女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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フェロモン

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 ナイニャイちゃん達は北へ、俺達は南側に居る小隊に口頭で連絡した。連絡を受けた小隊も隊を分けて更に隣の小隊に連絡をしたようだ。連絡を終えて合流し、上からの指示を待つアマルディの指示を待つ。此方には広範囲レーダーが監視の目を光らせているので暇なのだ。

「何なのあの冒険者!」

何故か憤慨しているナイニャイちゃんに声を掛けようとすると監視の目が物理的に光って目を眩ませられる。マジやめて。

「カケルさん、あっちの冒険者にナンパされたんだよ」

「よし殺そう」

「あたいらは声掛けられなかったよ?」

「じゃあいいや」

「女三人でナイニャイさんだけ。ちょっと自信無くします」

「面白い事もあるもんだ。二人ともこんなに可愛いのにな。それにアズは軽装だし、シトンはちょっと臭うが構いたいフェロモンムンムンだしな」

「臭くない!」「面白くないわよ!」

「静かにしろー。彼奴は昔から男を集めやすい性質らしい。そこのシトンも似た雰囲気があるな」

「それで男嫌いに…」

「別に嫌いって程じゃ無いけど、公私関係無く言い寄って来るのが嫌なの。あンたはそこまでガッツリ来ないからだいぶマシだけどね…うぐっ」

言い終わる迄待ってたか。我慢出来るようになったな、撫でてやろう。

「俺には可愛い妻達が居るからな。可愛い可愛い娘も居るし」

「可愛いんですよ?うふふふふふふ」

「リュネ様は奥方であったか」

「いいえ、私は従者です」

「友達以上です」

「恋人未満だ」

「不潔よ」

「羨ましいじゃないか。ナイだってとっとと寿退役したいだろう?」

「ぐぬぬ…」

「宴もたけなわではありますが…、そろそろ上陸するな。上からの指示とやらは出て無いのか?」

「無い」

「はい?」

君じゃ無い。

「自由裁量で良いのなら、当たった所の補助で問題無いかな?」

「そうなるだろうな。賊の位置は分かるか?」

「港の裏の磯から上がってますね」

「こっちじゃ無いのかー、ざーんねーん」

手持ち無沙汰なシトンだが、リュネが居る時点でお前達に出来る荒事は無いと思う。

「港のヘチから上がるのは大変だぞ?潮が低くけりゃ手も届かん」

「それで海岸なのな」

多分違うと思うけど、面倒なので言わないしとく。で、上陸に成功した十人のゴロツキだが、警備が厚くなるのも解っているようで、港の裏に埋設されている排水口から下水道に入って行った。迷いの無さは計画的だな。これではスキルの無い警備隊では完全にお手上げである。スキルのある冒険者でも低レベルのスキルでは探しきれないだろう。

「小隊長殿、少し独断専行させてもらっても良いかな?」

「許可を貰ってする行動でも無いだろうに。まあ、お前等だけで賊を捕まえに行く、等で無ければ構わんぞ」

「では少し集中させてもらうよ。リュネは手を出すなよ?」

「……てへっ」

「……」

「暇でしたので、つい」

「んもー」

「何がどうした?」

「リュネが独断専行したようだ。報告なされ」

「ちゃんとカケルさんが許可を取った後ですからね?えっと、賊が地下に潜ろうとしたので拘束しておきました。…これで良いですか?」

「…冒険者と言うのはとんでもないな」

「リュネが特に、だ」

「カケルさんも大概だよ?」

格好良い所を見せたかったがリュネが居るから仕方が無い。褒めて欲しそうな顔で覗き込んで来るリュネを撫で付けて髪の毛をぺたんこにしてやった。

「さて、今になって指示が来たぞ。皆殺しにしろ、だそうだ」

「おやおや」

「まあまあ」

「何かおかしくね?」

「鉱山奴隷にするって言ってましたよね」

「…私は一兵卒だ。指示には従わなくてはならない」

「月給取りの辛い所ね」

「俺達がやらなくても誰かがやるだろうし、取り敢えず見に行こうか。外注とは言え仕事は仕事だ」

きな臭いけど行くだけ行きましょ。



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