女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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サボるのは良くない

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 時間は深夜。普段なら寝てるかエッチしてる時間だが、今は客間でお茶してる。する必要の無い二週目の途中、ハイネルマール商船会社の受付嬢に発見されて、あらこんばんは、旦那様にお知らせしなくては…っと客間に通された次第である。部外者が居るのでイゼッタやリアの事は話さないが、以前世話になったよしみでお茶に誘われて、俺とリュネ以外恐縮してちびちびやっている。
貴族の挨拶は長い。俺も出来るだけ長く挨拶したつもりだ。アルネスの御礼口上が参考になったぜ。

「カケル殿、警備兵以外の者達は貴殿の親しくする者か?」

「はい。此方からリュネ様に、メリクヒャー家の護衛をしている冒険者のアズとシトンでございます。私達全員、メリクヒャー家にてお世話になっております」

おっぱいの順では無く上位順だぞ?全員と言う言葉を察して目で礼を取る髭ミドル。後でお土産くれるそうだ。ゆっくりして行けと退室してしまった。

「カケルよ、お前が此処の代表と縁があるとは驚きだ」

「唯の仕事の縁だよ」

「しかし、サボってると怒られるよ。記録されてるの忘れてる?」

意外と真面目なんだなこの子。

「貴族の誘いを断れる程俺は高ランクじゃ無いのだよ」

「それはそうだがな。この時間にも侵入者が来るやも知れん」

「来てませんよ」

「…リュネ様と言ったか。それはスキルを使用しての発言か?」

「ええ、冒険者ですから。感知系のスキルで悪意のある反応を見ています。ね、カケルさん」

「お前も出来るのか!?」

「凡そ戦う格好じゃ無いだろ?すなわちそゆこと」

俺は何時ものスカウトに見える装備だが、リュネに至ってはドレスだ。軽装な程強いんだけどな。
それでもサボるのは良くないので、お代わり一杯だけにして退散させてもらった。ご馳走様でした。

 三週目を終わり小休止してると《感知》に反応が出た。リュネは既に気付いてて、此方を見てニコニコしてる。俺より先に見付けて嬉しいようだ。
悪意を持ったゴロツキが十人、ロープでも使ったのかそっと艦船から水面に降りた。寝込みを抜け出し小舟も使わんとは中々頭が回りおる。さーて、どーすっかなー…。ミズゲルのご飯にするのは簡単だが、そんな事より暇なのだ。《散開》にてゴロツキ共の近くから魔物を少しだけ散らしてやると、静かにゆっくり陸を目指して泳ぎ寄る。近寄って来るミズゲルとも戦わず、そっと潜って躱してる。これは慣れてるな。

「中々面白いですね」

「ん?巡回が?充実した日々は送れているけど面白い事ばかりじゃ無いわよ?」

ナイニャイちゃんはドMさんなのかな?まあ、急にそんな事を言えば仕事の事だと思ってしまうのも仕方無い。

「ナイニャイ、ゴロツキが動き出したんだよ」

「二人共、出来ればちゃんと報告して欲しいな」

「済まない小隊長殿。報告する。艦船から十人、泳いで陸に向かっている。ミズゲルとの遭遇にも戦わず、潜ってやり過ごすのを見るに海の魔物に慣れた者達であると予想する。まだ距離があり、上陸場所を特定出来無いので報告が遅れた」

「うむ。しっかりとした報告だな。ナイ、見習えよ?」

「酷い!」

「海岸線でお迎えとかすんの?」

「街に入れなきゃ良いのなら、シトンの案でも正解だな」

「殺して良いなら魔法でドーン、ですけどね。うふふ」

「上からの指示を待つ。これが警備隊のやり方だ」

「取り敢えず左右の小隊と情報の擦り合わせをするのが良いと思うが」

「一理ある。ナイは其方の二人で北の小隊へ連絡をリレーさせろ。カケルとリュネ様は私と共に来い」

動いてないと眠くなるし、丁度良い運動になりそうだ。

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