女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 見目麗しい多分少年が出て来て、俺も野盗共も唖然。そしてバカ笑い。

「げひひひひ!こんなのに俺達ゃビビってたのか!」

やっぱりビビってたのか。

「構うこたねぇ!殺っちまえ!!」

「こ、怖い…」

「口出しだけはサービスしてやる。お前を中心に、その辺の雪毎つむじ風を出してみろ。範囲は彼奴等全員だ」

「わ、分かった」

分かったって事は出来るんだな。こんな成りでやるもんだ。

ごにょごにょして、出来た旋風は雪を纏って猛吹雪となった。これで弓矢は怖くない。撃ったら横に居る奴に当たるからな。暫くすると、毛皮の塊の野盗共は雪が積もって動けなくなった。安らかにお休み。

「感知能力を身に付けろ。そうすりゃ荷車の中から攻撃出来て寒くないぞ」

「善処、する」

公務員みたいな返答をして倒れ掛かる多分少年を支えてやる。魔力も増やした方が良いな。頭を撫で撫で、魔力を少し分けてやる。これもサービスにしといてやろう。

「坊っちゃま!」「ハーク坊っちゃま!」

ゾロゾロと荷車から出て来た執事風とメイドに囲まれた。ハーク坊っちゃまは可愛いのに男の子でしたか。…それはそれで需要はありそう。

「この子は将来、素晴らしい為政者になるんじゃないのか?初めての仕事は使えない護衛をクビにする事だろうがな」

「冒険者風情が生意気な事を…。ハーク様を離せ」

白髪混じりのセバスチャンは体術に明るそうだ。普通の革靴でちゃんと動けるのかは不明だがな。

「魔力の使い過ぎで休憩中だ。もう少し待て」

「ん…、もう、大丈夫。魔力をありがとう、助かった」

「サービスだ。気にすんな」

「名前を聞いても?」

「カケルだ。嫁も妾も一杯居るから俺に惚れるなよ?」

「許嫁居るから、大丈夫。僕はハークシュタ「坊っちゃま!」…ハークです」

「貴族と絡むとろくな事無いからそれで良い。ハーク、よく頑張ったな」

撫で撫でされて微笑むハーク君可愛い。そうこうしてる間に向こう側から助けが来たみたい。毛むくじゃらに乗った兵隊が駆け付けた。パパっと指示を出し凍った野盗を縛り上げて毛むくじゃらに繋いでく。

「冒険者、貴様は何故此処に居た」

この星の軍人は大体高圧的だ。もう気にするのは辞めた。

「旅の者だよ。あの街に行けば飯と寝床を確保出来ると思って移動してたんだ」

「荷物も無しにか?」

「冒険者だからな。荷物を持ってないように見えるって事は、そう言う事だ。便利だろー?」

何も無い所から棒を取り出すと物凄く身構えられた。ウケる。

「やめろ、カケルは命の恩人だぞ」

走って来てべっとりくっ付くハーク坊っちゃま。

「ですが、何もして居なかったと聞いております」

「お前達は魔力が見えないからそんな口聞けるんだ。先生が見たらひっくり返っておしっこ漏らすぞ!」

仕舞い切れない魔力が漏れちゃってたみたい。魔法を嗜む貴族なら分かってしまうのか。

「僕の魔力適正を理解して的確な指示を下されたのだ。お前達なんて何万と来ても敵わないぞ?」

言い過ぎだよ?やれるけど。

「ハーク、これも仕事の内だ。許してやってくれ」

「我が家に泊まってくれるなら…」

「よし、此奴を打首にしよう。俺は普通の宿に泊まりたいのだ」

「ちょ!カケル殿!カケル様!御容赦をっ!」

「父上と母上に会って頂きたいのにー」

「そう言うのが面倒なの。両親殿もいきなり平民連れて来られたら迷惑でしょ?」

「分かった…。この者は後で軍団長に説教してもらう」

「若様ぁ…」

「だから、一緒に街に行こ?」

上目遣いでお強請りされたら男の子でも断れない程度にはハーク君は可愛かった。
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