でノーノと同じポーズをして来るが、残念でしたと言うしかない。

「テイカの技術は魔法を超えてるぞ?それに、俺の全力を受け止められる人はお前くらいだ」

「…えへ」

照れるテイカも可愛い。そして跳ね上がる魔力が三つ。これならイゼッタのも見えるな。イゼッタのは青っぽい緑。風魔法が強いからだろうな。

「所で、俺の魔力の色って紫色なんだが、どんな魔法に向いてんだ?土の魔法が欲しいのにそんな感じが全然しない」

  「近い色で言うとリュネ様でしょうか?」
「そう聞くと何か強そうだな」

「ご主人は強い。自覚を持て」

「スキルを使わねばそこらのおっさんにも負けると思うがな」

「そんな事は御座いませんよ。魔力を放出するだけで倒す事も出来うるのですから」

倒された身なので納得せざるを得ない。

「皆さん私の話をしてましたか?」

腹が減ったのか、リュネが起きて来た。

「俺の魔力が色だけならリュネのに似た色だなーって話をしてたんだ。どんな得意属性か解ったりする?」

「それは、の血を飲んでいますから影響を受けたのかも知れませんね」

血…?いつの間に?

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